北極海航路、将来性なお 現状は低迷、温暖化で注目―識者「利用追求を」・第2部「蒼い北極」(5)・〔66°33′N 北極が教えるみらい〕

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北極海航路、将来性なお 現状は低迷、温暖化で注目―識者「利用追求を」・第2部「蒼い北極」(5)・〔66°33′N 北極が教えるみらい〕
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地球温暖化で海の氷が減ったことで通れるようになり、船の航行距離を短縮できると注目されている「北極海航路(NSR)」。国際航路としての利活用はロシアのウクライナ侵攻以後低迷し、再び活発化する見通しは立たない。ただ、日本にとって将来性はなお高く、識者は「利用可能性を追求し続けることが重要だ」と指摘する。

NSRは、ロシア北部の沿岸を通って東アジアと欧州を結ぶ最短ルート。スエズ運河を経由する現行の「南回り航路」に比べ、航行距離が約4割短縮でき、不安定な中東情勢や海賊のリスクを減らせるメリットがある。シベリア北西部のガス田から産出する天然ガスの輸送路としても期待される。航行にはロシアの許可や砕氷船による支援が必要で、地政学的な影響を受けやすい。NSRを横断した貨物量は、14年のロシアによるクリミア併合を受けて一度底を打った後は右肩上がりで増えていたが、ウクライナ侵攻で再び大きく沈んだ。

国土交通省は、民間企業の進出を見据えた利用可能性を見定めようと、ロシアへの経済制裁の影響で航行データが入手しづらくなっている中でも、情報収集に工夫を重ねる。航行できる時期や船舶の種類は気象条件に大きく左右されることから、定期航路を補完するような使い方やチャーター便には向いているとの見方がある。「現時点では使えなくとも、利活用を目指した研究開発を止めるべきではない」と強調するのは、北海道大北極域研究センターの宇都正太郎特任教授。氷の海を安全かつ燃費良く進める船舶の在り方を研究している。「日本は島国なので海上輸送のルートを多様化し、利用可能性を追求し続けることが重要。ルートが再び国際的に開かれたときに知見を応用できれば」と宇都氏は語る。北極海航路(NSR) ユーラシア大陸と北米大陸を隔てるベーリング海峡を経由してロシア沿岸の北極海を通り、東アジアと欧州を最短で結ぶ航路。Northern Sea...

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