ITフリーランス市場は過去10年で約1.6倍に拡大し、2030年にはさらなる成長が予測されている。企業から最も需要が高いITエンジニアの職種とは。
この市場で、ITフリーランスはどのような働き方をして、どれほどの収入を得ているのだろうか。また、企業側はITフリーランスに何を求め、どのようなスキルを持つ人材を必要としているのか。エン・ジャパンは2025年9月3日、同社が運営するフリーランスエンジニア用案件検索エンジン「フリーランススタート」において、ITフリーランスの実態に関する調査結果を公表した。ITフリーランスとして活動する515人およびITフリーランスを活用する企業515社を対象に調査を実施した。 調査によると、ITフリーランス市場は2015年の7199億円から2025年には1兆1849億円へと拡大し、10年間で約1.
6倍に成長する見込みとなった。背景には企業のDX推進やSaaS企業を中心とする新興勢力の台頭があり、コロナ禍以降の業務体制の変化も需要を押し上げたと分析している。2030年には市場規模が1兆3619億円に到達し、デジタル人材に占めるフリーランス比率が15.3%を超えると予測している。 人口推計でも同様の傾向が示されている。2015年に9万9985人だったITフリーランス人口は、2025年に16万1873人へと増加すると予測している。職種別ではシステムエンジニアが25.2%と最多で、Webディレクター、プログラマーが続いた。案件獲得手段は知人紹介が45.6%と多く、営業活動やエージェント活用も一定の割合を占めている。 収入に関しては「変化なし」と回答した割合が56.5%であったが、31.5%は「増加した」と答えており、独立による収益向上を実現している層も存在する。案件選択基準では「報酬が良い」が45.2%で最多であり、「人間関係のストレスがない」「知見やスキルを発揮できる」が続いた。フリーランスを選んだ理由としては、働く時間や場所を自由に決めたいという回答が多く、柔軟性の高さが主な動機となっている。 企業側の調査においては、59.8%が「今後、活用を増やしたい」と回答しており、需要の高まりが確認されている。満足度については77.1%が肯定的に評価している。活用目的は「特定の開発スキルを持つ人材を確保できる」が52.0%と多く、「特定の業界経験を持つ人材の確保」「正社員採用が難しいため」が続いた。発注職種ではクラウドエンジニアが41.2%で最多であり、エンジニアリングマネジャー、ITコンサルタント、システムエンジニア、プロダクトマネジャーが上位を占めた。フリーランスと企業を仲介するエージェント市場も急成長している。2015年に787億円だった市場規模は2025年には3063億円に拡大し、2030年には4579億円に達すると予測されている。エージェントは効率的なマッチングや契約支援を担う存在として、その役割を広げている。 調査を統括したエン・ジャパンの相場敏行氏は、IT人材領域におけるフリーランス市場とエージェント事業者の重要性に言及し、今後も市場分析を継続しつつ、関係事業者と協力して業界の健全な発展に寄与すると述べている。
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