セブン&アイ・ホールディングス(HD)に買収提案したカナダのアリマンタシォン・クシュタールの創業者で会長のアレイン・ブシャード氏は、7&iHD全体の買収に関心があるほか、買収した場合でも同社の日本における事業については維持していく考えを示した。
ブシャード氏とアレックス・ミラー社長らが17日、都内でのインタビューに応じた。買収が仮に合意に至った場合、世界最大のコンビニエンスストア企業が誕生するため規制当局が懸念を示す可能性もあるが、ブシャード氏は我々は答えを持っていると自信を示した。
ブシャード氏は7&iHD買収を通じて巨大な価値創造が見込めると説明。また今回の訪問は、クシュタールという企業をよく知ってもらう目的だと明らかにした。今回のクシュタール幹部の訪問は、同社の真剣な姿勢を反映したものといえる。 今回の訪問で7&iHDの幹部と会うことはできなかったものの、7&iHDで買収提案を検討する特別委員会のスティーブン・ヘイズ・デイカス取締役会議長とは、時期を明らかにしなかったが面談したと明かした。 7&iHDの担当者は、クシュタールの要請に従って協議については非公開としてきたとコメント。自社のスタンドアローンでの価値を認識し、規制上の懸念を払拭する協議には真摯(しんし)に対応するが、引き続き非公開の協議を望むとした。
インタビューに同席した同社のフィリペ・ダ・シルバ最高財務責任者(CFO)は、資金調達にも自信を持っていると強調。すでに日本のメガバンクの1行と協議をしていると明かした。また買収後も7&iHDに必要な投資を続けていくことや、信用格付けを維持できると確信していると話した。 クシュタールは9月、1株あたり18.19ドル(約2700円)で買収を再提案したと事情に詳しい関係者は述べていた。企業価値が高まる可能性を反映していないと7&iHDが反対した、当初提案の14.86ドルや足元の株価と比べて約2割高い水準だ。7&iHDは再提案があったことは認めたが、中身や対応は非公開としている。 クシュタールの買収提案は、外資による合併・買収(M&A)は難しいと見なされてきた日本企業が変化に対応できるかどうかを占う試金石と位置づけらている。買収が実現した場合、海外企業による日本企業の買収として過去最大規模となる可能性がある。 7&iHDは事業の多角化で企業価値が過小評価される「コングロマリット・ディスカウント」からの脱却をアクティビストから求められ続けてきた。クシュタールの提案は、株価低迷から抜け出す機会になると市場は好意的に受け止めるが、7&iHDは自力で企業価値を引き上げる施策をアピールする。
10日にはコンビニ事業に集中するための組織再編計画の具体案を明らかにした。社名を「セブンーイレブン・コーポレーション」に改め、スーパー関連などの31の非中核事業は、新たに設置した中間持ち株会社に集約する。は、7&iHDが提示した事業再編計画の結果得られる評価よりも、クシュタールの買収提案額の方が優れていると指摘。買収再提案に応答すべきだと促す内容の書簡を取締役会宛てに送った。 クシュタールは、日本で最も愛されているブランドの一つである7&iHDを台無しにするようなことはしないとブシャード氏は強調。「従来のモデルは変えないで、われわれが適応する」とした上で、現在の経営陣にも残ってもらい、クシュタールの文化を共有するような役割を担ってもらいたいとした。クシュタール、7&iHDに7兆円に引き上げ買収再提案-関係者
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