埼玉県八潮市の県道が陥没しトラックが転落した事故は、発生から1週間が過ぎた。下水道管の破損によるものとみられており、穴に水がたまるなどして運転手とみられる男性の救助活動が難航している。一刻も早い救出…
埼玉県八潮市の県道が陥没しトラックが転落した事故は、発生から1週間が過ぎた。下水道管の破損によるものとみられており、穴に水がたまるなどして運転手とみられる男性の救助活動が難航している。一刻も早い救出が待たれる。
事故は1月28日に県道の交差点で発生した。穴は徐々に広がり幅約40メートル、深さ最大15メートルに達した。地下約10メートルに設置された下水道管の内径は約4・7メートルで大型だという。これが腐食して破損し、土砂が流入して地中に空洞ができたとみられている。埼玉県は2021年ごろに現場の下水道管を点検しており、この時は一部に損傷が見つかった程度で「補修不要」と判定したという。目視や画像分析による点検が一般的だが、老朽化の度合いを十分に調べるには限界があるとの専門家の指摘もある。原因究明とともに、点検作業についての検証も今後求められよう。高度経済成長期以降、急ピッチで整備されたため、耐用年数を超える箇所は今後急速に増えると見込まれる。事故があった下水道管に関しては1983年に使われ始めており、まだ50年に達していなかった。点検や修繕といった対策を、国を挙げて強化しなければならない。国では、下水道管の劣化予測や漏水検知に人工知能(AI)などのデジタル技術を一層活用する構想が持ち上がっている。有用な新技術を適切に現場に取り入れ、点検の効率化や精度を高めることにつなげてもらいたい。
ただ、点検で異常を把握できたとしても自治体の予算や人員には限りがあり、速やかに対応できるとは限らない。埼玉県内の下水道管計440キロのうち補修が必要なのは約200カ所あるが、23年度に完了したのは約10カ所にとどまるという。地方では人口減少が進行し、下水道管だけでなく道路や橋、トンネルなどインフラの維持・管理の負担が今後さらに重くなっていくことが懸念される。長期的な視点に立った対応が国と自治体に求められる。
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