2024年10月の衆院選で自民党は大きく議席を減らした。この苦境をどう乗り越えるのか。文筆家の古谷経衡さんは「石破首相にとって、来夏の参院選こそが『本丸』であり、『総決戦』だ…|BIGLOBEニュース
、山田宏、和田政宗などといった議員は先の総裁選で高市の推薦人となった者も多く、全員が 参院選 出である。とりわけ参院全国比例から当選している者が多い。だから、衆院旧安倍派は痛打をこうむったが、他方参院の旧安倍派系は無傷で温存されており、心臓部はむしろそちらにあるのではないかということだ。ネット右翼は、筆者の調査では全国に少なくとも200万〜250万人(有権者の約2%)存在している。その多くが都市部に集積しているが、小選挙区では有権者数が20万〜50万人の母数となり、1区ごとに影響を及ぼすのは投票率を加味すると、せいぜい数千票程度になる。大接戦ではその限りではないが、小選挙区の帰趨を決するほどの力をネット右翼が持っているわけではない。
その証拠に今次衆院選では、まさにネット右翼から大きく支持された日本保守党が河村たかしの小選挙区で1議席を獲得したが、それは河村の名古屋市長としての知名度に過ぎず、その他の小選挙区ではすべて落としている。日本保守党の比例得票合計は約114万票で、有効票の約2.11%となり国政政党に昇格した。この数字はすべて、私による「ネット右翼2%説」を裏付けるものである。衆院選の比例ブロックは地域ごとの区分けで、しかも政党名式である一方、参院選は全国比例の個人記名式を採用しているので、参院選比例こそネット右翼のまとまった集票力が発揮できる独壇場になる。つまり、ネット右翼などに大きく支持される旧安倍派議員は、このような選挙システムの都合上、参院選全国比例からの選出が必然的に多くなるわけだ。
また、今次の衆院選で福井1区から当選した自民党の稲田朋美がそうであったように、初めネット右翼から期待され寵児となったのに、LGBTQへの寛容姿勢など進歩的な政治姿勢に転換していった事例は、本人の思想転換というよりも衆院選の小選挙区制度の事情ということもある。■2025年夏が石破首相にとっての「本丸」 だから小選挙区で勝ち上がってきた衆院議員の多くは、一部を除けばその政治姿勢は「中庸」に調整されるきらいがある。しかし「街の生活者の目線」を気にする必要がなく、全国に天下国家論をぶつことで個人票が入る参院全国比例候補は、ネット世論と相性がよく、畢竟ネット右翼とも相性がよくなり右傾化し、いつしか安倍派の土台の一部を形成するに至った。
来夏の参院選では、参院自民党に大量に残った旧安倍派の「残党狩り」が始まるのかと思うところだが、そう単純ではない。参議院は定数が衆議院より少なく、1議席の重みが相対的に大きい。だからこそ来夏の参院選こそが石破にとっての「本丸」であり、「総決戦」なのだ。裏金議員だからといって、簡単に非公認とすれば予想外の敗北に直結しかねない。この事情を慮って、郵政選挙で自民党を離党した参議院議員らを復党させたのが第一次安倍政権(2006年)だったが、有権者には「小泉改革の後退」と映ったのか、直後の参院選の結果は惨敗に終わった石破が参院選でも裏金議員の処置を適切にできるのかは、議席数の問題もあり微妙かもしれない。石破にとっては、大量の旧安倍派議員が残存する参院での選挙をどう制御し、自公で参議院過半数を死守するのかが、政権が長期になるか否かを占う最大の難関と言える。参議院でも旧安倍派議員の多くを完全な非公認とし、小泉に倣って刺客などを立てれば、「大坂夏の陣」よろしく旧安倍派——清和会は完全な落日を迎えよう。ネット右翼界隈は岸田政権下で成立したLGBT理解増進法を「反日・売国の悪法」と糾弾しており、爾来、岸田政
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