スピードスケート女子の高木美帆(TOKIOインカラミ)が10日、自身の公式サイトで世界選手権(ドイツ・インツェル)を途中棄権すると発表した。「最後まで滑り切ることはできませんでした。悔しい思いもあり
ますが、体が悲鳴をあげていて、滑るべきではないと判断しました。もう少し行けるかなと思っていたのですが、見積もりが甘かったようです」と説明した。
高木は7日と8日に行われたスプリント部門に出場。500メートルと1000メートルを2本ずつ滑り、2020年以来、2度目の総合優勝を飾っていた。そこから休みなく9日からのオールラウンド部門に出場。短距離から長距離の4種目総合で争う同部門で500メートルを1位。3000メートルは11位と前半2レースを終えて総合3位につけていたが、10日に行われる後半2レースを棄権した。 両部門にエントリーする選手は珍しく、スプリント部門終了後に、疲労を考慮して回避する選択肢も当然考えられた。だが、高木は「少しでも滑れる余力が残っているなら、あのスタジアムで滑ってみたいという気持ちもありました」と、オールラウンド部門の特有の熱気の中で滑りたい気持ちがあったと説明。「最初から出るべきではなかったのかも知れないという思いと、できるところまで挑戦してみる、やれるだけやってそれでダメだったのだから、チャレンジしたことに後悔はない、という2つの気持ちの中で揺れています」と葛藤を明かした。
これで今季の全レースを終えた。最大の目標だった2月の世界距離別選手権で1500メートルと1000メートルの2種目を制するなど、収穫も多かったシーズン。最終戦は無念の結果とはなったが「自分の気持ちや課題もはっきりしたのかなと思います。少し休んでから、また歩んでいきたいと思います」と、戦い終えた心境を語った。
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