中ロ国境を流れるアムール川の近くを拠点として物流事業を営むニキータ・ミネンコフ氏。経営は順調だったが、ロシアによるウクライナ侵攻が始まって以来、業績はさらに伸びた。2年連続で売上高は倍増の勢いだ。
世界貿易量は、2023年には0.8%増と減速する見込みだが、2024年には3.3%増へと回復する予想になっている。シンクタンク、欧州改革センター(CER)でアシスタントディレクターを務めるザック・マイヤーズ氏は、「中ロ貿易の急増は、時間の経過とともに経済制裁がその効果を失っていくことを簡潔に示している。制裁に参加しない国が、西側企業の撤退で生まれた経済的チャンスにつけこんでいくからだ」と語る。ロシア自動車市場において10%に満たなかった中国企業のシェアは、ロシアが「特別軍事作戦」と称するウクライナ侵攻が始まってから2年間で50%超へと急拡大した。「長安」を扱うモスクワ郊外ムイチシチのディーラーで営業部長を務めるブラディスラフ・ベルシニン氏は、「他に選択肢はない」と語る。「利益も出るようになってきた。中国企業は実にすばやく適応しつつある」市場分析会社オートスタットによれば、ロシアにおける「長安」の販売台数は、2022年の2550台から2023年には約4万7800台へと増加し、年間販売台数で5位にランクされた。オートスタットのデータでは、今年2月の時点で、ロシアで販売される自動車ブランドの
今のところ、ロシアの自動車市場の回復は中国企業に支えられている。2022年は、乗用車の販売台数がわずか62万6276台という深刻な後退となった。2023年の販売台数は、開戦前である2021年の152万台には及ばないものの、106万台まで戻している。アムール川を隔てて中国に面する都市、ブラゴベシチェンスクを拠点とする物流企業を経営するミネンコフ氏は、2022年に売上高が倍増したと話す。ミネンコフ氏が経営するユーラシア・ロジスティクスは、産業用・建設用機器を中心とする製品の輸入や物流サービスを得意としている。ロシア政府は、「無制限」のパートナーシップの一環として、対中関係強化を熱心に進めている。バイカル・アムール鉄道やトランス・シベリア鉄道などによる輸送能力は、2023年の年間1億7300万トンから、2030年には2億1000万トンに拡大する見込みとなっている。「我が社の事業はスペアパーツの取引が中心だった」とグドコフ氏は言う。だが、欧州市場がロシアを締め出し、中国製の機器に対する需要が急増する中で、KSTは針路を変えた。
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