選抜高校野球:センバツ準決勝は「サンバVSラップ」「新旧アニソン対決」…個性的な応援合戦も必聴 春の甲子園 2022 : 高校野球 : スポーツ : ニュース : 読売新聞オンライン
第94回選抜高校野球大会もいよいよ大詰め。30日には決勝進出をかけた準決勝2試合が行われます。ここまで勝ち上がった4校は野球の実力はもちろん、実はその応援も超ハイレベルで個性的。球場やテレビで思い切り高校野球観戦をお楽しみいただくために、「高校野球ブラバン応援研究家」の梅津有希子さんに準決勝2試合の応援合戦の“見どころ”を聞きました。(デジタル編集部 古和康行)今大会の開幕戦に登場した浦和学院。高校野球応援では、埼玉で一つ抜けた存在ではないでしょうか。野球の応援では珍しいサンバのリズムを取り入れた「浦学サンバ」は全国的にも有名で、明るく楽しい曲調に合わせて踊りまくる野球部員の応援にも注目です。新型コロナウイルスの影響で、出場を辞退した京都国際に代わって出場したのが近江。開幕直前に繰り上げ出場が決まったのに、次々と難敵を倒し、滋賀県勢初の4強までたどり着きました。 近江の応援で人気なのが、チャンステーマの「Fireball」。アメリカのラッパー、ピットブルの曲を取り入れたものです。近江は2018年に応援曲をリニューアルし、全国でも珍しい「洋楽」を応援歌の中心に据えています。チャンステーマ以外にもどんな曲が演奏されているのか、洋楽ファンはぜひ注目してほしいですね。国学院久我山にはじわりと人気が広がりつつあるチャンステーマがあります。アニメ「タッチ」の挿入歌「星のシルエット」をアレンジした「一本」です。「呼吸を止めて~」から始まる定番曲ではなく、挿入歌(しかも、和也のテーマ)をアレンジしたというなかなかニッチな選曲ですが、これが吹奏楽版の楽譜で演奏してみると、メチャクチャ乗りが良くて、カッコよく、チャンステーマに意外なほどハマるのには驚かされました。この曲を選んだ野球部のセンスに脱帽です。国学院久我山の得点チャンスの時は注目です。高校吹奏楽界のスター、大阪桐蔭の応援は今年も健在。多数の新曲をひっさげて甲子園にやってきました。編曲担当の吹奏楽部員が野球部のリクエストなどを聞きながら、楽譜を作り、高い演奏技術で曲を完成させることが強み。そのため、甲子園では最新のヒットソングを演奏することができるのです。 今大会はテレビアニメ「呪術廻戦」のオープニングテーマ「廻廻奇譚」を新曲として披露したほか、「進撃の巨人」のテーマソングも定番レパートリーに加えて演奏。今の世代に刺さる「アニソン」で甲子園を大いに沸かせてくれるでしょう。 今大会の1回戦、全試合をアルプス席で取材しました。全ての学校の野球応援を直接、聴いて心に残ったのは、どの学校も実に楽しそうに演奏しているということです。みんなで演奏する喜びや、「音楽の力で選手を後押ししたい」という気持ちが、例年以上に音に表れているように感じました。というのも、今の世代の吹奏楽部員は、高校入学以来、新型コロナウイルスの影響で数々の演奏会やイベントが中止になり、野球の応援もほとんどが経験したことがありません。野球強豪校の大阪桐蔭であっても、初めての甲子園での応援でした。 経験不足に加えて、今大会は大声を出してはならないので、コールはおろか、演奏の指示を出すことすらままなりません。そのため、曲の切り替えが上手くいかなかったり、何の曲を演奏していいのか分からず、戸惑ったりする場面もありました。でも、そんな中、精いっぱいはつらつとした音色を響かせ、チームの活躍に弾けるような笑顔を見せる高校生たちの姿を見て、とても温かい気持ちになりましたし、野球応援の原点みたいなものを感じました。みんなが一つになって応援を楽しむ「日常」が一刻も早く取り戻せることを願ってやみません。ライター、高校野球ブラバン応援研究家。中高時代を吹奏楽の強豪校で過ごし、札幌白石高校時代には「吹奏楽の甲子園」として知られる普門館で開催された全日本吹奏楽コンクールに出場。甲子園期間中は甲子園近辺に「住み込み」、アルプススタンドで取材を続ける。近年は「だし愛好家」としても活動。食卓を彩る出汁の取り方などを提案する。著書に「ブラバン甲子園大研究」(文藝春秋)、「終電ごはん」(幻冬舎)、「だし生活、はじめました。」(祥伝社)など。.
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