米連邦準備理事会(FRB)は11─12日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を5.25─5.50%に据え置いた。
ただこのところのJGB金利は、米国やドイツの金利の動きとややデカップル(分断)しており、海外金利の動向よりも日銀の次の政策の方が大きな影響力を持っていた局面にある。このため、米金利低下に追随してどこまで低下するのかはやや不透明だ。
半面、マーケットの織り込みとしてFRBが年内2回くらい利下げするのではないかとの期待が戻っていることは、為替面で円安の圧力をやや弱める方向に働く。この点では日銀としても為替市場に対する配慮から引き締めトーンを強める必要性はやや低下したと思われ、金利を落ち着かせる、すなわち低下させる方向に作用しやすい結果と言える。米国の年内利下げ見通し回数が減ったのはタカ派サプライズだった一方、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は、どの参加者も確固とした考えがあるわけでなく、あくまでデータ次第との趣旨の発言をし、うまくハト派的にコミュニケーションをした。市場には安心感が生じ、年内利下げ回数の市場予想は低下しなかった。
消費者物価指数(CPI)はインフレ鈍化を示し、株価にポジティブな内容で株高を促した。CPIは月一回の重要な指標でもあり、リスクオン的な見方は数週間、継続するだろう。ただ、米長期金利が低下する中では為替は円高方向になりやすい。日本株は米株を上回るようなパフォーマンスは難しく、緩やかな上昇が見込まれる。 あすの日銀会合では国債買い入れの減額が焦点になるが、減額幅が1兆円を超えるようなら、国債需給への影響が生じて国内長期金利が上昇しかねない。この場合、借入金の多い不動産や電力株などにはネガティブとなり、銀行や保険にはポジティブだろう。もっとも、日銀の正常化に向けた動きは、日本経済がデフレから脱却して構造的に潜在成長率が上がっていくことも示唆している。このため、株式市場全体が大きく動揺することはないのではないか。米連邦公開市場委員会(FOMC)が示したドットチャートの変更内容は、ほぼ想定通りだった。年内にコアインフレ率は鈍化しないとの見通しを再確認したことで、利下げ機運が高まりにくい中、ドルは当面155─160円付近で高止まりが続くと予想している。
米消費者物価指数(CPI)はわずかに下振れただけだったが、ドルは155円後半まで大きく下落した。もともと注目度が高い指標であることに加え、上振れリスクを警戒する向きが多かったことが下げ幅を広げたと見られるが、参加者の間で見通しを変更するような動きが広がる内容ではなかった。ドルの上値がやや鈍い印象を受ける。政策声明は前回よりもややハト派的だった。今日発表された消費者物価指数(CPI)がまずまずの内容だったことも助けになった。政策声明よりもドットチャートの方が重要だ。金利見通しでは年内の0.25%ポイントの利下げ回数を3回から1回に減らしたが、2025年の利下げ回数は1回増やした。実質的には今後18カ月で利下げが1回減っただけであり、経済全体には対して影響しないだろう。ただ市場の関心は経済よりも年内の利下げ回数が2回になるのか1回のみになるのかという点にある。
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