政治団体「つばさの党」代表らが公職選挙法違反(選挙の自由妨害)容疑で逮捕された。法改正の議論も進んでいるが、こうした妨害が繰り返されることはないのか。選挙活…
政治団体「つばさの党」代表らが公職選挙法違反(選挙の自由妨害)容疑で逮捕された。法改正の議論も進んでいるが、こうした妨害が繰り返されることはないのか。選挙活動の自由を守り、妨害行為を防ぐには何が必要なのか。公選法225条には、選挙の自由妨害罪として、「交通もしくは集会の便を妨げ、演説を妨害し、又は文書図画を毀棄し、その他偽計詐術等不正の方法をもって選挙の自由を妨害したとき」は、4年以下の懲役もしくは禁錮又は100万円以下の罰金に処するという条項がある。
筆者は、家宅捜索の後に逮捕されるかどうかがポイントだと思っていた。容疑者らは家宅捜索後も反省の色なく、根本容疑者は13日にX(旧ツイッター)に「候補者以外の安倍(晋三元首相)へのヤジが合法な時点で、候補者である俺らが違法なわけがない」と書き込み、自身の行為を正当化していた。警察は慎重に捜査を進め、逮捕、起訴まで終えた。彼らの行為の根拠には、明らかに2019年の参院選で安倍首相(当時)の街頭演説中にヤジを飛ばした事件に対する札幌高裁の例がある。ヤジを飛ばした男女を北海道警が排除し、2人が北海道に損害賠償を求めた訴訟で、札幌地裁が排除の違法性を認めた。札幌高裁では男性への賠償命令を取り消したが、女性については地裁判決を容認した。
北海道の件では、多くのマスコミは「表現の自由」に言及し、北海道警を非難した。マスコミの非難と札幌高裁の判断が、その後の選挙妨害行為を助長してきたのではないか。一方、警察には思いのほか制約を課す結果になってしまっただろう。実際、根本容疑者の書き込みはそれを裏付けている。 さらに、今回の事件では、根本容疑者らは自分たちの妨害行為の様子をインターネット上でライブ配信し、それなりの収益を上げている点も看過できない。物見遊山で一定の視聴者があり、広告収入もあるだろうし、嘆かわしいことだが寄付もあったようだ。 今回の事件では、今後地検が起訴して裁判が行われ、有罪になれば、一定の抑止効果があるだろう。安倍氏へのヤジの件では、マスコミは「表現の自由」を言い過ぎた。それが今回の事件を引き起こす遠因になったともいえる。今や、マスコミを経由しないでも、ネットでそうした事実が誰の目にもすぐ分かる時代になっているのはいいことだ。 (元内閣参事官・嘉悦大教授 高橋洋一)
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