夜間の場合は?送迎中は?…職員らに残る不安 高齢者、障がい者施設 <検証 津波避難>3 - 琉球新報デジタル
また、鳴った。「津波が来る? どうしたらいいの?」。3日朝にバスで移動中、目的地のバス停に到着する直前に、女性(21)のスマートフォンが大きな音で津波警報を伝えた。車内を見渡すと、乗客らは慌てず落ち着いており、安心した。バス停に到着して下車し、一人になったとき、再び鳴動した。混乱し涙が出て動けなくなった。
その女性は、精神障がい者や知的障がい者らの就労を支援する事業所「てるしのワークセンター」(南風原町)の利用者。いつものコースで同事業所へ向かう途中だった。偶然、職員が通りかかり、パニック状態の女性を車に乗せることができた。 同事業所の運営を担う増山幸司さん(44)は、災害時の対応を定めた「業務継続計画」(BCP)を策定した。同計画は、厚生労働省が求め、全国の施設で定めている。自然災害に関して避難の場所や方法を決めたものの「海のない南風原町での津波被害には実感が伴わなかった」。今回の津波警報に伴う動きを受け、考えを改めた。 警報の発表は午前9時1分。朝の通所時間帯に、通所者を迎えに出た車の大半は戻ってきていた。だが、もし30分前だったら…。事業所から遠い本島南部の沿岸部に住む通所者もいる。何通りもある送迎コースそれぞれで、近い避難所はどこか、早速細かく調べ直した地図をBCPに添えた。警報発表後、利用者20人を近くの高台「山巓毛(さんてぃんもう)」へとすぐ誘導できた。歩いて登るのが困難な1人は車で移動した。伊江島の特別養護老人ホーム「いえしま」も海に近い。入所者30人とショートステイの3人がいたが、役場の指示で高台の公民館へ避難した。リフトカー5台や職員の車を使い、津波到達予想の午前10時の2分前に移動を終えた。公民館では偶然、居合わせた小学校の先生たちが協力した。しかし「(職員が少ない)夜間だったら、どうなったか」と磯ひとみ施設長。地域の連携も欠かせない。
今回の津波警報後、すぐにBCPを更新した、てるしのワークセンターの増山さん。福祉施設とつながっていない障がい者や高齢者の存在も心配する。パニックになる人も、危険を認識しない人もいるだろう。「地域の中で支え合うことができるのか」。普段気にかかっていることが、より鮮明になった。
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