新生シリアはどんな道をたどるのか?中東専門の政治学者が語る「アラブの春」の5つの教訓

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新生シリアはどんな道をたどるのか?中東専門の政治学者が語る「アラブの春」の5つの教訓
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<なぜ「アラブの春」は多くの国々で失敗に終わったのか。教訓を生かせば、新生シリアは安定と繁栄の道に進める> 昨年12月8日、シリアのバシャル・アサド大統領が失脚し、14年近く続いた内戦がようやく幕を閉...

昨年12月8日、 シリア のバシャル・アサド大統領が失脚し、14年近く続いた内戦がようやく幕を閉じた。安堵した人もいただろうが、実はこの時から神経がすり減る試練の日々が始まった。新生 シリア はこれからどんな道をたどるのか。 シリア が抱えるジレンマは、他のアラブ諸国が10年以上前に経験した葛藤に似ている。2010年12月にチュニジアで起きた抗議デモをきっかけに、「 アラブの春 」と呼ばれる民主化運動が中東全域に広がり、独裁政権が次々倒れた。中東専門の政治学者である筆者はこの問いを研究テーマに据え、そこから5つの教訓を引き出した。 シリア が安定した民主国家に移行するには、「 アラブの春 」がもたらした苦い教訓が役立つはずだ。アフガニスタンのタリバンのように、イスラム主義の政権はイスラム法の狭い解釈に基づく統治を行う──多くの人がそう思っているが、そうなるとは限らない。

例えばチュニジアのイスラム政党「アンナハダ」は、11年に長期独裁政権が崩壊した後、制憲議会選挙で圧勝して第1党となった。だがイスラム法に基づく統治は目指さず、非イスラム政党と協力して民主的な憲法の制定に力を尽くした。2011年2月エジプトでムバラク失脚を祝う群衆 AMR ABDALLAH DALSHーREUTERS もっとも、イスラム主義から穏健派への転向は既定路線ではない。トルコのレジェップ・タイップ・エルドアン大統領のように、一度は掲げた民主化推進の旗を、政治的な都合で平然と投げ捨てるイスラム主義の政治家もいる。シリアに民主主義が根付くには、暫定政権を主導するHTSが穏健路線に徹する必要がある。徹するかどうかは彼らの判断次第。民主的な統治か権威主義的な統治か、どちらが組織の拡大強化につながるかてんびんにかけるだろう。「アラブの春」もシリアの反政府運動も、一つにはコネがものをいう商取引に人々の怒りが爆発したことが原因。シリアでは、アサドの親族や取り巻きが携帯電話事業などうまみのあるビジネスを独占していた。

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