顔に単純性血管腫という“赤アザ”を持ち、1999年に、自身の苦悩とともに同じ疾患を持つ人の内面に迫った『顔面漂流記(現題:顔面バカ一代)』を刊行した石井政之さん。顔に“赤アザ”を持つ当事者として公の場に出た先駆け的存在として、同じ疾患を持つ人たちの集いの場を立ち上げる経験も。しかし、そこには想定外の“苦労”が待ち受けていたという。組織として続けていくことの難しさ、“赤アザ”で悩む当事者たちと向き合うことで生じた新たな課題について話を聞いた。
でもやはり、当事者同士のコミュニケーションは難しいです。“アザ”という同じ悩みを持つ人間が4、5人出会うと、やっぱり比較しちゃうわけですよ。同じアザという条件でも、この人は結婚できているとか、この人はいい仕事についているとか、俺は無職だとか。同じ接点で集まったはいいけれど、それぞれの人生に差はあるわけです。なかなか、大変でした。そう。だから、そういう時に立場や経験を超えて喋っていくということが大事なんですけれども、それは僕の司会進行の力も問われるし、参加する人も頑張ってついてこないといけないところがあって。ただ席に座っていれば至り尽くせりの優しい言葉がかけられて、励まされて、明日から頑張るぞって気持ちになるみたいな、そういうインスタントな話にはならないわけです。
アザを持っていても結婚している人もいれば、そうじゃない人ももちろんいる、全部ひっくるめて障害者なんです。だけど、じゃあ障害者まとめて全部仲良くなりましょうとはならない。みんな考え方も人生観も違うのはユニークフェイスでも同じでした。ユニークフェイスの比率は女性が多かったので、気の合う女友達ができると会に来ないんです。回を重ねるごとに来る人が減っていく。それ自体は全然いいのですが、新規の方を迎えることも難しく、簡単に増えることはないわけです。ちょうどその時にスマホの普及も始まったので、会にわざわざ参加するよりも、気の合う当事者をSNSで見つけてコミュニケーションして解決するというやり方に変わっていったんだろうなというのが僕の考えですね。
僕自身がカウンセラー的な役割を求められることも多くなり、専門職でもない自分がどう対峙していくか悩んでいるうちに、活動するモチベーションを保てなかったこともありますね。ちょうどその頃に結婚して、東京を出て、ユニークフェイスの活動が事実上ほとんどなくなっていきました。――ご自身の“赤アザ”を通して、同じような症状で悩む当事者の方と出会い、対話してきたことを通して、一番“赤アザ”悩んでいた十代の石井さんご自身に現在のご自身がメッセージを送るとしたら、どんな言葉を送りたいですか。「世界が広いので大丈夫」って言いたいですね。今クラスで友達がいなくても、世界は何十億人もいるから。恋人はできないって思っても、会社とか学校とか今いるコミュニティの異性にたまたまダメだと言われているだけで、世の中には何十億人も異性がいるわけだし。就職だって、世の中いくらでも会社があるし、ほとんどの会社が人手不足ですから、仕事はすぐに見つかります。全然大丈夫だからって、本当に思ってる。そういう当たり前のことをこれからも同じ疾患を抱えて悩む人たちに話したいし、伝えたいですね。僕はいつも言うんですけど、「自分の家や会社から近い
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