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アングル:気候変動直撃、パナマ運河庁が挑む16億ドル巨大ダム計画

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アングル:気候変動直撃、パナマ運河庁が挑む16億ドル巨大ダム計画
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Marianna Parraga Elida Moreno[トレスエルマナス(パナマ) 2日 ロイター] - パナマ西部、エル・ザイノ・イ・ラ・アレノザの緑豊かな渓谷では、数百世帯が農業や漁業...

パナマ西部、エル・ザイノ・イ・ラ・アレノザの緑豊かな渓谷では、数百世帯が農業や漁業、そして牛を飼育しつつ暮らしている。写真はパナマのカピラを流れるリオ・インディオ川。10月23日撮影(2024年 ロイター/Enea Lebrun)[トレスエルマナス(パナマ) 2日 ロイター] - パナマ西部、エル・ザイノ・イ・ラ・アレノザの緑豊かな渓谷では、数百世帯が農業や漁業、そして牛を飼育しつつ暮らしている。だがこの地はまもなく、気候変動の影響を受けるパナマ運河の運用を続けるために計画された巨大な人造湖の底に沈む予定だ。 その中のトレスエルマナスには農場が広がり、学校が2カ所、複数の教会、診療所が1カ所ある。パナマ運河庁による総工費16億ドルの大プロジェクトが実施された場合、今後6年以内に消滅する数十の街の1つだ。住民の意見は分かれる。街を離れたくないという者もいれば、離れざるをえないという前提で公平な補償を獲得することに集中する者もいる。最近の歴史を考えれば、補償額に満足できない場合には住民による反対運動が広がり、プロジェクト全体が危うくなる可能性がある。 このリオ・インディオ川ダム建設プロジェクトが最初に提案されたのは20年前。だが過去10年間で異常気象の頻度は増した。特にこの1年に発生した深刻な干ばつでパナマ運河の通航が制限されたことで、このプロジェクトの緊急性は高まった。 運河関連の収入はパナマの国内総生産(GDP)の3.1%に相当する。この水路は年間最大1万4000隻の船舶を通過させることができ、グローバルな海運貿易の2.5%を担っている。米国が自動車やアジアからのコンテナ船で運ばれる商業製品を輸入するためにも、また液化天然ガス(LNG)など米国からのコモディティー輸出にも同運河は不可欠だ。プロジェクトはまだ長期にわたる承認プロセスを控えている。市民からの意見公募と閣議を経て、最終的にゴーサインを出すのは国会だ。 パナマのムリーノ大統領は議論を来年には終わらせると述べているが、このところ、複数の主要プロジェクトで遅延や中断が生じていることから、海運業界は若干の懸念を抱きつつ注視している。たとえばカナダのファースト・クォンタム・ミネラルズとの鉱山開発契約が紛糾した件では、社会的な反発が広がったことで、最高裁判所は昨年、この契約が違憲であると認定し、政府が鉱山の閉鎖を命じるに至った。 ダム建設のために退去を余儀なくされる住民の数は比較的少ないものの、「カントリーメン・コーディネーター・フォー・ライフ」という活動家団体の支援を受けている。ファースト・クォンタムの鉱山開発契約の阻止でも活躍した団体だ。 新興市場諸国に特化したバンクトラスト投資銀行で上級エコノミストを務めるセザール・プティ氏は、ダム建設プロジェクトはパナマ国内において政治的合意を得ているとはいえ、政府としては、退去対象となる住民や影響を受ける近隣住民に向けて信頼性の高い補償計画を定める必要があると話している。 「リオ・インディオ川に多目的ダムを建設するというプロジェクトが延期される、あるいは期限を定めずに中断されるリスクはかなり大きい」とプティ氏はロイターに語った。「計画がもたらすメリットについての広報戦略、そして影響を受ける住民への十分なインセンティブと補償体制が、この計画を無事に実施するための鍵になるだろう」 ホセ・イカサ運河担当相はロイターに対し、政府は住民の「不安と懸念」を理解していると述べた。「私たちの優先課題は、流域住民の生活条件と安寧に影響を与えないことだ。そのため、建設プロジェクトを前進させるにあたって、住民のニーズに応えるために彼らとの直接の交渉を続けていくことになるだろう」 運河の閘門で利用する淡水を確保するため、全長840メートル、高さ80.5メートルの巨大なダムを造ろうというのがパナマ運河庁の狙いだ。同庁によれば、ダムの貯水量は12億5000万立方メートル。乾期の通航船舶を1日最大15隻増やせるようになり、増加傾向にある450万人のパナマ国民への飲料水供給にも貢献するという。ダム計画が承認された場合、竣工は2030年または2031年と予想されている。だが状況は切迫している。昨年は110年のパナマ運河史上でワースト3位となるひどい水不足に見舞われた。ワースト2位は2015年だった。気候学者らは、今後の気温の上昇によりパナマを襲う干ばつはさらに深刻になり、水の蒸発も加速していくと予想している。.

