お立ち台は戦前戦中の甲子園球場にもあった。1940―41(昭和15―16)年、召集を受けた選手が試合後に立ち、戦地に赴く決意を語った。「わが大君に召されたる……いざ征(ゆ… - スポーツニッポン新聞社の公式サイト(www.sponichi.co.jp)。
お立ち台は戦前戦中の甲子園球場にもあった。1940―41(昭和15―16)年、召集を受けた選手が試合後に立ち、戦地に赴く決意を語った。「わが大君に召されたる……いざ征(ゆ)けつわもの日本男児」と『出征兵士を送る歌』が大鉄傘にこだました。いまの選手たちは幸せである。愛する野球のプロとして日々、白球を追っている。厳しい勝負の日常を味わえる。厳しいが、それが幸せなのだ。試合は小さな傷から徐々に傷口が広がり、取り返しのつかない致命傷を負った。小さな傷とは4回裏2死無走者、先発・及川雅貴が大城卓三に0ボール―2ストライクから与えた四球である。2死一塁から二塁打、四球で満塁。迎えた高卒2年目の浅野翔吾に左翼スタンドに運ばれた。最悪の満塁本塁打だった。0―2からボール球を狙って外れる。1―2から「決めよう」と力が入ってボール。平行カウントとなり「せっかく0―2だったのに」と気が焦って3―2となる。もう優位も何もない。やはり慎重のなかにも大胆さを欠いては傷になる。
巨人監督・阿部慎之助は今回の3連戦初戦で「相手も必死」と言った。戦時中42年に公募した「国民決意の標語」に「頑張れ! 敵も必死だ」があった。福島県の女性の応募らしい。「今日も決戦、明日も決戦」はセ3強の心境か。「さあ、二年目も勝ち抜くぞ」は連覇に挑む阪神の気概だ。
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