シリアのアサド政権崩壊は、ロシアのプーチン大統領にとっては個人的な敗北を意味する。ロシアの世界的な野心を覆す深刻な戦略的挫折となる可能性もある。
プーチン氏はアサド大統領のロシア亡命を受け入れたが、ロシアはシリアに持つ地中海沿岸で唯一の海軍基地と、アフリカ展開への物資輸送拠点として使用されている空軍基地を失う恐れに直面している。ロシアが世界の舞台で力を誇示し、冷戦時代の影響力を取り戻そうとする上で、両基地は重要な拠点であり続けている。だが、ロシアの注意がウクライナ侵攻に費やされている間に、こうした努力や基地は今や水泡に帰したように見える。
アサド政権の突然の崩壊は、「ロシアには旧ソ連圏外で効果的に軍事介入を行うだけの軍事力、影響力、権威がない」ことを示していると、モスクワの軍事シンクタンク、戦略技術分析センター(CAST)のルスラン・プーホフ所長は指摘。シリアでの急展開は、タリバンのアフガニスタン制圧と米国主導の軍の混乱に満ちた撤退をほうふつとさせる、とも述べた。 ロシアは西側の支援から切り離されたマリやブルキナファソ、ニジェール、中央アフリカなどの軍事政権や指導者を支援し、アフリカ大陸におけるソ連時代の影響力復活に長い歳月を費やしてきた。
日本 最新ニュース, 日本 見出し
Similar News:他のニュース ソースから収集した、これに似たニュース記事を読むこともできます。
ロシア、アサド政権崩壊でまたも「勢力圏」喪失 ウクライナ侵略の代償、アルメニアに続きロシアを後ろ盾としてきたシリアのアサド政権の崩壊は、ロシアがウクライナ侵略に注力するあまり自身の「勢力圏」の防衛に手が回らなくなっている実情を改めて浮き彫りに…
続きを読む »
ロシア、東部制圧へ攻勢 ウクライナ防戦一方―19日で侵攻1000日ロシアがウクライナ侵攻を開始して、19日で1000日目を迎える。プーチン大統領は、ウクライナ支援に後ろ向きなトランプ次期米大統領が「24時間以内に戦争を終わらせる」と豪語してきたことを踏まえ、所期の目的である東部ドネツク州制圧を果たし「勝利」を主張できるよう、攻勢を強めている。防戦一方のゼレンスキー政権は、ロシアが演出する対話ムードに流されないよう国際社会にくぎを刺す。
続きを読む »
ロシア「新たな緊張」と警告、米の長射程攻撃容認に欧州も懸念[モスクワ/ブダペスト/プラハ 18日 ロイター] - ロシア大統領府のペスコフ報道官は18日、ウクライナが米国製兵器を使用してロシア領内を攻撃することを米政府が許可すれば、ロシアは「無謀な」決定に対...
続きを読む »
ロシア、北朝鮮に石油100万バレル超を提供 衛星画像の分析で判明ロシアが今年3月以降、北朝鮮に石油を100万バレル以上供給しているとみられることが、イギリスに拠点を置く非営利研究団体「オープン・ソース・センター」の衛星画像の分析でわかった。
続きを読む »
ロシア、ウクライナへの二回目の大規模攻撃実施ロシアはウクライナのエネルギーインフラに対する攻撃を実施。キーウの中心部を攻撃対象とする可能性あり。
続きを読む »
ロシア、ウクライナ侵攻で極超音速ミサイル使用を強調、自衛のためなら「あらゆる手段」用意ロシアのラブロフ外相が、ウクライナ侵攻で使用した極超音速ミサイルについて、西側諸国が真剣に受け止めることを望むと述べ、自衛のためなら「あらゆる手段」を講じる用意があると警告した。
続きを読む »