大阪市高速電気軌道(大阪メトロ)の一部の駅に置かれている「百葉箱」をご存じだろうか。駅構内の温湿度を測るため昭和9年に初めて設置。その後、測定機器のデジタル化で十数年前に全撤去の方針が打ち出されたが、惜しむ声を受け存続していた。
そんな愛され続けた百葉箱だが、大阪メトロは年度内に完全引退させる方針を決めたことが分かった。登場から90年の節目の年にひっそりと姿を消す。国内初の公営地下鉄として大阪市営地下鉄御堂筋線が昭和8年に開業。翌年、淀屋橋駅に百葉箱が初めて設置された。成果が生かされたのは昭和31年。百葉箱での計測をもとに、地下鉄駅舎で国内初の冷房装置が梅田駅に導入された。
「まだ利用者の少なかった開業のころから、快適な駅の環境づくりを考えていた。先見の明があったと感じる」。大阪メトロ広報戦略課長の永沢良太さんは話す。百葉箱はピーク時の昭和30~40年代には21駅に置かれていた。 以前、百葉箱に収められていたアナログ式の計測器は、横幅30センチ、奥行き13.5センチ、高さ28センチと現在のデジタル式に比べ大型。「収納するには百葉箱がちょうどいいサイズだったようです」と永沢さんは説明する。 その後、計測は徐々にデジタル化。天井や壁などに取り付けたセンサーでも計測し、遠隔操作で温湿度の調整、確認ができるほか、温湿度の記録を保存できる情報システムも整った。データの蓄積期間も大幅に延び、もはや百葉箱に頼る必要はなくなった。同社は平成23年頃に撤去を決めた。
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