◇セ・リーグ阪神1ー3巨人(2024年9月1日甲子園)結局、阪神は雨に負けた。霧雨から雨脚が強まった7回表、三塁手・佐藤輝明が右往左往した。先頭の三遊間寄り打球をグラブに...
先頭の三遊間寄り打球をグラブに当てながらはじいて安打。続く三塁前バントも前進が遅く、内野安打、一塁送球も乱れて無死一、三塁。門脇誠に前進守備の二塁左を抜かれる中前勝ち越し打を浴びた。さらに小林誠司の三塁前セーフティースクイズもチャージが遅く、決められた。間に合わない本塁にグラブトスして犠打野選となった。
バントは三塁側を狙われていた。無死一塁での送りバントも、一、三塁でのセーフティースクイズも一塁手がベースに付いている一塁側を狙うのが定石だ。ところが巨人は守備位置やチャージの鈍さ、処理の甘さを見越し、いずれも三塁側に転がしてきていた。前夜は値千金の起死回生3ラン、この夜は高価な拙守。佐藤輝で一つ勝てば一つ負ける。これでは割に合わない。 試合前練習中、一塁ベンチに座った監督・岡田彰布は空を眺めていた。すでに試合開催可否は主催球団でなく、連盟が判断する連盟管理節であり「オレらはどうすることもできん」。雨天中止もありうる予報で、5回降雨コールドもある。「オレはそれが嫌やねん」と漏らしていた。明治期、国内最強を誇った一高(今の東大)の名左腕、守山恒太郎の言葉に「ノー・コンディション」があった。二塁手だった君島一郎が著した『野球創世記』(ベースボール・マガジン社)によると<これはコンディションがこうだ、ああだというような自己弁護を許さぬ、つまり「言い訳無用」の意味ととる>。一高の高い精神性は日本野球の礎となった。
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