2時間前から長い行列ができた会場は超満員。時の人が壇上に姿を見せた瞬間、一斉にフラッシュがたかれシャッター音が鳴り響いた。なじみの黒い革ジャンに身を包んだジェンスン・ファン最高経営責任者(CEO)が2024年11月、6年ぶりに日本のイベントに登壇した。「今、私たちはAI(人工知能)革命の始まりにいる」。決まり文句で口火を切ったファン氏は、AI向け半導体で市場を席巻するGPU(画像処理半導体)の
マネジメント論の定石では、企業の最高幹部は最大でも10人までとされる。「60人は聞いたこともない数字。エヌビディアの組織で最もユニークな部分だろう」。企業の人事制度に詳しい京都大学経営管理大学院特命教授の鵜沢慎一郎氏はこう指摘する。従来のピラミッド型の組織構造では、最高幹部の下に5〜10人の本部長クラス、その下にそれぞれ部長クラスなどと続き、数万人の企業だと10〜11層の階層構造を持つことも珍しくない。だが、上層に位置する幹部の数を多くすればするほど、そのピラミッドは低くなる。エヌビディアは同規模の企業と比較して「階層を3〜4層削減している」(ファン氏)
情報の流通性を高めるもう一つのルールが、幹部と1対1の会議をしないことだ。ファン氏は、1人の幹部だけが知っておくべき情報などないし、CEOからのフィードバックは他の幹部も同様に聞くべきだ、と考える。「私がほとんどの時間を費やしているのは、考えることと考えを口に出して表現すること。そしてそれをみんなに聞いてもらうことだ」(ファン氏)米国でマーケティングを担当する社員は、ある日突然、ファン氏から直接メールの返信が届いて驚いた。進めていた大型イベントに関するキャンペーン施策について、「もっと具体的に教えてほしい」と書かれた1行の短いメールだった。常に現場を見ることがファン氏の流儀の一つだ。ファン氏は創業から30年以上たった今も、現場に直接指示を下すプレーヤーなのだ。ただ、数年前に同社を退職したエンジニアは「悪く言えば、現場の箸の上げ下げまで口を挟むマイクロマネジメント」と苦言を呈する。確かに大企業のマネジメント論では異端だ。の共同創業者兼CEO、ブライアン・チェスキー氏が投資家向けイベントで「従来の常識は間違っている」と発言したのがきっかけだ。
創業者モードとは、まだ社員も少ない段階で、経営者自らがプレーヤーとして何でもこなす様を指す。ある程度の成長が視野に入ったら創業者は権限を幹部に委譲し、経営に特化するマネジャーモードに移行すべきだという考え方が根強く、チェスキー氏はこれを「従来の常識」と呼んだ。起業家に対して「いつまで創業者モードでいるのか」と質問することは、その起業家をやゆするものなわけだ。 チェスキー氏も、エアビーアンドビーが成長するにつれてマネジャーモードに移行すべきだとの助言にいったんは従ったが「結果は惨憺(さんたん)たるものだった」とし、創業者モードに戻ったという。自ら現場を指示する方法は「うまくいっている」と説明した。
日本 最新ニュース, 日本 見出し
Similar News:他のニュース ソースから収集した、これに似たニュース記事を読むこともできます。
小池百合子知事「トランプ2.0」に言及 来年展望は「世界が変動する中、日本の役割は大きい」東京都の小池百合子知事は27日、都庁で、年内最後となる定例会見を開き、1年を総括するとともに、来年の展望も語った。小池知事は、能登半島地震、人工知能(AI)の… - 日刊スポーツ新聞社のニュースサイト、ニッカンスポーツ・コム(nikkansports.com)。
続きを読む »
ヒューマノイドによるアート作品、2億円で落札 ロンドン【ロンドンAFP=時事】人工知能(AI)を用いたヒューマノイド(人間型ロボット)が描いた絵画が7日、世界で初めて競売に出品され、予想の18万ドル(約2700万円)を大きく上回る132万ドル(約2億円)で落札された。(写真は制作した作品とヒューマノイド〈人間型ロボット〉の「アイダ」。ロンドン・デザイン・ビエンナーレで)
続きを読む »
エヌビディアのフアン氏、アジア一の富豪と提携-インドをAIハブに米エヌビディアのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)は、アジア一の富豪ムケシュ・アンバニ氏と手を結んだ。人工知能(AI)向け半導体で世界をリードする同社は、世界最大の人口を抱えるインドでAIインフラを構築し、普及のスピードアップを図る。
続きを読む »
ヒューマノイドによるアート、初めて競売に 「AIの父」肖像画【ロンドンAFP=時事】人工知能(AI)を用いたヒューマノイド(人間型ロボット)が描いた絵画が来月、ロンドンで初めて競売に出品される。競売大手サザビーズが16日発表した。(写真は自らが描いた作品の前に立つヒューマノイド〈人間型ロボットロボット〉の「Ai-Da」。ロンドン・デザイン・ビエンナーレで)
続きを読む »
たんぱく質設計、予測の米英3氏 グーグルAI技術者ら―ノーベル化学賞スウェーデン王立科学アカデミーは9日、2024年のノーベル化学賞を、新しいたんぱく質を設計する技術を開発した米ワシントン大のデービッド・ベーカー教授(62)、人工知能(AI)でたんぱく質の立体構造を予測する技術を開発した米アルファベット傘下のグーグル・ディープマインド社のデミス・ハサビス最高経営責任者(CEO)(48)、同社のジョン・ジャンパー上級研究員の米英3氏に授与すると発表した。
続きを読む »
オープンAIとエヌビディア、AIインフラ巡り米政権高官らと協議米オープンAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)と米エヌビディアのジェンスン・フアンCEOは12日、ホワイトハウスでバイデン政権高官や他の業界リーダーと会合を開き、人工知能(AI)プロジェクトに必要な大規模インフラへの対応策について協議した。
続きを読む »