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君島十和子と君島明夫妻が語る、30年のパートナーシップと家族の絆

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君島十和子と君島明夫妻が語る、30年のパートナーシップと家族の絆
君島十和子君島明パートナーシップ

元俳優の君島十和子と医師でFTC代表取締役社長の君島明夫妻へのインタビュー。出会いから結婚直後の試練、そして30周年を迎えた現在の価値観と今後の挑戦について語る。

パートナーシップ において、大なり小なり何かしらの悩みや不安を抱えている人は少なくはない。私たちはときに価値観のずれに悩んだり、伝統的な家族観や固定観念に囚われたり、ちいさなボタンのかけ違いによって、自由で豊かな パートナーシップ の本質を見失ってしまうときがある。こうした中、さまざまなかたちの パートナーシップ を営む人々の等身大の物語は、肩に入った力を抜き、前を向いて歩むヒントとなるはず。 本連載に今回登場するのは、元俳優で美容家の 君島十和子 と、医師でありFTC代表取締役社長を務める 君島明 。前編では、二人の出会いから、結婚直後に訪れた“お家騒動”という試練を経て、実感している家族の結束について。後編では、二人が共有してきた価値観や、結婚30周年を迎えた現在、二人で新たに挑戦していきたいことを聞いた。 ──お二人の出会いは、どんな形で始まったのでしょう? 君島明 (以下、明) 妻と出会った当時、亡き父でファッションデザイナーの君島一郎がライセンス事業をしており、私はそちらを担当していました。その中にブライダルドレスの部門があり、“ゲストモデル”として、JJモデル出身で女優をしていた彼女にオファーしたのが最初の出会いです。 君島十和子 (以下、十和子) 最初に主人と出会ったのがファッションショーだったのですが、私は“君島一郎先生のお仕事”と思って現場に行っていたので、義父だけを認識して彼にご挨拶をしなかったらしく……。彼がご子息だとは知らず、大変失礼な人だと思われていたみたいです(笑) ──そこから「この人と特別な関係になるかも」と感じた瞬間は? 明 4月のフィッティングの日、大雨が降っていて。彼女は次の仕事で渋谷のスタジオに行かなければならないのに、事務所の方が渋滞で間に合わない。雨でタクシーもつかまらない。とっさに、「よかったら私が送ります」と、車を出したんです。今にして思えば、そのときはじめて二人きりになり、とても楽しく会話をしたのをよく覚えています。 十和子 雨が降らなかったら、違っていたかもしれないですね。車の中で話してみたら、いわゆるファッションブランドの跡取りというより、ビジネスマンという印象。同世代でもあり、以前からの知り合いのように不思議と自然に話せたんです。 明 その会話の中で、彼女の誕生日が近く、当日は仕事で大阪にいるという話になりました。偶然私もその日は大阪で仕事があったので、変な下心はなく「食事でもしますか」と聞いてしまいました。 「結婚か仕事か」の時代。でも素直に惹かれていった 十和子 まだ女優として駆け出しの頃で、当時は大阪にいたので誕生日の夜は特に予定も入れていませんでした。