【インタビュー】『Wo Long(ウォーロン)』“発売1か月後”開発者インタビュー。発売後のあの調整や、例のボスたちについて掘り下げて訊いた
アップデートに関しては、現状の環境を見たり、ユーザーの皆さんの声を聞いて、リアルタイムに何を優先してやるのかを判断しながら対応している状況です。発売後の1か月でやった対応に関しても、リアルタイムで情報を追いつつ、「このユーザーの声に対応したい」と判断したものをピックアップしながら、1個ずつ着実に調整しています。──今回のインタビューでは「化勁」システムに特にフォーカスしてお話を伺いたいと思います。化勁というシステムは非常に面白いと思います。一方で、製品版ではほとんどリスクのない、すごく便利なツールになっていると思います。体験版からの入力判定緩和調整も含めて、このあたりのデザインの意図を改めて教えていただけますでしょうか?前提として、『Wo Long』の中華アクションは攻防が流麗に入れ替わる体験をしていただきたいと考えており、アクションのコンセプトの軸として、よくインタビューでお話させていただいています。ですので、あまりにも化勁の発動リスクが高すぎると、攻防の入れ替わりに果敢にチャレンジできなくなると考えました。調整のきっかけとなったという意味では体験版のフィードバックが大きかったです。 「攻撃する」「化勁で取る」「また攻撃する」のようなイメージのアクション展開が、体験版では(入力判定が厳しく)なかなか挑戦できなかったんじゃないかなと感じていたところがありました。なので、化勁の取りやすさとか、チャレンジしやすさといったところに関しては製品版に向けて緩和しました。その分、化勁が成功したときの気勢の収支を調整し、化勁と武技であったり、化勁と気勢攻撃であったり、技を織り交ぜるところで攻略していくようなイメージで調整しています。体験版がイメージした化勁像というわけではないです。我々も体験版までの2年近く開発していく中で化勁を取ることにも慣れてしまっていた部分があり、少しシビアにし過ぎてしまったんです。イメージとしては、皆さんが今体験していただいているように、攻撃したり、化勁取ったりといった攻防にいろいろ使っていただくという方がイメージとして近いです。平山氏: いろいろな試行錯誤を経て現状の性能になっています。たとえば、気勢ゲージへのリスクであったりとか、気勢ゲージが空になったときには使えなくするとか。ただ、重めのリスクを付けて自分でイメージした動きができなくなる調整だと、面白くならなかったんです。ゲームスピードも速いゲームですし、アクション性も高いゲームではあることも踏まえて、そういった試行錯誤を経て今の形になりました。 ──ありがとうございます。本作は化勁を使って戦闘を解決していく「化勁ゲー」であると認識が広まっていると思います。一方でゲーム内のチュートリアルでは化勁はそんなに重要視されていないように感じました。やっていれば気づくだろうということで、意図的に強調していないのでしょうか。化勁はボタンを専用に割り当てていますし、戦闘に使うアクションの軸として考えています。ただ、すべての敵の攻撃を化勁しないといけないとは考えていません。化勁以外でも、戦略面、戦術面で突き詰めていけばいろいろな戦い方があるので、いろんなパターンで遊んでほしいです。 ──なるほど、ありがとうございます。化勁だけが選択肢ではないというところは伝わってきました。ただ、ボス戦だと相手の攻撃を待ちつつ、化勁して絶脈を狙う、いわゆる待ちの戦法が基本になってしまうのではと思います。それによって武器で攻撃するシチュエーションが生まれにくい部分もあるんじゃないか、武器差が出にくいんじゃないじゃないか、とも思うのですがいかがでしょうか。待ちの戦法に関して言うと、少しシステム的な話になるのですが、気勢ゲージは一定時間経つと原点に戻っていく仕様があります。そういった部分でリスクを負って今攻めるのか、それとも気勢ゲージは戻ってしまうけれど、危険を避けるために待つのかというアクションのジレンマを感じてもらいたいというのが、気勢ゲージを実装した原点としてあります。 そういった意味では、各武器種に関しては発生とかダメージの基礎的な性能差の部分がありますがそれだけでなく、攻撃した後にどのくらいゲージの減少を止められるなどといった部分の差も実はありまして。そういった面での武器の差も、アクション性能とは別に感じていただければなと思っています。 大体イメージ的には、遅い武器はガードしたときに気勢ゲージが削られにくかったり、軽い武器に関してはガードだと削られやすいがその分化勁しやすかったりといった感じです。要は軽い武器の方が隙は少ないので化勁しやすかったりするのですが、そういった武器よりは重い重厚な武器の方がガードを固くしてあります。ただ皆さんからいろんな意見もいただいておりますので、武器種や武技などの調整は今後のアップデートも含めて検討していきたいと思っています。 ──武器は気勢の挙動を含めて、個性をつけているんですね。本作は武器の種類も豊富ですが、そういった部分の差に気付いていないプレイヤーも多いんじゃないかと思います。このあたりのフォローと言いますか、チュートリアル的なものは今後調整されるのでしょうか。──その点で言うと武器の五行補正も、重い武器は土行、軽い武器は水行という風に、戦略に合わせたものが割り振られているように思うのですが、ここを変えて水行補正の高い大槌で化勁を主体に戦うみたいな、そういったチューニングとかを考えていらっしゃるのでしょうか。おっしゃる通り、五行傾向に関しては、ジョブといいますか、その行の遊び方がより活性化するイメージで調整しています。水行は化勁に関するパラメータが成長しやすいわけですが、軽い武器である双剣とかはガードより化勁の方が主体なプレイスタイルになるので、そういったパラメータとの相性を良くしたりという形にしてます。現状では武器を追加するだとか、調整するだとかは明言できないですけども、どの五行の補正がかかるのかという点はバリエーションを出せる場所かなと思うので、今後のアップデートも含めて検討はしていこうと思います。 ──ありがとうございます。化勁の話に戻ります。本作には「化勁崩し」といいますか、化勁できない攻撃がないですが、これは結構面白い点だなと思っています。「化勁崩し」を実装しなかった理由であったり、実装を検討されたことはあったのかというのを教えていただけますでしょうか?化勁をできなくするのではなくて、化勁をやるタイミングにゲーム性をもたせる方が、より深く遊んでもらえるのではないかと考えました。たとえば、遠距離の攻撃に対して化勁を決めたりとか、連続の化勁があったりとか、そういうところで幅を持たせていくことによって、化勁が楽しくなるのを目指しています。 方向性としては、化勁を決めていくことで、どんどんプレイに酔っていくというか、自分のテンションが上がっていくなかで強敵とのギリギリの死闘を楽しむイメージです。あとは化勁ができるできないが分かりづらいといった理不尽に感じるようなことを減らしたいという考えもあります。そういう意味でも本作では全部化勁できた方がいいという考えです。あとはアクションとしての納得感という部分も考えてはいます。本作でもガードに対してのガード不能技みたいなのがあります。あれらの技はガードしてるけど、ものすごい勢いで攻撃してくるからガードを打ち破ってダメージを食らってしまうみたいな、いわゆるアクションとしての納得感があるんです。一方で化勁は、あくまでも敵の攻撃を受け流すアクションであるので、「受け流されない攻撃ってはたしてなんだろう」というところが、アクションゲームとして直感的ではないなと思ったんです。 パンチ攻撃に対して、いくら強そうなオーラをまとった示唆があったとしても、ほかのパンチ攻撃が化勁できるなら、なんでこのパンチだけ化勁できないんだと思いますよね。アクションゲームの体験として、あんまり3Dの納得感がでないというのも、一つの理由としてあるかもしれないです。 ──なるほど。今のお話を聞いていて思ったのですが、『Wo Long』はある程度意地悪だけど、意地悪しすぎないというような難易度ポリシーを感じる部分があります。“難しいと理不尽じゃない”を判断するラインはあったりするのでしょうか。本作に限らず、Team NINJAで大切にしているポリシーみたいなものはあります。どんなに難所であってもユーザーの納得できるものにする。失敗をプレイヤーの責任として感じられるようにする。そうじゃないとクリアしたときの達成感を感じられないですよね。あくまでも理不尽ではない納得できる難易度で難所にするというのは、意識して作ったところではあります。 その上でボス配置のペーシングも意識しています。重い大型のボス戦があった後は、ちょっとテクニカルな敵がいて、というようなテンポ感も考慮しています。その上で基本的な考え方として、理不尽じゃなくユーザーが納得できる難所、というところは変わりません。──なるほど。一方で私個人的には、山際さんが担当された過去作(『Bloodborne』)は、もうちょっと意地悪だった印象です(笑)そこは開発元の塩梅もあったと思うんですが、山際さんから見て『Wo Long』は「ちょっと意地悪が足りないんじゃないの」とは思わなかったでしょうか?『Bloodborne』そんなに意地悪でした?(笑)レベルデザインを考える際に、ずっと同じ展開だとやはり飽きてしまうので、ステージを進むうえでの刺激としてもメリハリは意識しています。ただ、本作には落下死がないので少し楽に感じる部分はあるかもしれません。 ──なるほど。ちょっとこの流れで聞きたいんですが、『Wo Long』については『Bloodborne』のプロデューサーを務めた経験のある山際さんが関わったことも話題になりましたよね。平山さんにとって印象的だった山際さんの助言というか、Team NINJAに今までなかったアイデアとか、何か印象深いものありますか。.
