HEVのクロスオーバーとスポーツ、そして燃料電池車をも含むセダンと、単一モデルでなく「群」としてワイドに、かつ厚みをもって展開を続けるトヨタの新型『クラウン』。昨年末、第2弾モデルの『クラウンスポーツ』にPHEVが加わり、今回試乗が叶った。
まず試乗車の「スポーツRS」というPHEVモデルの外観について、既存のHEV「スポーツZ」との違いを述べておこう。ブラックのルーフにエモーショナルレッドIIIという鮮烈なツートンを訴求カラーとしている以外に、デザインや意匠の差異はない。塗装ではなく金型を細かく磨くことで、黒いプラスチック素材そのもので表現されたフロントアンダーグリルからスポイラー、サイドスカードにリアディフューザーの色艶は、PHEVにも健在だ。
HEVモデルの車両重量1810kgに対し、PHEVは2030kgと+120kg増。より容量の大きなリチウムイオンバッテリーを積んで、動力面で然るべきパフォーマンスと航続距離を確保するためだが、重量増に応じて制動キャパシティを増やすのは、単なるトッピングではなくクラウンスポーツとして王道を感じさせるチューニングといえる。 惜しむらくは、ドアノブの素材感がいかにもプラスチックで、毎日毎回触れる部分だけに、欧州Dセグ辺りの輸入車と比べて触感で見劣りすること。またレッド・ラスターの演出がリアシート側にはなく、シートベルトだけが同色レッドであること。もちろんフロントシート側の2座にプライオリティのある車ゆえ、この演出でいいと解釈もできるし、「デートカー」の復活を歓迎する一定の(年配)世代もいるだろう。とはいえスポーツでもクラウンだからこそ、天井側の抉られた頭上と広い足元スペースでもってリアシートも望外に広く快適だからこそ、「さすがクラウン」の域を求めてしまうのも、確かなのだ。「走りについては、“クラウンネス”という言い方を開発チームではしているのですが、静粛性や快適性をDNAとしてベースとして織り込みつつ、各モデルの個性に合わせたチューニングをしています。スポーツは俊敏性を重視していて、喩えですが快適性スペシャリストのセダンとは対極にありつつ、足まわりが固いばかりがスポーツではないことを、感じていただきたいですね」より身体を包み込むようなショルダー部のサポートを備えた、これまたPHEV専用装備のスポーツシートに
加速では、恐ろしくスムーズで豪快、かつ爽快な伸びを見せる。無論、トップエンドまで試すことはできなかったが、電気モーターならではのトルク・レスポンスの鋭さと、いつエンジンと動力が切り替わったか分からない繋ぎの滑らかさ、それらを支えるトルク密度の緻密さは、トルクをトルクでオーバーラップして足し算式に打ち消すような欧州車PHEVのパワー感と、明らかに異なる。だからリニアで無駄がない。もちろんE-FourによるAWDで、ドライブモードをスポーツにすればパワー感も駆動の力強さもさら増しとなる。それでもEVモードでの最大航続距離は、カタログ値ながら90km、WLTCモード燃費は20.3km/リットルと、21.
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