特に悪い気もしなかったので、お誘いをありがたく受けました。そしてお父さまの行きつけの京都の和食屋さんに伺いました。 明 「オファーしている女優さんにここで何かあってはいけない」というスタンスを保ちながら楽しく食事をして、大阪に戻りました。しかし、その一晩で印象が大きく変わりましたね。外見だけでなく本当に心が綺麗な人だと思いました。初対面があまり良い印象でなかった分、ある種のカルチャーショックのような。こんな人、初めて会った、と運命的なものを感じました。その後、舞台を観に行かせてもらったり、二人で食事に行ったり、距離は急速に縮まっていきました。なので6月のショーのころは、もう完全に生涯のパートナーとして意識していました。父は気づいていたと思いますね。 十和子 当時はまだ「結婚か仕事か」という時代で、やっと自分らしい仕事ができ始めたころ。主人と出会うまで、仕事を辞める選択肢はありませんでした。でも彼といると、育った時代やカルチャーが近くて、見てきたものが重なる。視点や価値観が同じで、反対に芸能界にはこうした共通項がある人がいなかった。 明 話していて「これが好き」「これが美味しい」など価値観が一致しないと、一緒に生きていくのは難しいと思うんです。でも私たちは、綺麗だね、素敵だね、と思うポイントが一致していた。有田焼の仕事で、私がプロデュースした作品を彼女がとても評価してくれて、純粋に嬉しいと思った瞬間もあり、思いが確信に変わりました。 試練が与えてくれた、幸せになるための努力と家族の絆 ──プロポーズはどんなふうに? 明 「これからずっと一緒に生きていってほしい」と言ったと思います。 十和子 ドラマみたいって思いました。こういうときが来るんだ、って。その年の9月には結納をして、最初の出会いからあっという間の濃密な数カ月でした。 ──結婚直後の“お家騒動”を今振り返ると、当時お二人はどのように乗り越え、何を得たと感じますか? 十和子 それまで何かに守られていたのが、突然、矢面に立たされたという感じで。世間の厳しさを見た気がしました。 明 「幸せになりたいなら、努力しないと幸せは来ない」というマインドセットになりました。肯定的な人と否定的な人が半々いる世間で、否定の声が圧倒的に多かった(笑)。特に男性の妬み嫉みも初めて感じました。さらに半年後に父が亡くなり、君島家の大黒柱にならなければいけなくなった。会社も家も、ちゃんとした準備ができないまま一気に背負うことになって毎日が必死でした。 そして、家族に助けてもらい、励まし合って自然に結束していった。相手のことを自分以上に考える時間が増えましたし、家族のため、人のために生きる意識に変わっていった── 30年経った今、その経験こそが理想の姿につながっていると改めて実感します。 十和子 当時、本当に大変だったと思うんです。でも、31歳の彼は家の中にそれらの感情を一切持ち込まなかった。もっと弱音を吐いてもよかったはず。本当に強い愛で守ってくれていると肌で感じていました。 Photos: Courtesy of Akira&Towako Kimijima Text&Interview: Mina Oba Editor: Mayumi Numao.

