「本来『コンプレックス』という言葉は、『複雑』『複合的』な状態を指す言葉です。社会規範の圧力や人と比較してしまうのは避けづらいですが、そこで自尊心や自分の理想と社会が押し付けてくるものとの複雑な関係を単純化しないことが、大事なのではないでしょうか」
そう語るのは、スポーツとジェンダー・セクシュアリティ研究が専門の井谷聡子。性別違和をもって生きてきたことから「女性的とされる自分の体の特徴は好きになれない」と話しつつも、運動をしたり仕事をしたりして「充実した人生を歩ませてくれている体」への感謝は惜しまない。昔は嫌いだった自分の鍛えられた脚を、今では「頼もしいパートナー」と思えるのも、そのためだ。「日本では『劣等感』という意味で使われることが多いですが、本来『コンプレックス』という言葉は、『複雑』『複合的』な状態を指す言葉です。社会規範の圧力や人と比較してしまうのは避けづらいですが、そこで自尊心や自分の理想と社会が押し付けてくるものとの複雑な関係を単純化しないことが、大事なのではないでしょうか」
そんな井谷は、哲学者ジュディス・バトラーの思想や、ジェンダー学の専門家のジャック・ハルバースタム、恩師であるヘザー・サイクスなどの言葉と生き方から多くを学び、社会の不正義と闘った沢山の先人たちに生かされているという。 シスヘテロ中心主義の生きづらい世界で自分を愛するためには、「自分は他者の理想を生きる義務はないし、他者も私の理想を生きる義務はない、と自他の独立性を認めること」とアドバイスする井谷。「それから、自分が好きなことを思う存分、頻繁に行うことを自分に許可すること。そういうときの自分が一番輝いていますから」と続けた。
日本 最新ニュース, 日本 見出し
Similar News:他のニュース ソースから収集した、これに似たニュース記事を読むこともできます。
「上が決めたからやっとけ」というカルチャーではOKRは機能しない MBOからOKRへの変更時に炎上させないための注意点人気シリーズ『図解 人材マネジメント入門』や『図解 組織開発入門』の著者であり、企業の人材マネジメントを支援する株式会社壺中天の坪谷邦生氏が、MBO(目標管理)をテーマとした新刊の発行にあたり、各界のエキスパートと対談を行います。第2回の後編は、OKRを運用する際の勘どころや、MBOを採用している会社がOKRを導入する際の注意点などをアドバイスしました。
続きを読む »
一般的なMBOは、低い目標を掲げるほうが高く評価されやすい 目標管理で「負のインセンティブ」が働く理由人気シリーズ『図解 人材マネジメント入門』や『図解 組織開発入門』の著者であり、企業の人材マネジメントを支援する株式会社壺中天の坪谷邦生氏が、MBO(目標管理)をテーマとした新刊の発行にあたり、各界のエキスパートと対談を行います。第2回の前編は、国内有数のOKRの実践企業である株式会社メルカリ CHROの木下達夫氏に、一般的なMBOとOKRの違いや実際の運用方法についてお聞きしました。
続きを読む »
教養を「知っているだけの人」と「使いこなす人」決定的な差国際社会へ出ていくと「教養が大事」とよく言われる。教養がなければ、世界の人たちと世間話もできない。そんな話も耳にします。しかし、一言で「教養」と言っても、何を知り、何を語れるようになっていればいいのかイマイチよくわからない。今回は、そんな疑問を『ビジネスエリートの必須教養 「世界の民族」超入門』の著者であり、外交官としても活躍された山中俊之さんに話を聞いた。山中さんは世界96カ国に滞在した経験を持ち、さまざまな国や地域の人とも渡り合ってきた。そのなかには、自分の知識や教養が不十分で「ヒヤリ」とした経験もあると言う。そんな生々しい話も含めて、「日本人に求められる教養」について語ってもらった。
続きを読む »
目標達成度を給与に紐づけるのは誤り MBOを運用すればするほど“歪み”が生まれる根本要因人気シリーズ『図解 人材マネジメント入門』や『図解 組織開発入門』の著者であり、企業の人材マネジメントを支援する株式会社壺中天の坪谷邦生氏が、MBO(目標管理)をテーマとした新刊の発行にあたり、各界のエキスパートと対談を行います。第1回は、ドラッカー学会共同代表理事の佐藤等氏と共に、ドラッカーのマネジメント哲学をひもときながら、目標管理に関する誤解について話し合いました。後編では、本来のMBOの在り方と誤解を解く鍵について解説します。
続きを読む »
明確な目標を示さないまま、社員の“主体性任せ”に陥る組織 人事の専門家が説く、「目標管理」でつまずきやすいポイント人気シリーズ『図解 人材マネジメント入門』や『図解 組織開発入門』の著者であり、企業の人材マネジメントを支援する株式会社壺中天の坪谷邦生氏が、MBO(目標管理)をテーマとした新刊の発行にあたり、各界のエキスパートと対談を行います。第1回は、ドラッカー学会共同代表理事の佐藤等氏と共に、ドラッカーのマネジメント哲学をひもときながら、目標管理に関する誤解について話し合いました。
続きを読む »