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これが“世界一美しいバッグ”。プレッピーたちが愛した避暑地生まれの名品、ナンタケットバスケットの物語

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これが“世界一美しいバッグ”。プレッピーたちが愛した避暑地生まれの名品、ナンタケットバスケットの物語
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|![CDATA[大人の名品図鑑 サマープレッピー編 #4プレッピーとは、アメリカの名門私立学校=プレパラトリースクール(略してプレップスクール)に通い、有名大学を目指す学生たちのこと。彼らの装いを参...

ナンタケットバスケットには丸形、楕円形、六角形などのさまざまなタイプがあり、それぞれフタのある「パース」と、フタがない「オープンバスケット」がある。手仕事で仕上げられるため、まったく同じものはひとつとして存在しないのも魅力だ。カーブのかかったハンドルを備え、「スクリムシャウ」と呼ばれる鯨の骨や象牙などに絵を施した飾りを付けるのが伝統。この「6" Cocktail Purse」というバスケットは、八代江津子が製作し、師匠のアラン・リードが仕上げに手を加えた特別な一点。(参考商品)/グレイミスト ジャパンプレッピーとは、アメリカの名門私立学校=プレパラトリースクール(略してプレップスクール)に通い、有名大学を目指す学生たちのこと。彼らの装いを参考にしたスタイルも“プレッピー”と呼ばれ、これまで多くのデザイナーやブランドの着想源となってきた。今回はこのプレッピースタイルと、その装いに欠かせない名品たちを掘り下げて紹介する。『オフィシャル・プレッピー・ハンドブック』(以下『プレッピー・ハンドブック』)のCHAPTER6では、大人になったプレッピーのライフスタイルについて、こんな一節がある。 「生活と仕事において、身を捧げてもよいと思っているものを一つあげるとすれば、それはレジャーです」———この言葉に象徴されるように、プレッピーたちは「よく遊ぶ」ことを重視している。また同章には「“サマーする”という言葉は、夏をほかの場所で過ごすという意味で、とてもプレッピーらしいことです」とも書かれており、夏に避暑地で過ごすことがプレッピー的理想のひとつであることが伺える。そして、彼らが“サマー”を過ごす島の一例として挙げられているのが、マサチューセッツ州沖に浮かぶナンタケット島だ。 この島の名を冠した「ナンタケットバスケット」は、プレッピーの女性たちにとって欠かせない名品のひとつだ。『プレッピー・ハンドブック』では「ライトシップ・バスケット」として紹介され、「ナンタケットの家内工業から生まれます。良い物は、フタに本物のスクリムショーがついていて、作った人のサインと日付が入っています」と解説されている。 ナンタケット島は、18〜19世紀に世界有数の捕鯨港として栄え、莫大な富を築いた歴史を持つ。ハーマン・メルビルの小説『白鯨』の舞台としても知られるが、捕鯨業の衰退とともに島の経済も低迷。しかし、20世紀後半、美しい自然と静けさを求める富裕層の避暑地として再び脚光を浴びるようになった。 「ナンタケットバスケット」の起源については諸説あるが、現在一般的に知られるフタ付きの「ナンタケットバスケット」が登場したのは1940年代後半。ハーバード大学出身のホセ・レイが隣人のミッチェル・レイと共にフタ付きのバスケットを考案したと言われている。やがて避暑地を訪れたセレブリティたちの間で人気を博し、“世界一美しいバスケット”とも称されるようになった。 前述の通り、『プレッピー・ハンドブック』で紹介されている「ライトシップ・バスケット」とは、捕鯨船のために港に停泊していた灯台船(ライトシップ)に由来する。1〜3ヶ月の間、船での生活を送った船員たちが、船上でバスケットを編み、細工を施したことが名前の由来とされる。それでこのバスケットは「ライトシップ・バスケット」とも呼ばれるようになったらしい。この伝統工芸の担い手のひとりが、今回紹介する八代江津子だ。彼女は1990年代にアメリカ滞在中に「ナンタケットバスケット」に出会い、ナンタケット島に住む著名なバスケット作家アラン・リード氏の元に5年間通い、ようやく弟子入りが許された。彼の指導で八代はさまざまなバスケットづくりの技術を学び、日本人としてこの島で唯一認められたナンタケットバスケット作家となった。