これまで肥満治療薬市場は業界大手2社が独占してきた。糖尿病治療薬「オゼンピック」、肥満症治療薬「ウゴービ」を手がけるデンマークのノボ・ノルディスクと、肥満症薬「ゼップバウンド」、糖尿病薬「マンジャロ」を手がける米イーライリリーだ。だが、2025年には強力なライバル勢の登場によって、この2強支配体制に近く風穴が開く兆候が出てくるかもしれない。
調査会社エアフィニティによると、来年には肥満症および関連疾患の治療薬に関する中期段階の治験結果が多数発表される予定だ。新興企業および業界大手の双方から大量の治験結果が発表されることで、向こう数年でどのような選択肢が利用可能になるのかを決めることになりそうだ。製薬会社は少ない服用頻度で、減量効果が大きく、副作用が少ない薬を目指している。 トランプ次期米大統領が厚生長官に指名したロバート・F・ケネディ・ジュニア氏はこのような薬に反対しているが、エアフィニティは2027年までに十数の新たな肥満症薬が登場するかもしれないと述べている。ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)の分析では、それまでに市場規模は年間500億ドル(約7兆6800億円)に達する可能性がある。
世界には10億人以上の肥満症患者がいるとして、ノボは競争の余地は十分にあると述べている。同社のカルステン・ムンク・クヌーセン最高財務責任者(CFO)は「これは同質の巨大市場ではない」と指摘。患者は「それぞれ異なる動機や合併症に対して異なる製品」を必要としていると話している。イーライリリーのダン・スコヴロンスキー最高科学責任者(CSO)は、各社が「互いにしのぎを削る」ことで、誰もが製品を改善するよう強く促されると話す。...
業界リーダーも、常に一歩先を行くために躍起だ。イーライリリーが開発中の新薬「レタルルチド」は、2023年に発表された中期治験で、48週間の治療後に平均24%の減量効果を示した。またノボは新薬「カグリセマ」について、25%の減量効果が期待できるかもしれないと述べている。
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