米欧が映す「庶民の時代」 トランプ現象は世界の潮流 安保形骸化に懸念 遠藤良介 一筆多論

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米欧が映す「庶民の時代」 トランプ現象は世界の潮流 安保形骸化に懸念 遠藤良介 一筆多論
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「もしトラ」や「ほぼトラ」の議論がかまびすしい。日本にとって米国は唯一の同盟国であり、「11月の米大統領選でトランプ前大統領が返り咲いたら」という種々のシミ…

それと同時に、トランプ現象は世界の潮流の表れであるという視点も重要だと思う。トランプ流「自国第一」のポピュリズム(大衆迎合主義)勢力は世界各地で台頭しており、米大統領選がどうであれ、その潮流は当面変わるまい。フランスでは、極右「国民連合」(RN)が約31%を得票して首位に立った。与党連合の2倍にあたる得票率だった。マクロン仏大統領が打って出た6~7月の総選挙では、与党連合などが選挙協力によってRNを第3勢力にとどめたものの、仏政界は流動的だ。右派を中心とする「自国第一」ポピュリズム勢力が台頭する理由としては、長引く物価高や移民流入への反発といったことが挙げられる。誤解を恐れずにいえば、東西冷戦の終結から30年余りで進んだ「グローバル化」への反動・揺り戻しが起きているのだろう。

冷戦終結後、ロシアをはじめとする旧東側諸国や中国などが世界市場に統合された。人、物、金が世界規模で動くようになり、それは一時期の新自由主義によっても勢いづいた。IT分野を筆頭とする技術革新の波も加わった。 こうした潮流から取り残されたり、経済的な不利益を被ったりした人々がいる。このいわば「忘れられた人々」が欧州で伝統的な中道政党から離れ、「自国第一」勢力に投票している。米大統領選でトランプ陣営が照準を合わせているのも、産業空洞化が進んだラストベルト(さびた工業地帯)の白人労働者層だ。留意せねばならないのは、「自国第一」ポピュリズム勢力が多くの場合、ウクライナ支援を含む国際協力に否定的で、「強いロシアとは仲良くした方がよい」と考えていることだ。この勢力が台頭する現状は、まさにプーチン露大統領が願った通りである。

プーチン政権はこの10年来、欧州の極右など「自国第一」勢力を支援し、彼らと連携することを基本的な戦略としてきた。米欧の分断とEUの弱体化を図り、親露勢力を増やす思惑からだ。仏RNの前身、国民戦線(FN)がロシアの銀行から融資を受けていたことはよく知られている。 「自国第一」が一概に悪いというつもりはない。だが、ポピュリズムが野放図に伸長すれば、大戦後に西側が築いた集団安全保障の体制は形骸化する恐れがある。中露などが容易に勢力圏を広げる悪夢の世界になりかねない。

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