そしてバスケットの伝統を伝えるため、ボストンで教室を開き、1999年には「New England Nantucket Basket Association」を設立。2017年には「日本ナンタケット協会」を創設し、日本国内でも普及に尽力している。 かつてはエリザベス女王に献上され、オードリー・ヘプバーンやジャクリーン・ケネディにも愛用された「ナンタケットバスケット」。精緻な手仕事と気品に満ちたその佇まいは、プレッピーたちの“サマー”に欠かせない存在であり、フォーマルな場でも持つことを許された確かな格式を備えた、本物の逸品である。---fadeinPager--- 精緻に編み込まれたバスケットにシングル、またはダブルのハンドルが付いているのもナンタケットバスケットの特徴の一つだ。初期のナンタケットバスケットには木材や樹皮が使われていたが、『ナンタケットバスケット ストーリー—はるか海の彼方から——』(八重江津子著 K&M企画室)によれば、捕鯨船が東南アジアの港に立ち寄った際に籐と出会い、素材として用いられるようになったという。現在はアジア原産の最高品質の籐が使われている。多くのナンタケットバスケットには、「ハスプ」や「ペグ」のような、開け閉めのための独特なパーツが取り付けられている。これらのパーツは、鯨の骨や象牙など、貴重な素材でつくられることが多い。ナンタケットバスケットの起源には諸説ある。ナンタケット島の先住民であるワンパノアグ族がつくっていたバスケットを起源とする説。あるいは鯨油を入れる樽づくりの技術を応用して船でバスケットがつくられていたという説。八代はその著書『ナンタケットバスケット ストーリー—はるか海の彼方から——』の中で「たぶん、そのすべてが絡まりあいながら形成されてきたのだと思います」と書く。ナンタケットバスケットの底は、樽のような底材が使われているのが、起源のひとつ、バスケットが樽づくりに由来することを証明するものではないか。ちなみにこのバスケットの底はバーズアイメープルが用いられ、八代と師匠・リードの2人のサインが刻まれている。これは「6" Round Purse with Ivory Top Plate」というバスケットで、New England Nantucket Basket Association/日本ナンタケットバスケット協会認定インストラクターによって製作されたナンタケットバスケット。底材やハンドルにはメープル材が使われ、象牙の「トッププレート」には鯨の象嵌が施されている。¥638,000/グレイミスト ジャパン.

ナンタケットバスケットには丸形、楕円形、六角形などのさまざまなタイプがあり、それぞれフタのある「パース」と、フタがない「オープンバスケット」がある。手仕事で仕上げられるため、まったく同じものはひとつとして存在しないのも魅力だ。カーブのかかったハンドルを備え、「スクリムシャウ」と呼ばれる鯨の骨や象牙などに絵を施した飾りを付けるのが伝統。この「6" Cocktail Purse」というバスケットは、八代江津子が製作し、師匠のアラン・リードが仕上げに手を加えた特別な一点。(参考商品)/グレイミスト ジャパンプレッピーとは、アメリカの名門私立学校=プレパラトリースクール(略してプレップスクール)に通い、有名大学を目指す学生たちのこと。彼らの装いを参考にしたスタイルも“プレッピー”と呼ばれ、これまで多くのデザイナーやブランドの着想源となってきた。今回はこのプレッピースタイルと、その装いに欠かせない名品たちを掘り下げて紹介する。『オフィシャル・プレッピー・ハンドブック』(以下『プレッピー・ハンドブック』)のCHAPTER6では、大人になったプレッピーのライフスタイルについて、こんな一節がある。 「生活と仕事において、身を捧げてもよいと思っているものを一つあげるとすれば、それはレジャーです」———この言葉に象徴されるように、プレッピーたちは「よく遊ぶ」ことを重視している。また同章には「“サマーする”という言葉は、夏をほかの場所で過ごすという意味で、とてもプレッピーらしいことです」とも書かれており、夏に避暑地で過ごすことがプレッピー的理想のひとつであることが伺える。そして、彼らが“サマー”を過ごす島の一例として挙げられているのが、マサチューセッツ州沖に浮かぶナンタケット島だ。 この島の名を冠した「ナンタケットバスケット」は、プレッピーの女性たちにとって欠かせない名品のひとつだ。