「5シリーズ」に「ツーリング」があれば、電気自動車(BEV)版の「i5」に「i5ツーリング」があるのは自然の摂理。現時点では希少なBEVのステーションワゴンである。システム出力601PSを誇るMパフォーマンスモデル「i5 M60 xDriveツーリング」を試す。
アングルが決まらない理由は、フロントのオーバーハングが長いことだった。新しい5シリーズは、従来型に比べて全長が85mm長くなっているのに、ホイールベースは20mmしか伸びていない。差し引きの65mmは、前後のオーバーハングに吸収される計算だ。
すでに報道されているように、BMWはひとつの基本骨格でBEVとエンジン車(ICE)の両方を開発する方針。両者それぞれに専用の基本骨格を用意するメルセデス・ベンツとは異なる戦略を採っている。新型5シリーズも、BEVとICEの基本骨格は共通だ。 オーバーハングが長くなっている理由は、プレス資料のi5の構造図を見るとなんとなく推測できる。車体の床下に薄型のバッテリーを敷き詰める構造になっていて、できるだけ多くの容量を確保するために、底面ほぼ目いっぱいにバッテリーを配置している。重たくて、衝突などの危険からなるべく遠ざけたいバッテリーがこれだけの面積を占拠していることが、オーバーハングが長くなったことにつながっているように思える。
BMWの方針は、一粒で二度おいしいから効率的だともいえるけれど、いっぽうで、ことデザインに関しては多少のひずみが出ている。オーバーハングが間延びして見えるだけでなく、床下にバッテリーを積むことによる腰高感を消すためにサイドシルから下の部分をブラックアウトするなど、苦心の跡がうかがえる。ただし後席の居住性や荷室の広さなどは、事実上ICEとBEVで変わらないあたりは、称賛されてしかるべきだ
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