アップデートに関しては、現状の環境を見たり、ユーザーの皆さんの声を聞いて、リアルタイムに何を優先してやるのかを判断しながら対応している状況です。発売後の1か月でやった対応に関しても、リアルタイムで情報を追いつつ、「このユーザーの声に対応したい」と判断したものをピックアップしながら、1個ずつ着実に調整しています。──今回のインタビューでは「化勁」システムに特にフォーカスしてお話を伺いたいと思います。化勁というシステムは非常に面白いと思います。一方で、製品版ではほとんどリスクのない、すごく便利なツールになっていると思います。体験版からの入力判定緩和調整も含めて、このあたりのデザインの意図を改めて教えていただけますでしょうか?前提として、『Wo Long』の中華アクションは攻防が流麗に入れ替わる体験をしていただきたいと考えており、アクションのコンセプトの軸として、よくインタビューでお話させていただいています。ですので、あまりにも化勁の発動リスクが高すぎると、攻防の入れ替わりに果敢にチャレンジできなくなると考えました。調整のきっかけとなったという意味では体験版のフィードバックが大きかったです。 「攻撃する」「化勁で取る」「また攻撃する」のようなイメージのアクション展開が、体験版では(入力判定が厳しく)なかなか挑戦できなかったんじゃないかなと感じていたところがありました。なので、化勁の取りやすさとか、チャレンジしやすさといったところに関しては製品版に向けて緩和しました。その分、化勁が成功したときの気勢の収支を調整し、化勁と武技であったり、化勁と気勢攻撃であったり、技を織り交ぜるところで攻略していくようなイメージで調整しています。体験版がイメージした化勁像というわけではないです。我々も体験版までの2年近く開発していく中で化勁を取ることにも慣れてしまっていた部分があり、少しシビアにし過ぎてしまったんです。イメージとしては、皆さんが今体験していただいているように、攻撃したり、化勁取ったりといった攻防にいろいろ使っていただくという方がイメージとして近いです。平山氏: いろいろな試行錯誤を経て現状の性能になっています。たとえば、気勢ゲージへのリスクであったりとか、気勢ゲージが空になったときには使えなくするとか。ただ、重めのリスクを付けて自分でイメージした動きができなくなる調整だと、面白くならなかったんです。ゲームスピードも速いゲームですし、アクション性も高いゲームではあることも踏まえて、そういった試行錯誤を経て今の形になりました。 ──ありがとうございます。本作は化勁を使って戦闘を解決していく「化勁ゲー」であると認識が広まっていると思います。一方でゲーム内のチュートリアルでは化勁はそんなに重要視されていないように感じました。やっていれば気づくだろうということで、意図的に強調していないのでしょうか。化勁はボタンを専用に割り当てていますし、戦闘に使うアクションの軸として考えています。ただ、すべての敵の攻撃を化勁しないといけないとは考えていません。化勁以外でも、戦略面、戦術面で突き詰めていけばいろいろな戦い方があるので、いろんなパターンで遊んでほしいです。 ──なるほど、ありがとうございます。化勁だけが選択肢ではないというところは伝わってきました。ただ、ボス戦だと相手の攻撃を待ちつつ、化勁して絶脈を狙う、いわゆる待ちの戦法が基本になってしまうのではと思います。それによって武器で攻撃するシチュエーションが生まれにくい部分もあるんじゃないか、武器差が出にくいんじゃないじゃないか、とも思うのですがいかがでしょうか。待ちの戦法に関して言うと、少しシステム的な話になるのですが、気勢ゲージは一定時間経つと原点に戻っていく仕様があります。そういった部分でリスクを負って今攻めるのか、それとも気勢ゲージは戻ってしまうけれど、危険を避けるために待つのかというアクションのジレンマを感じてもらいたいというのが、気勢ゲージを実装した原点としてあります。 そういった意味では、各武器種に関しては発生とかダメージの基礎的な性能差の部分がありますがそれだけでなく、攻撃した後にどのくらいゲージの減少を止められるなどといった部分の差も実はありまして。そういった面での武器の差も、アクション性能とは別に感じていただければなと思っています。 大体イメージ的には、遅い武器はガードしたときに気勢ゲージが削られにくかったり、軽い武器に関してはガードだと削られやすいがその分化勁しやすかったりといった感じです。要は軽い武器の方が隙は少ないので化勁しやすかったりするのですが、そういった武器よりは重い重厚な武器の方がガードを固くしてあります。ただ皆さんからいろんな意見もいただいておりますので、武器種や武技などの調整は今後のアップデートも含めて検討していきたいと思っています。 ──武器は気勢の挙動を含めて、個性をつけているんですね。本作は武器の種類も豊富ですが、そういった部分の差に気付いていないプレイヤーも多いんじゃないかと思います。