衛星通信の新勢力図 スターリンク独走を止めるのは誰か

日本 ニュース ニュース

衛星通信の新勢力図 スターリンク独走を止めるのは誰か
日本 最新ニュース,日本 見出し
  • 📰 nikkei
  • ⏱ Reading Time:
  • 52 sec. here
  • 2 min. at publisher
  • 📊 Quality Score:
  • News: 24%
  • Publisher: 51%

世界最大の衛星通信網となったイーロン・マスク氏率いる米スペースXの「スターリンク」。今では世界の人工衛星打ち上げ数の約7割をスターリンクが占めるという「1強」状態になっている。スターリンクの技術力も競合の先を進んでおり、国内外の関係者に衝撃を与えている。一方でスターリンクが巨大独占インフラになることのリスクも浮かぶ。2023年9月に発売された評伝『イーロン・マスク(上・下)』(ウォルター・ア

世界最大の衛星通信網となったイーロン・マスク氏率いる米スペースXの「スターリンク」。今では世界の人工衛星打ち上げ数の約7割をスターリンクが占めるという「1強」状態になっている。スターリンクの技術力も競合の先を進んでおり、国内外の関係者に衝撃を与えている。2023年9月に発売された評伝『イーロン・マスク(上・下)』(ウォルター・アイザックソン著、文芸春秋)によると、紛争で壊滅状態になったウクライナの通信インフラをスターリンクが支える一方、マスク氏はロシアによる核攻撃報復を回避するために、クリミア地域のスターリンク回線を一時切断したという。両国の戦闘激化を避けるためだ。衛星通信は今後、コネクテッドカー(つながるクルマ)などにも活用されていくだろう。スウェーデンの通信機器大手エリクソンの日本法人エリクソン・ジャパンで最高技術責任者(CTO)を務める鹿島毅氏は「地上のネットワークがカバーしていないエリアをクルマが走るケースもある。そのため自動車メーカーは現在、衛星通信に高い興味を持っている」と語る。現在、市場をリードしているのは、スターリンクなど独自技術によって衛星通信サービスを提供する方式だ

鹿島氏は「クルマのようなライフタイムが長い用途については3GPP標準を待ち、ライフタイムが短い用途については今ある技術を活用して市場投入までの時間を短縮するような使い分けになっていくのではないか」と指摘する。 衛星通信が携帯電話の標準仕様になるとはいえ、人工衛星については誰かが打ち上げて運用しなければならない。低軌道衛星を活用する場合、50億ドルから100億ドルという参入コストがかかる。さらに低軌道衛星の場合、地球を周回するために、必然的に世界中を対象としたグローバルビジネスになる。現在、低軌道衛星を使った衛星通信サービスに名乗りを上げる事業者が続々と現れているが、高い参入コストと採算性を考えると、おそらく数社に集約されていくだろう。その点を踏まえても、すでに競合を大きく引き離す人工衛星を配置しているスターリンクが有利であることは変わらない。中国政府が全額出資する中国衛星網絡集団(星網)は、低軌道衛星約1万3000基を活用した「国網(Guowang)」と呼ぶ衛星通信サービスを計画する。24年に最初の衛星を打ち上げる見込みだ。

CSISは、中国の広域経済圏構想「一帯一路」の協力国において、中国が米国の衛星通信サービスの参入を阻止し、自国の衛星通信採用を促す可能性があるとする。高速通信規格「5G」と同様に、世界の衛星通信は中国技術を採用する国と排除する国で二分されていく可能性がある。プロジェクト・カイパーは、スターリンクと同様に低軌道に3200基以上の人工衛星を配置し、地上系のネットワークでカバーされていない地域に衛星通信サービスを提供することを目指している。23年末に試験用衛星2基を打ち上げ、24年から本格的に商用衛星打ち上げを開始する計画だ。アマゾンはこのプロジェクト・カイパーに100億ドル以上を投資するとしている。

アマゾン・ドット・コムの創業者は、マスク氏と並ぶ世界有数の富豪であるジェフ・ベゾス氏だ。そのベゾス氏も、宇宙旅行を目的としたロケット開発企業、米ブルーオリジンを設立している。将来的にはスペースXと同様に、ベゾス氏傘下企業によってロケット開発と衛星通信サービスを垂直統合で提供していく可能性がある。ただ現時点では、プロジェクト・カイパー用の商用衛星打ち上げには米ブルーオリジンの他、仏アリアンスペースやライバルであるスペースXのロケットも活用せざるを得ない状況だ。

このニュースをすぐに読めるように要約しました。ニュースに興味がある場合は、ここで全文を読むことができます。 続きを読む:

nikkei /  🏆 135. in JP

日本 最新ニュース, 日本 見出し

Similar News:他のニュース ソースから収集した、これに似たニュース記事を読むこともできます。

スターリンク、技術力突出 衛星で携帯2社分データ伝送スターリンク、技術力突出 衛星で携帯2社分データ伝送高度550キロメートル(km)の低軌道に6000基超の人工衛星を配置し、世界最大の衛星通信網となったイーロン・マスク氏率いる米スペースXの「スターリンク」。ロケットを自社開発し、短期間で改善を繰り返すことで打ち上げコストの削減に成功。今では世界の人工衛星打ち上げ数の約7割をスターリンクが占めるという「1強」状態になっている。スターリンクの強みは人工衛星の打ち上げ数だけではない。その技術力も国内
続きを読む »

イーロン・マスク、リチャード・ブランソン、ピーター・ティール…あの一流経営者たちが採用面接で必ず聞く質問20選イーロン・マスク、リチャード・ブランソン、ピーター・ティール…あの一流経営者たちが採用面接で必ず聞く質問20選イーロン・マスク、ラリー・エリソン、ジャック・ドーシーなど、優れた経営者は採用面接でどんな質問をするのでしょうか? 著名経営者20人の「お気に入りの質問」をまとめました。
続きを読む »

アップルが電気自動車「アップルカー」を断念した3つの理由アップルが電気自動車「アップルカー」を断念した3つの理由「モデル3計画の一番大変な時に、私はアップルのティム・クックに連絡して、アップルがテスラを買収する可能性について話し合おうとしたんだ」 イーロン・マスク
続きを読む »



Render Time: 2025-04-08 03:11:48