パートナーシップにおいて、大なり小なり何かしらの悩みや不安を抱えている人は少なくはない。私たちはときに価値観のずれに悩んだり、伝統的な家族観や固定観念に囚われたり、ちいさなボタンのかけ違いによって、自由で豊かなパートナーシップの本質を見失ってしまうときがある。こうした中、さまざまなかたちのパートナーシップを営む人々の等身大の物語は、肩に入った力を抜き、前を向いて歩むヒントとなるはず。 本連載に今回登場するのは、元俳優で美容家の君島十和子と、医師でありFTC代表取締役社長を務める君島明。前編では、二人の出会いから、結婚直後に訪れた“お家騒動”という試練を経て、実感している家族の結束について。後編では、二人が共有してきた価値観や、結婚30周年を迎えた現在、二人で新たに挑戦していきたいことを聞いた。 ──お二人の出会いは、どんな形で始まったのでしょう? 君島明(以下、明) 妻と出会った当時、亡き父でファッションデザイナーの君島一郎がライセンス事業をしており、私はそちらを担当していました。その中にブライダルドレスの部門があり、“ゲストモデル”として、JJモデル出身で女優をしていた彼女にオファーしたのが最初の出会いです。 君島十和子(以下、十和子) 最初に主人と出会ったのがファッションショーだったのですが、私は“君島一郎先生のお仕事”と思って現場に行っていたので、義父だけを認識して彼にご挨拶をしなかったらしく……。彼がご子息だとは知らず、大変失礼な人だと思われていたみたいです(笑) ──そこから「この人と特別な関係になるかも」と感じた瞬間は? 明 4月のフィッティングの日、大雨が降っていて。彼女は次の仕事で渋谷のスタジオに行かなければならないのに、事務所の方が渋滞で間に合わない。雨でタクシーもつかまらない。とっさに、「よかったら私が送ります」と、車を出したんです。今にして思えば、そのときはじめて二人きりになり、とても楽しく会話をしたのをよく覚えています。 十和子 雨が降らなかったら、違っていたかもしれないですね。車の中で話してみたら、いわゆるファッションブランドの跡取りというより、ビジネスマンという印象。同世代でもあり、以前からの知り合いのように不思議と自然に話せたんです。 明 その会話の中で、彼女の誕生日が近く、当日は仕事で大阪にいるという話になりました。偶然私もその日は大阪で仕事があったので、変な下心はなく「食事でもしますか」と聞いてしまいました。 「結婚か仕事か」の時代。でも素直に惹かれていった 十和子 まだ女優として駆け出しの頃で、当時は大阪にいたので誕生日の夜は特に予定も入れていませんでした。特に悪い気もしなかったので、お誘いをありがたく受けました。そしてお父さまの行きつけの京都の和食屋さんに伺いました。 明 「オファーしている女優さんにここで何かあってはいけない」というスタンスを保ちながら楽しく食事をして、大阪に戻りました。しかし、その一晩で印象が大きく変わりましたね。外見だけでなく本当に心が綺麗な人だと思いました。初対面があまり良い印象でなかった分、ある種のカルチャーショックのような。こんな人、初めて会った、と運命的なものを感じました。その後、舞台を観に行かせてもらったり、二人で食事に行ったり、距離は急速に縮まっていきました。なので6月のショーのころは、もう完全に生涯のパートナーとして意識していました。父は気づいていたと思いますね。 十和子 当時はまだ「結婚か仕事か」という時代で、やっと自分らしい仕事ができ始めたころ。主人と出会うまで、仕事を辞める選択肢はありませんでした。でも彼といると、育った時代やカルチャーが近くて、見てきたものが重なる。視点や価値観が同じで、反対に芸能界にはこうした共通項がある人がいなかった。 明 話していて「これが好き」「これが美味しい」など価値観が一致しないと、一緒に生きていくのは難しいと思うんです。でも私たちは、綺麗だね、素敵だね、と思うポイントが一致していた。有田焼の仕事で、私がプロデュースした作品を彼女がとても評価してくれて、純粋に嬉しいと思った瞬間もあり、思いが確信に変わりました。 試練が与えてくれた、幸せになるための努力と家族の絆 ──プロポーズはどんなふうに? 明 「これからずっと一緒に生きていってほしい」と言ったと思います。 十和子 ドラマみたいって思いました。こういうときが来るんだ、って。その年の9月には結納をして、最初の出会いからあっという間の濃密な数カ月でした。 ──結婚直後の“お家騒動”を今振り返ると、当時お二人はどのように乗り越え、何を得たと感じますか? 十和子 それまで何かに守られていたのが、突然、矢面に立たされたという感じで。世間の厳しさを見た気がしました。 明 「幸せになりたいなら、努力しないと幸せは来ない」というマインドセットになりました。肯定的な人と否定的な人が半々いる世間で、否定の声が圧倒的に多かった(笑)。特に男性の妬み嫉みも初めて感じました。さらに半年後に父が亡くなり、君島家の大黒柱にならなければいけなくなった。会社も家も、ちゃんとした準備ができないまま一気に背負うことになって毎日が必死でした。 そして、家族に助けてもらい、励まし合って自然に結束していった。相手のことを自分以上に考える時間が増えましたし、家族のため、人のために生きる意識に変わっていった── 30年経った今、その経験こそが理想の姿につながっていると改めて実感します。 十和子 当時、本当に大変だったと思うんです。でも、31歳の彼は家の中にそれらの感情を一切持ち込まなかった。もっと弱音を吐いてもよかったはず。本当に強い愛で守ってくれていると肌で感じていました。 Photos: Courtesy of Akira&Towako Kimijima Text&Interview: Mina Oba Editor: Mayumi Numao

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