【NQNニューヨーク=戸部実華】12日のニューヨーク外国為替市場で円相場は反落し、前週末比60銭円安・ドル高の1ドル=147円20〜30銭で取引を終えた。一時は148円23銭と約1週間ぶりの円安・ドル高水準を付けた。週内に物価指標など注目度の高い米経済指標の発表が相次ぐ前に持ち高調整の円売り・ドル買いが優勢だった。もっとも、米消費者の予想インフレ率の落ち着きを示す指標などは円相場を下支えした。
13日に7月の米卸売物価指数（PPI）、14日に7月の米消費者物価指数（CPI）が発表される。15日には7月の米小売売上高も発表を控える。景気懸念が強まった後で、米連邦準備理事会（FRB）による利下げペースを探りたい雰囲気が強い。インフレが鈍化する流れや消費の底堅さを見極めたい投資家が多かった。
市場では「相場の変動率が高まっている局面では、経済指標の上振れと下振れの双方のサプライズに対して相場の反応が通常時以上に大きくなりやすい」（スコシア・キャピタルのショーン・オズボーン氏）との声が聞かれた。前週初めにかけて急ピッチで円高・ドル安が進んだ後で、持ち高調整を目的とした円売り・ドル買いが出やすかった。 円は売り一巡後は下げ渋った。ニューヨーク連銀が12日発表した7月の消費者調査で1年後の予想インフレ率は3.0%と6月と変わらなかった一方、3年後は2.3%と2013年6月の調査開始後で最も低い水準となった。イランが近くイスラエルを攻撃するとの観測が広がっていることも、相対的にみて安全資産とされる米国債の買いにつながった。米長期金利が低下し、日米金利差が縮小するとみた円買い・ドル売りを誘った。ユーロは対ドルで反発し、前週末比0.0015ドルのユーロ高・ドル安の1ユーロ=1.0925〜35ドルで取引を終えた。週内に相次ぐ米国の重要指標の発表を前に、持ち高調整を目的としたユーロ買い・ドル売りがやや優勢だった。
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