ボクシング界の注目を集める中谷潤人が、スーパーバンタム級転向初戦を判定で勝利。しかし、その内容からは苦戦が浮き彫りとなり、来年5月上旬に計画されている井上尚弥との対戦実現に暗雲が立ち込めている。井上のスパーリングパートナーも務めるエルナンデス相手に、中谷は持ち前の力を出し切れず、新階級の壁に直面した。試合後のコメントや関係者の動向から、今後の展開が注目される。
スーパーバンタム級 転向初戦を迎えた、世界3階級制覇を達成した 中谷潤人 (27=M・T)が、苦戦の末、3-0の判定勝利を収めた。世界4団体統一王者の 井上尚弥 (32=大橋)が君臨するこの階級での戦いは、井上のスパーリングパートナーも務めたセバスチャン・ エルナンデス (25=メキシコ)との対戦となった。国内記録となるデビューからの32連勝を誇る中谷だが、来年5月上旬に 東京ドーム で開催が計画されている井上との対戦実現に暗雲が立ち込めている。\試合は、ラウンドが進むごとに中谷の右まぶたの腫れが深刻さを増し、苦戦を物語っていた。来年5月の対戦を目標とする“モンスター”井上との最初の共演となる今回の試合で、井上よりも先にリングに上がった中谷は、“井上の階級”の厳しさを痛感した。「 エルナンデス 選手は非常に強かった。タフな試合になり、良い経験になった」と試合を振り返った。身長2センチ高い エルナンデス に対し、序盤は軽快なステップとロングジャブで距離を保ち、相手に主導権を渡さなかった。しかし、3回に接近戦に応じたことで試合展開は一変。アッパーやフックをクリーンヒットさせても、メキシコ人選手の猛攻を止めることができず、細かいパンチを浴び続けた。判定は、ジャッジ1人が8点差をつけたものの、他の2人は僅差での辛勝だった。新階級でのパワー不足を問われると、「それも想定して練習していましたが、 エルナンデス 選手が良いファイトをしてくれたので、私自身も成長できました」と冷静に分析した。\減量による体の負担が減り、練習でのスピードアップを実感していた中谷は、恒例のロサンゼルス合宿で、5月に井上をダウンさせたカルデナス(米国)とのスパーリングを通して、新階級への適応に手応えを感じていた。一方で、階級を上げるごとに体格的なアドバンテージが減少し、対戦相手のパワーと耐久力が増すことに「私が構築してきたものが一発で崩される可能性がある」と警戒していた。転級初戦となった今回の試合で、その懸念は現実のものとなった。試合前日には、井上が来年5月の試合について「中谷戦か、フェザー級で5階級制覇を狙うか分からない」と発言し、大きな波紋を呼んだ。期待されていた日本人頂上決戦は、一転して“開催危機”を迎えている。大橋ジムの大橋秀行会長は「明日の試合を見て決めたい」と エルナンデス 戦を“テストマッチ”と位置づけたが、その結果に納得しているかどうかは微妙なところだ。「もちろん、あの世界チャンピオンを目指してこの階級に転向したので、そのチャンスを頂けるならしっかり仕上げます」。井上戦への期待を問われた中谷の答えは控えめだった。\◇ 中谷潤人 (なかたに・じゅんと)1998年(平10)1月2日生まれ、三重県東員町出身の27歳。小学4年生から空手を始め、中学1年生で ボクシング に転向し、17歳でプロデビュー。2016年全日本フライ級新人王、2019年日本王座を獲得。2020年11月にWBO世界フライ級王座、2023年5月にWBO世界スーパーフライ級王座を獲得。昨年2月にWBC世界バンタム級王者となり、3階級制覇を達成。今年6月にはIBF同級王者の西田凌佑を6回TKOで下し、自身初の王座統一に成功した。身長1メートル73センチ、リーチ1メートル74センチの左ボクサーファイターである.
スーパーバンタム級転向初戦を迎えた、世界3階級制覇を達成した中谷潤人(27=M・T)が、苦戦の末、3-0の判定勝利を収めた。世界4団体統一王者の井上尚弥(32=大橋)が君臨するこの階級での戦いは、井上のスパーリングパートナーも務めたセバスチャン・エルナンデス(25=メキシコ)との対戦となった。国内記録となるデビューからの32連勝を誇る中谷だが、来年5月上旬に東京ドームで開催が計画されている井上との対戦実現に暗雲が立ち込めている。\試合は、ラウンドが進むごとに中谷の右まぶたの腫れが深刻さを増し、苦戦を物語っていた。来年5月の対戦を目標とする“モンスター”井上との最初の共演となる今回の試合で、井上よりも先にリングに上がった中谷は、“井上の階級”の厳しさを痛感した。「エルナンデス選手は非常に強かった。タフな試合になり、良い経験になった」と試合を振り返った。身長2センチ高いエルナンデスに対し、序盤は軽快なステップとロングジャブで距離を保ち、相手に主導権を渡さなかった。しかし、3回に接近戦に応じたことで試合展開は一変。アッパーやフックをクリーンヒットさせても、メキシコ人選手の猛攻を止めることができず、細かいパンチを浴び続けた。判定は、ジャッジ1人が8点差をつけたものの、他の2人は僅差での辛勝だった。新階級でのパワー不足を問われると、「それも想定して練習していましたが、エルナンデス選手が良いファイトをしてくれたので、私自身も成長できました」と冷静に分析した。\減量による体の負担が減り、練習でのスピードアップを実感していた中谷は、恒例のロサンゼルス合宿で、5月に井上をダウンさせたカルデナス(米国)とのスパーリングを通して、新階級への適応に手応えを感じていた。一方で、階級を上げるごとに体格的なアドバンテージが減少し、対戦相手のパワーと耐久力が増すことに「私が構築してきたものが一発で崩される可能性がある」と警戒していた。転級初戦となった今回の試合で、その懸念は現実のものとなった。試合前日には、井上が来年5月の試合について「中谷戦か、フェザー級で5階級制覇を狙うか分からない」と発言し、大きな波紋を呼んだ。期待されていた日本人頂上決戦は、一転して“開催危機”を迎えている。大橋ジムの大橋秀行会長は「明日の試合を見て決めたい」とエルナンデス戦を“テストマッチ”と位置づけたが、その結果に納得しているかどうかは微妙なところだ。「もちろん、あの世界チャンピオンを目指してこの階級に転向したので、そのチャンスを頂けるならしっかり仕上げます」。井上戦への期待を問われた中谷の答えは控えめだった。\◇中谷潤人(なかたに・じゅんと)1998年(平10)1月2日生まれ、三重県東員町出身の27歳。小学4年生から空手を始め、中学1年生でボクシングに転向し、17歳でプロデビュー。2016年全日本フライ級新人王、2019年日本王座を獲得。2020年11月にWBO世界フライ級王座、2023年5月にWBO世界スーパーフライ級王座を獲得。昨年2月にWBC世界バンタム級王者となり、3階級制覇を達成。今年6月にはIBF同級王者の西田凌佑を6回TKOで下し、自身初の王座統一に成功した。身長1メートル73センチ、リーチ1メートル74センチの左ボクサーファイターである
中谷潤人 井上尚弥 ボクシング スーパーバンタム級 エルナンデス 判定勝ち 階級転向 東京ドーム 日本人対決




