まもなくトランプ前大統領がホワイトハウスに戻ってくる。台湾では、第2次トランプ政権(トランプ2.0)の対台湾政策をめぐる予測と議論が絶えない。本連載でも小笠原欣幸氏(「トランプ当選、台湾の『悪夢』となる…
選挙期間中にトランプ氏は台湾に防衛費の大幅な増額を迫るなど、非友好的な発言を繰り返してきたため多くの台湾メディアは警戒感をあらわにしていた。一方で一部から「武器売却の総額はバイデン政権4年間よりもトランプ政権のほうが上だった」と期待する声や外交・安全保障チームのメンバー候補に次々と対中強硬派の名前が挙がり、楽観的な観測も広がっている。2016年にトランプ氏が初当選した際、台湾メディアは予測不能なトランプ氏に不安を隠さなかった。だが、2018年以降トランプ政権は中国をライバル視し、台湾重視の姿勢を鮮明にした。台湾の政府高官とアメリカ政府高官の相互訪問を推奨する「台湾旅行法」が最たる例である。
実際、2020年8月にはアザー厚生長官が訪台。1979年の断交以来、アメリカの閣僚が台湾を訪れたのは初めてだ。11月には「米台経済繁栄パートナーシップ対話」(EPPD)が設立され、サプライチェーンの強靭化など踏み込んだ意見交換がなされた。 2020年大統領選挙が近づくと、台湾ではトランプ氏の再選を期待する声が多く聞かれた。だが、バイデン氏がトランプ氏の再選を阻むと、オバマ政権の副大統領だったバイデン氏が、かつての融和的な対中政策に回帰するのではないかと不安が広がった。 ところが政権発足からまもなくバイデン氏は前政権の対台湾政策を踏襲する姿勢を示し、政権が掲げる同盟国や友好国との協力に台湾が含まれることを明言した。台湾側の不安は一気に和らいだ。バイデン政権は、たびたび台湾の民主主義を称賛した。台湾を民主主義国家の一員として「民主主義サミット」に招待、デジタル担当閣僚のオードリー・タン氏や駐米代表の蕭美琴氏が出席した。
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