『プレッピー・ハンドブック』では「ライトシップ・バスケット」として紹介され、「ナンタケットの家内工業から生まれます。良い物は、フタに本物のスクリムショーがついていて、作った人のサインと日付が入っています」と解説されている。 ナンタケット島は、18〜19世紀に世界有数の捕鯨港として栄え、莫大な富を築いた歴史を持つ。ハーマン・メルビルの小説『白鯨』の舞台としても知られるが、捕鯨業の衰退とともに島の経済も低迷。しかし、20世紀後半、美しい自然と静けさを求める富裕層の避暑地として再び脚光を浴びるようになった。 「ナンタケットバスケット」の起源については諸説あるが、現在一般的に知られるフタ付きの「ナンタケットバスケット」が登場したのは1940年代後半。ハーバード大学出身のホセ・レイが隣人のミッチェル・レイと共にフタ付きのバスケットを考案したと言われている。やがて避暑地を訪れたセレブリティたちの間で人気を博し、“世界一美しいバスケット”とも称されるようになった。 前述の通り、『プレッピー・ハンドブック』で紹介されている「ライトシップ・バスケット」とは、捕鯨船のために港に停泊していた灯台船(ライトシップ)に由来する。1〜3ヶ月の間、船での生活を送った船員たちが、船上でバスケットを編み、細工を施したことが名前の由来とされる。それでこのバスケットは「ライトシップ・バスケット」とも呼ばれるようになったらしい。この伝統工芸の担い手のひとりが、今回紹介する八代江津子だ。彼女は1990年代にアメリカ滞在中に「ナンタケットバスケット」に出会い、ナンタケット島に住む著名なバスケット作家アラン・リード氏の元に5年間通い、ようやく弟子入りが許された。彼の指導で八代はさまざまなバスケットづくりの技術を学び、日本人としてこの島で唯一認められたナンタケットバスケット作家となった。そしてバスケットの伝統を伝えるため、ボストンで教室を開き、1999年には「New England Nantucket Basket Association」を設立。2017年には「日本ナンタケット協会」を創設し、日本国内でも普及に尽力している。 かつてはエリザベス女王に献上され、オードリー・ヘプバーンやジャクリーン・ケネディにも愛用された「ナンタケットバスケット」。精緻な手仕事と気品に満ちたその佇まいは、プレッピーたちの“サマー”に欠かせない存在であり、フォーマルな場でも持つことを許された確かな格式を備えた、本物の逸品である。---fadeinPager--- 精緻に編み込まれたバスケットにシングル、またはダブルのハンドルが付いているのもナンタケットバスケットの特徴の一つだ。初期のナンタケットバスケットには木材や樹皮が使われていたが、『ナンタケットバスケット ストーリー—はるか海の彼方から——』(八重江津子著 K&M企画室)によれば、捕鯨船が東南アジアの港に立ち寄った際に籐と出会い、素材として用いられるようになったという。現在はアジア原産の最高品質の籐が使われている。多くのナンタケットバスケットには、「ハスプ」や「ペグ」のような、開け閉めのための独特なパーツが取り付けられている。これらのパーツは、鯨の骨や象牙など、貴重な素材でつくられることが多い。ナンタケットバスケットの起源には諸説ある。ナンタケット島の先住民であるワンパノアグ族がつくっていたバスケットを起源とする説。あるいは鯨油を入れる樽づくりの技術を応用して船でバスケットがつくられていたという説。八代はその著書『ナンタケットバスケット ストーリー—はるか海の彼方から——』の中で「たぶん、そのすべてが絡まりあいながら形成されてきたのだと思います」と書く。ナンタケットバスケットの底は、樽のような底材が使われているのが、起源のひとつ、バスケットが樽づくりに由来することを証明するものではないか。ちなみにこのバスケットの底はバーズアイメープルが用いられ、八代と師匠・リードの2人のサインが刻まれている。これは「6" Round Purse with Ivory Top Plate」というバスケットで、New England Nantucket Basket Association/日本ナンタケットバスケット協会認定インストラクターによって製作されたナンタケットバスケット。底材やハンドルにはメープル材が使われ、象牙の「トッププレート」には鯨の象嵌が施されている。¥638,000/グレイミスト ジャパン

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