「目標を低く設定しよう」という圧力があったり、後付けの目標設定シートが運用されるのは、目標管理を「評価のためのツール」として使っているから。 企業・組織の方向付けと「自己成長のためのツール」という、MBO本来の用途について、人事の専門家が解説しました。tsubo92
:それから、ドラッカーの『マネジメント』の中巻の34章に、人事の評価手法に絡めて、何によって方向づけを間違えるのかという事例がいくつか載っています。その中に、「報酬による方向づけの間違い」というものがあるんですよ。報酬は非常に強烈なメッセージなので、それによって働いている人が方向づけを間違っている可能性があると書いてあります。:はい、まさしくそこだと私も思います。今、多くの会社が目標管理を人事評価制度・賃金制度に組み入れて使う中で、目標の達成度によって評価が決まり、それによって給料が決まるという紐づけをしています。
それによって目標を低く設定しようという圧力がかかったり、後付けで書くためだけに目標設定シートが運用されてしまったり、という歪みが発生する。運用すればするほど、間違った方向づけがされるという悲しい状況になっているように見えます。 最近、新しい手法としてOKRが流行している背景には、もともとOKRを始めたインテル社のアンディ・グローブ元CEOが「報酬と結びつけるな」と言っていて、それが今の日本企業に響いていてるんじゃないか、と思っています。 しかし多くの日本企業の人事の方は、MBOを「目標管理」と翻訳して、人事制度に組み入れてきました。ですので、結びつけるなと言われても「じゃあ、どうやって給料を決めるんだ?」と感じてもいます。その前提で長い間、制度を走らせてしまっているので、表面だけ理解してOKRを導入した企業はかなり苦労すると思います。:でも、実はまったく違うツールなんですよね。だから、企業・組織として方向づけと、自己成長のためのツールという部分を取り戻さない限りは機能しないですよね。まさにOKRというか、KPIの話にも非常に通じてるんじゃないかなと思います。何を測るかという問題なので、ここがMBOの肝だと思うんですね。
だから、ツールとしてのMBOの問題は、「何に意識を向けるか」ということだけで、もう半分ぐらいは解決してるはずなんですね。ドラッカーは「測るだけ」でそこに意識がいき、意識が変わるといいました。本当にすごいことで、発明だなと思ってるくらいです。
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