ICC、ロシアの制裁と存続の危機

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ICC、ロシアの制裁と存続の危機
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国際刑事裁判所(ICC)は、ロシアによるウクライナ侵攻をめぐる戦争犯罪容疑でプーチン大統領らに逮捕状を出した結果、ロシアの逆指名手配を受け、存続が危ぶまれています。アメリカによるICCへの制裁も懸念されています。

広大な国土での移動手段として欠かせない航空業界は深刻な事態に陥っている。 ロシア では主にエアバス、ボーイングといった欧米の旅客機が使われているが、経済制裁によって部品調達が困難になっている。 ロシア の航空産業に詳しい渡邊光太郎氏は言う。こうした事情で、例えばエアバスなら全66機中34機が運航停止中だ。さらに欧米の機体はリース契約で本来返却しなければならない。これに対し ロシア は返却の禁止を法制化した。そして、 ロシア の旅客機は国際的な耐空証明が取り消されたので国外には運航できない。これに対しては ロシア 独自の耐空証明を勝手に発行し、国内と ロシア の勢力圏だけで運航している。もとより ロシア プーチン 氏には国際ルールなど通用しない…。 ICC は去年3月“ ウクライナ の子どもたちを強制的に ロシア に移送した戦争犯罪”容疑で プーチン 大統領らに逮捕状を出した。これに対し ロシア は反発。 ICC 上層部に対して逆に逮捕状を出し指名手配した。 ロシア からは“逆指名手配”、加盟国が ロシア を歓迎…。今 ICC は危機に直面している。番組ではキャスター自ら ICC 所長にインタビューした。日本人として初めて ICC のトップに就任した赤根智子所長だ。「( ロシア の指名手配、怖さはなかった?)そういう感情より“やっぱり来たか”という感じでした…。去年の9月に大々的なサイバー攻撃があって一時 ICC のITシステムがダウンした。もう少し前には、 ロシア のスパイと思われる人が ICC に入り込もうとしてオランダの警察に捕まったという事件もあった…。色んな脅威があるということは承知してます」これに対しアメリカ・バイデン大統領は「ハマスとイスラエルを同列に扱うのは言語道断」と発言。下院議会は ICC の職員や関係団体への制裁案を可決した。この流れは法案の内容にかかわらず、様々な企業と ICC との取引に影響することを赤根所長は懸念する。「アメリカが ICC への制裁に踏み切れば、ヨーロッパにある企業あるいは銀行、日本にある銀行そういうものが“ ICC とは取引しません”というような…法律そのものより“波及効果”ですね…。 ICC の口座が凍結される…、あるいは裁判官の個人口座が凍結される…。 そうすると給料を払えない、住宅ローンが払えないというような…さらに ICC の裁判所内のIT関係がマイクロソフトなんです。これアメリカの会社なんで、即取引が停止してサービスが受けられなくなる。そうすると裁判自体できなくなる、 ICC 全体の業務が停止するということになります。ほぼ潰れたと同じ状態…」世界の秩序を守るために公正で国際的な司法組織が必要だとして生まれたのが ICC だ。誕生までには長い時間が費やされ、2002年にようやく始動した。だが国連の常任理事国のうちアメリカ、 ロシア 、中国が加盟せず、イスラエルも入っていない。現在124の国と地域が加盟するが、その実行力は理想とはかけ離れている。「私はどこに行っても『 ICC がなくなったらどういう世界になるか想像してください』って言うわけです。戦後世界の英知を集めてようやくできた ICC が、少しずつでも 法の支配 というもとに裁かれるべき人は裁かれるという世界になっていくことを目指して…」「“法”っていうのは人間生活の中で最後のセーフティーネットみたいなもの。法律家が陥りやすい間違いっていうのは法律家が何でも仕切っていると思い込むことです。そうではなくて一番底辺の、一番弱い人たちを最後に救うものが“法”であるべき出し、そうなっているべき…。 ICC はそのためにあるんだ、と…」 ICC の存続のカギを握るのは“ならず者国家”でも“テロ国家”でもない民主主義を標榜している超大国アメリカなのである。そして、日本は ICC 最大の拠出国であり 法の支配 を尊重する国。赤羽所長が日本に求めることとしてはただ一つ、同盟国としてアメリカが制裁するようなことはしないよう働きかけてほしいということだという。.