パナマ西部、エル・ザイノ・イ・ラ・アレノザの緑豊かな渓谷では、数百世帯が農業や漁業、そして牛を飼育しつつ暮らしている。写真はパナマのカピラを流れるリオ・インディオ川。10月23日撮影(2024年 ロイター/Enea Lebrun)[トレスエルマナス(パナマ) 2日 ロイター] - パナマ西部、エル・ザイノ・イ・ラ・アレノザの緑豊かな渓谷では、数百世帯が農業や漁業、そして牛を飼育しつつ暮らしている。だがこの地はまもなく、気候変動の影響を受けるパナマ運河の運用を続けるために計画された巨大な人造湖の底に沈む予定だ。 その中のトレスエルマナスには農場が広がり、学校が2カ所、複数の教会、診療所が1カ所ある。パナマ運河庁による総工費16億ドルの大プロジェクトが実施された場合、今後6年以内に消滅する数十の街の1つだ。住民の意見は分かれる。街を離れたくないという者もいれば、離れざるをえないという前提で公平な補償を獲得することに集中する者もいる。最近の歴史を考えれば、補償額に満足できない場合には住民による反対運動が広がり、プロジェクト全体が危うくなる可能性がある。 このリオ・インディオ川ダム建設プロジェクトが最初に提案されたのは20年前。だが過去10年間で異常気象の頻度は増した。特にこの1年に発生した深刻な干ばつでパナマ運河の通航が制限されたことで、このプロジェクトの緊急性は高まった。 運河関連の収入はパナマの国内総生産(GDP)の3.1%に相当する。この水路は年間最大1万4000隻の船舶を通過させることができ、グローバルな海運貿易の2.5%を担っている。米国が自動車やアジアからのコンテナ船で運ばれる商業製品を輸入するためにも、また液化天然ガス(LNG)など米国からのコモディティー輸出にも同運河は不可欠だ。プロジェクトはまだ長期にわたる承認プロセスを控えている。市民からの意見公募と閣議を経て、最終的にゴーサインを出すのは国会だ。 パナマのムリーノ大統領は議論を来年には終わらせると述べているが、このところ、複数の主要プロジェクトで遅延や中断が生じていることから、海運業界は若干の懸念を抱きつつ注視している。たとえばカナダのファースト・クォンタム・ミネラルズとの鉱山開発契約が紛糾した件では、社会的な反発が広がったことで、最高裁判所は昨年、この契約が違憲であると認定し、政府が鉱山の閉鎖を命じるに至った。 ダム建設のために退去を余儀なくされる住民の数は比較的少ないものの、「カントリーメン・コーディネーター・フォー・ライフ」という活動家団体の支援を受けている。ファースト・クォンタムの鉱山開発契約の阻止でも活躍した団体だ。 新興市場諸国に特化したバンクトラスト投資銀行で上級エコノミストを務めるセザール・プティ氏は、ダム建設プロジェクトはパナマ国内において政治的合意を得ているとはいえ、政府としては、退去対象となる住民や影響を受ける近隣住民に向けて信頼性の高い補償計画を定める必要があると話している。 「リオ・インディオ川に多目的ダムを建設するというプロジェクトが延期される、あるいは期限を定めずに中断されるリスクはかなり大きい」とプティ氏はロイターに語った。「計画がもたらすメリットについての広報戦略、そして影響を受ける住民への十分なインセンティブと補償体制が、この計画を無事に実施するための鍵になるだろう」 ホセ・イカサ運河担当相はロイターに対し、政府は住民の「不安と懸念」を理解していると述べた。「私たちの優先課題は、流域住民の生活条件と安寧に影響を与えないことだ。そのため、建設プロジェクトを前進させるにあたって、住民のニーズに応えるために彼らとの直接の交渉を続けていくことになるだろう」 運河の閘門で利用する淡水を確保するため、全長840メートル、高さ80.5メートルの巨大なダムを造ろうというのがパナマ運河庁の狙いだ。同庁によれば、ダムの貯水量は12億5000万立方メートル。乾期の通航船舶を1日最大15隻増やせるようになり、増加傾向にある450万人のパナマ国民への飲料水供給にも貢献するという。ダム計画が承認された場合、竣工は2030年または2031年と予想されている。だが状況は切迫している。昨年は110年のパナマ運河史上でワースト3位となるひどい水不足に見舞われた。ワースト2位は2015年だった。気候学者らは、今後の気温の上昇によりパナマを襲う干ばつはさらに深刻になり、水の蒸発も加速していくと予想している。

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