【NQNニューヨーク=戸部実華】15日のニューヨーク外国為替市場で円相場は続落し、前営業日の11日に比べ10銭円安・ドル高の1ドル=149円15〜25銭で取引を終えた。米国での利下げが緩やかなペースになるとの観測から円売り・ドル買いがやや優勢だった。もっとも、米国の製造業の景況感の悪化を示す経済指標の発表や米長期金利の低下などを受け、円の下値は堅かった。14日は米国が祝日のため、外為市場が休
【NQNニューヨーク=戸部実華】15日のニューヨーク外国為替市場で円相場は続落し、前営業日の11日に比べ10銭円安・ドル高の1ドル=149円15〜25銭で取引を終えた。米国での利下げが緩やかなペースになるとの観測から円売り・ドル買いがやや優勢だった。もっとも、米国の製造業の景況感の悪化を示す経済指標の発表や米長期金利の低下などを受け、円の下値は堅かった。
14日は米国が祝日のため、外為市場が休場となっていた。米連邦準備理事会（FRB）のウォラー理事は同日の講演で、来年にかけて緩やかに利下げする考えを示しつつ、今後のデータを見極めて金融政策の緩和をより慎重に進めたい姿勢をみせていた。市場では11月の会合での利下げ幅は前回の0.5%から0.25%に縮小するとの見方が強まっており、円相場の重荷となった。 もっとも、円の下値は限られた。15日朝発表の10月のニューヨーク連銀製造業景況指数はマイナス11.9と、前月のプラス11.5から落ち込んだ。ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想（プラス3.0）も下回った。「想定よりも悪化し、経済の弱含みを示唆する」（SIAウェルス・マネジメントのコリン・チェシンスキ氏）との受け止めがあり、円買い・ドル売りを誘った。米長期金利は前営業日比0.07%低い4.03%で取引を終え、日米金利差の縮小観測も円買い・ドル売りにつながった。
米株式市場では半導体関連株を中心に売られ、主要株価指数がそろって下落した。投資家が運用リスクを取りにくくなり、低リスク通貨とされる円の相場を支えた面もあった。前日の海外市場では8月上旬以来の円安・ドル高水準を付けており「ドルは買われすぎの水準になっていた」（BKアセットマネジメントのキャシー・リーン氏）との声も聞かれた。15日は持ち高調整の円買い・ドル売りも入りやすかった。ユーロは対ドルで下落し、前営業日比0.0045ドルのユーロ安・ドル高の1ユーロ=1.0885〜95ドルで取引を終えた。欧州景気を巡る懸念や欧州中央銀行（ECB）による利下げ観測を背景に、ユーロ売り・ドル買いが出やすかった。株安もリスク選好時に買われやすいユーロの相場の重荷となった。もっとも、米製造業の景況感の悪化を受け、ユーロは下げ渋る場面もあった。
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