広大な国土での移動手段として欠かせない航空業界は深刻な事態に陥っている。ロシアでは主にエアバス、ボーイングといった欧米の旅客機が使われているが、経済制裁によって部品調達が困難になっている。ロシアの航空産業に詳しい渡邊光太郎氏は言う。こうした事情で、例えばエアバスなら全66機中34機が運航停止中だ。さらに欧米の機体はリース契約で本来返却しなければならない。これに対しロシアは返却の禁止を法制化した。そして、ロシアの旅客機は国際的な耐空証明が取り消されたので国外には運航できない。これに対してはロシア独自の耐空証明を勝手に発行し、国内とロシアの勢力圏だけで運航している。もとよりロシアやプーチン氏には国際ルールなど通用しない…。ICCは去年3月“ウクライナの子どもたちを強制的にロシアに移送した戦争犯罪”容疑でプーチン大統領らに逮捕状を出した。これに対しロシアは反発。ICC上層部に対して逆に逮捕状を出し指名手配した。ロシアからは“逆指名手配”、加盟国がロシアを歓迎…。今ICCは危機に直面している。番組ではキャスター自らICC所長にインタビューした。日本人として初めてICCのトップに就任した赤根智子所長だ。「(ロシアの指名手配、怖さはなかった?)そういう感情より“やっぱり来たか”という感じでした…。去年の9月に大々的なサイバー攻撃があって一時ICCのITシステムがダウンした。もう少し前には、ロシアのスパイと思われる人がICCに入り込もうとしてオランダの警察に捕まったという事件もあった…。色んな脅威があるということは承知してます」これに対しアメリカ・バイデン大統領は「ハマスとイスラエルを同列に扱うのは言語道断」と発言。下院議会はICCの職員や関係団体への制裁案を可決した。この流れは法案の内容にかかわらず、様々な企業とICCとの取引に影響することを赤根所長は懸念する。「アメリカがICCへの制裁に踏み切れば、ヨーロッパにある企業あるいは銀行、日本にある銀行そういうものが“ICCとは取引しません”というような…法律そのものより“波及効果”ですね…。ICCの口座が凍結される…、あるいは裁判官の個人口座が凍結される…。 そうすると給料を払えない、住宅ローンが払えないというような…さらにICCの裁判所内のIT関係がマイクロソフトなんです。これアメリカの会社なんで、即取引が停止してサービスが受けられなくなる。そうすると裁判自体できなくなる、ICC全体の業務が停止するということになります。ほぼ潰れたと同じ状態…」世界の秩序を守るために公正で国際的な司法組織が必要だとして生まれたのがICCだ。誕生までには長い時間が費やされ、2002年にようやく始動した。だが国連の常任理事国のうちアメリカ、ロシア、中国が加盟せず、イスラエルも入っていない。現在124の国と地域が加盟するが、その実行力は理想とはかけ離れている。「私はどこに行っても『ICCがなくなったらどういう世界になるか想像してください』って言うわけです。戦後世界の英知を集めてようやくできたICCが、少しずつでも法の支配というもとに裁かれるべき人は裁かれるという世界になっていくことを目指して…」「“法”っていうのは人間生活の中で最後のセーフティーネットみたいなもの。法律家が陥りやすい間違いっていうのは法律家が何でも仕切っていると思い込むことです。そうではなくて一番底辺の、一番弱い人たちを最後に救うものが“法”であるべき出し、そうなっているべき…。ICCはそのためにあるんだ、と…」 ICCの存続のカギを握るのは“ならず者国家”でも“テロ国家”でもない民主主義を標榜している超大国アメリカなのである。そして、日本はICC最大の拠出国であり法の支配を尊重する国。赤羽所長が日本に求めることとしてはただ一つ、同盟国としてアメリカが制裁するようなことはしないよう働きかけてほしいということだという。

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