このあたりのフォローと言いますか、チュートリアル的なものは今後調整されるのでしょうか。──その点で言うと武器の五行補正も、重い武器は土行、軽い武器は水行という風に、戦略に合わせたものが割り振られているように思うのですが、ここを変えて水行補正の高い大槌で化勁を主体に戦うみたいな、そういったチューニングとかを考えていらっしゃるのでしょうか。おっしゃる通り、五行傾向に関しては、ジョブといいますか、その行の遊び方がより活性化するイメージで調整しています。水行は化勁に関するパラメータが成長しやすいわけですが、軽い武器である双剣とかはガードより化勁の方が主体なプレイスタイルになるので、そういったパラメータとの相性を良くしたりという形にしてます。現状では武器を追加するだとか、調整するだとかは明言できないですけども、どの五行の補正がかかるのかという点はバリエーションを出せる場所かなと思うので、今後のアップデートも含めて検討はしていこうと思います。 ──ありがとうございます。化勁の話に戻ります。本作には「化勁崩し」といいますか、化勁できない攻撃がないですが、これは結構面白い点だなと思っています。「化勁崩し」を実装しなかった理由であったり、実装を検討されたことはあったのかというのを教えていただけますでしょうか?化勁をできなくするのではなくて、化勁をやるタイミングにゲーム性をもたせる方が、より深く遊んでもらえるのではないかと考えました。たとえば、遠距離の攻撃に対して化勁を決めたりとか、連続の化勁があったりとか、そういうところで幅を持たせていくことによって、化勁が楽しくなるのを目指しています。 方向性としては、化勁を決めていくことで、どんどんプレイに酔っていくというか、自分のテンションが上がっていくなかで強敵とのギリギリの死闘を楽しむイメージです。あとは化勁ができるできないが分かりづらいといった理不尽に感じるようなことを減らしたいという考えもあります。そういう意味でも本作では全部化勁できた方がいいという考えです。あとはアクションとしての納得感という部分も考えてはいます。本作でもガードに対してのガード不能技みたいなのがあります。あれらの技はガードしてるけど、ものすごい勢いで攻撃してくるからガードを打ち破ってダメージを食らってしまうみたいな、いわゆるアクションとしての納得感があるんです。一方で化勁は、あくまでも敵の攻撃を受け流すアクションであるので、「受け流されない攻撃ってはたしてなんだろう」というところが、アクションゲームとして直感的ではないなと思ったんです。 パンチ攻撃に対して、いくら強そうなオーラをまとった示唆があったとしても、ほかのパンチ攻撃が化勁できるなら、なんでこのパンチだけ化勁できないんだと思いますよね。アクションゲームの体験として、あんまり3Dの納得感がでないというのも、一つの理由としてあるかもしれないです。 ──なるほど。今のお話を聞いていて思ったのですが、『Wo Long』はある程度意地悪だけど、意地悪しすぎないというような難易度ポリシーを感じる部分があります。“難しいと理不尽じゃない”を判断するラインはあったりするのでしょうか。本作に限らず、Team NINJAで大切にしているポリシーみたいなものはあります。どんなに難所であってもユーザーの納得できるものにする。失敗をプレイヤーの責任として感じられるようにする。そうじゃないとクリアしたときの達成感を感じられないですよね。あくまでも理不尽ではない納得できる難易度で難所にするというのは、意識して作ったところではあります。 その上でボス配置のペーシングも意識しています。重い大型のボス戦があった後は、ちょっとテクニカルな敵がいて、というようなテンポ感も考慮しています。その上で基本的な考え方として、理不尽じゃなくユーザーが納得できる難所、というところは変わりません。──なるほど。一方で私個人的には、山際さんが担当された過去作(『Bloodborne』)は、もうちょっと意地悪だった印象です(笑)そこは開発元の塩梅もあったと思うんですが、山際さんから見て『Wo Long』は「ちょっと意地悪が足りないんじゃないの」とは思わなかったでしょうか?『Bloodborne』そんなに意地悪でした?(笑)レベルデザインを考える際に、ずっと同じ展開だとやはり飽きてしまうので、ステージを進むうえでの刺激としてもメリハリは意識しています。ただ、本作には落下死がないので少し楽に感じる部分はあるかもしれません。 ──なるほど。ちょっとこの流れで聞きたいんですが、『Wo Long』については『Bloodborne』のプロデューサーを務めた経験のある山際さんが関わったことも話題になりましたよね。平山さんにとって印象的だった山際さんの助言というか、Team NINJAに今までなかったアイデアとか、何か印象深いものありますか。
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