<社説>長崎原爆投下79年 核廃絶実現へ役割果たせ - 琉球新報デジタル
唯一の被爆国として、日本は責任ある役割を務め続けることができるのか。長崎に原爆が投下されてから79年となった。6日の広島に続き、ことしの原爆忌は、ウクライナやパレスチナでなお戦闘が続き、為政者から核兵器の使用も辞さないとの発言さえも出てくる中で迎えた。
核廃絶への日本の姿勢がいまほど問われていることはない。日本政府は核兵器禁止条約参加への否定的立場を見直し、国家間の溝を埋める努力を進め、被爆者の切実な願いである核なき世界の実現に全力を挙げる必要がある。 広島市の松井一実市長は6日の広島市での式典の平和宣言で各国の軍拡競争に触れ「国際問題を解決するためには拒否すべき武力に頼らざるを得ないという考えが強まっていないか」と懸念を示し、このような状況下で市民社会の安全・安心を保つことはできるのかと問うた。市民感覚に即した懸念の表明だろう。緊迫する東アジア情勢を理由に、急激に軍備強化が進む沖縄で暮らす私たちにとってもその心配は同様だ。長崎市がパレスチナ自治区ガザに侵攻しているイスラエルを式典に招待しないことが波紋を広げている。市は政治的判断ではなく、不測の事態を避けるためと説明する。広島、長崎両市、被爆者が訴えるのは、各国が立場の違いを超え、核廃絶への機運を高めることだ。長崎の平和式典への参加で、中東を巡る国際的対立が露呈した形となったのは残念である。
広島選出の岸田文雄首相は、日本は核保有国と非保有国の橋渡し役を務めると述べてきた。であるならば、欧州と中東で戦闘と殺りくが続く中で日本はその役割を全うすべきである。ところが6日の広島市での平和記念式典で岸田首相は昨年同様、核兵器禁止条約に言及しなかった。
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