連邦公開市場委員会(FOMC)が予想通り利下げを実施したものの、2025年に見込む利下げ回数が従来予想から減少し、株と国債の売りにつながった。
18日の米株式相場は続落し、国債利回りは大幅上昇した。連邦公開市場委員会(FOMC)が予想通り利下げを実施したものの、2025年に見込む利下げ回数が従来予想から減少し、株と国債の売りにつながった。\S&P500種株価指数は8月以来の大幅安となり、節目の6000を割り込んだ。ナスダック100指数は3.
6%安と、5カ月ぶりの大幅下落。\米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長はFOMC会合後の記者会見で、「政策金利のさらなる調整を検討する上で、われわれはより慎重になることが可能だ」と述べた。ただ、政策は依然として「有意に景気抑制的」であり、委員会は「利下げを継続する方向にある」と付け加えた。\ホライゾン・インベストメンツのスコット・ラドナー最高投資責任者(CIO)は「金利予測分布図(ドットプロット)は、かなりタカ派的な予想があったにもかかわらず、さらにタカ派的なものとなった。『中立』水準になるにはかなり時間がかかり、実際には予測期間内にそこまで到達しないだろう」と述べた。「さらに、パウエル氏はこの変化を、堅調な経済というよりもインフレ懸念によるものとして特徴づけており、それは『間違った理由による』タカ派的なものだ」と指摘した。\「米金融当局は今年を3回目の利下げで締めくくることを選んだが、新年の決意はより緩やかなペースの緩和であるように見受けられる」と述べた。\フランクリン・テンプルトン・インベストメント・ソリューションズのシニアバイスプレジデント、マックス・ゴクマン氏は、パウエルFRB議長を「ハト派を装ったタカ派」だと指摘。「議長はディスインフレの最近の減速を深刻視しない姿勢を示す一方で経済の勢いの強さを誇示しているものの、関税は一時的なものと切り捨てられない上に、2025年の2回の利下げ予測は必要であり、それは政策が引き続き景気抑制的でなければならないためだと示唆している」と述べた。\外国為替市場ではブルームバーグ・ドル指数が上昇。2022年11月以来、約2年ぶりの高水準を付けた。FOMCが予想通り利下げを実施したものの、来年の予想利下げ回数が2回に減少したことがドル買いを誘った。\JPモルガン・アセット・マネジメントの最高投資責任者(CIO)兼グローバル債券部門のトップであるボブ・ミシェル氏はブルームバーグテレビジョンで、「なぜ利下げを急ぐのか」と述べ、「来年の利下げ予想が3回ではなく2回になったのはうれしい驚きだ」と語った。\みずほセキュリティーズのマクロ戦略責任者、ジョーダン・ロチェスター氏は「タカ派的な利下げだが、市場はすでにタカ派的な状況にあるため、反応がどれほど続くのか予想は難しい」と指摘。同行は年末までに10年債利回りが4.6%まで上昇すると予想している。\ニューヨーク原油先物は反発した。カザフスタンは、石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国で構成するOPECプラスの生産枠を順守する意向を表明。米国の原油輸出は増加し、世界的な需要の底堅さを示唆した。\ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物1月限は、前日比50セント(0.7%)高の1バレル=70.58ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント2月限は20セント(0.3%)上昇し73.39ドルで引けた。\金スポット価格はニューヨーク時間午後4時10分現在、前日比55.22ドル(2.1%)安の1オンス=2591.61ドル。ニューヨーク商品取引所の金先物2月限はFOMC発表前に同8.70ドル(0.3%)安の2653.30ドルで引けた。
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