讃岐うどん専門店「丸亀製麺」は２１日、麺作りの技術や知識の優れた「麺職人」の全国８３８店舗への配置が完了したと発表した。職人による手作りで良質なうどんを全店舗…
讃岐うどん専門店「丸亀製麺」は２１日、麺作りの技術や知識が優れている「麺職人」の全国８３８店舗への配置が完了したと発表した。職人による手作りで良質なうどんを全店舗で提供できるようにするための試みで、平成２８年から同社が導入している職人認証制度だ。麺職人の称号を取得するための試験合格率は３割と狭き門で、さらに優れた技術や知識を持つ「二つ星」は全国に６人しかいない。麺職人は店舗で紺色の制服を着用する目立つ存在で、ＳＮＳ上では「紺色制服が作るうどんはおいしい」などと話題にもなっている。同日には東京都内で麺職人の全店配置完了を記念したイベントを開いた。山口寛社長は「人の手のおいしさにとことんこだわり、人手不足による省人化のトレンドに反した人材戦略に力を入れた」と狙いを説明した。イベントには同社のアンバサダーを務める俳優の上戸彩さんも登壇し、麺職人が作ったうどんを試食。「丸亀製麺のうどんはただでさえおいしいのに、さらにおいしくなる」と絶賛した。
全店舗で粉からうどんを打っている丸亀製麺では、かつては職人が各店舗を回りその技術や知識を伝えていたが、店舗が増えるにつれてその継承が難しくなった。その課題対策として生まれたのが麺職人の認証制度だ。一定のうどん作りの知識や技術を取得した社員を麺職人として認証し、麺職人が各店舗で効率よく人材を育成できるようにした。麺職人の階級は、技術や熟練度によって「一つ星」から「四つ星」までの４段階に分けられている。うどんの製麺などに関する知識を問う１００問からなる筆記試験に加え、丸亀製麺のうどん生地を触感だけで当てるような実技試験が実施される。合格するには各試験で８５％以上の正答率が必要となる。受験資格は正社員だけでなくアルバイトにもあり、高校生や７０歳以上の合格者もいるという。
「一つ星」での合格率は約３０％で、取得者は全国で１６３２人（２月末現在）。人材の育成実績やテーマに沿ったうどん作りのスキルなども問われる「二つ星」に至っては合格率が約１０％で、６人しかいない超難関となっている。「三つ星」「四つ星」は現在、取得に向けた制度設計を行っている段階という。 麺職人は、通常の白い制服ではなく、襟や袖、帽子が紺色の制服を着用できる。二つ星になれば制服に名前の刺繍が入る。そのため、丸亀製麺のヘビーユーザーなどからは、「店舗の味レベルを図るため、まずは紺色の制服がいるかどうかを確認する」といった声も聞かれていた。（西村利也）
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