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イギリス人なのに投票できない! 15年ルールの壁|特集|イギリス総選挙2019 ~どうなる イギリス EU離脱~|NHK NEWS WEB

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イギリス人なのに投票できない! 15年ルールの壁|特集|イギリス総選挙2019 ~どうなる イギリス EU離脱~|NHK NEWS WEB
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EUからの離脱の是非を最大の争点に、12月12日に行われるイギリスの総選挙。イギリスにも在外選挙の制度がありますが、「15年ルール」という決まりがあります。どういったルールなのでしょうか? 注目のイギリス総選挙についての知りたいに応える特設サイトに掲載しました。

イギリス議会によりますと、アダムス・グリーンさんのように「15年ルール」によって投票権を失ったイギリス人は前回2年前の総選挙の際には国外に住むイギリス人およそ500万人のうち、推計で最大300万人に上ったとみられています。このうち70万人以上がEU加盟国の居住者だとみられています。そもそも、なぜ「15年ルール」が導入されたのでしょうか?イギリスの選挙制度に詳しい明治学院大学の池本大輔教授に理由を聞きました。「イギリスで、在外投票を認める法律ができたのは1985年。国民の間で権利拡大を求める声が高まり、イギリス議会選挙とヨーロッパ議会選挙について、在外投票が認められました。しかし、在外投票の権利が失われる年数は最初から15年だったのではなく、紆余曲折がありました。 在外投票が認められたのは保守党のサッチャー政権下で、年数は「5年」でした。その4年後の1989年には、「20年」に延長されました。しかし、そのあとの政権交代で発足した労働党のブレア政権の下で再びルールが変更され、今の「15年」に落ち着きました」「保守党は在外投票の権利拡大を目指す立場でした。背景には海外に住む比較的裕福で年齢も高めの有権者は保守党の支持層と重なるという考えがあったからだと思います。イギリスに戻らない期間が長くても、在外投票を認めれば、総選挙などで保守党はそれだけ多くの票を得られると期待したのだと見ています」「労働党は『課税なくして代表なし』と主張しました。これは『代表なくして課税なし』というスローガンをもじったものです。このスローガンはイギリスの植民地だったアメリカが本国イギリスとの間で独立戦争を戦った時のものです。本国から課税されているのに本国の議会に代表を送れないのはおかしいという意味ですが、労働党はこれを逆の意味に変えて使いました。つまり、課税されていないのに代表を送るのはおかしい、と…。要するに税金を払っていない人に選挙権を与えるのはけしからんという意味で使いました。 イギリス人の富裕層の中には、住所を海外に移すことでイギリスでの課税を逃れている人がいると言われています。労働党はそのような人にいつまでも在外投票権を認めるのはおかしいと主張して期間の短縮に動いたのだとみています」 「『15年ルール』はイギリスのEU離脱の是非を問う国民投票が行われた2016年ごろに問題が指摘されました。イギリスがEUから離脱すれば、EU各国に住むイギリス人にも大きな影響が及ぶ可能性があるのにもかかわらず、投票できないのはおかしいという指摘です。 投票結果によって影響を受ける人は当然、投票権を持つべきだというのが民主政治の理念ですから、確かに問題なわけです。 イギリス政府は2015年に行われた総選挙の後、その後の政府の優先課題を説明する女王演説の中で、国外に住むイギリス人にも生涯にわたって投票権を与える法律の制定を目指すとしました。しかし翌2016年の国民投票までに立法化は間に合いませんでした。 前回2017年の総選挙では保守党が再び、『15年ルール』の廃止を選挙公約に掲げて訴えました。これを受けて、2018年には議会で法案の審議が行われましたが、『EUとは手を切るべきだ』と主張する保守党内の一部の議員たちが、相次いで修正法案を提出し、審議は時間切れとなりました。結局、『15年ルール』は廃止されなかったのです」「来月の総選挙はイギリスとEUの今後の関係を決める選挙でもあります。国外に住むイギリス人は比較的裕福で年齢も高く、保守党の支持者が多いかもしれません。しかし、保守党支持者で、とくにEU加盟国に住んでいる人の中には、今回は保守党ではなく、自由民主党など、EU残留を訴える政党への投票を考える人が、相当数出てくると思います。一方、在外投票権を持つイギリス人の中には、総選挙への投票を呼びかける活動をしている人がいます。スペインで活動するデビー・ウィリアムズさん(57)もその1人です。在外投票権がある人にはイギリス国内の居住者に代わりに投票してもらう「代理投票」の制度があります。ウィリアムズさんはフェイスブックなどを通じて、EUに住むイギリス人に対し、制度を活用した投票を呼びかけています。有権者が誰に投票するのかをコントロールすることはできません。しかし、1票が明暗を分ける可能性があり、1人でも多くの人に投票してもらう必要があります。代理投票の制度を利用してもらうため、必要な手続きや登録期限などの情報をSNSで発信しています。 一方、EU各国ではイギリスの離脱をめぐって行政に混乱が生じています。在外投票権を持つ人の中には代理投票の手続きがきちんとなされるのかが心配だと、今回は投票のためにイギリスに一時帰国しようという有権者もいます。投票率を上げるには、若い人たちによる参加が重要です。25歳の娘は若者の有権者にも投票してもらおうと、私と二人三脚で活動しています」.

イギリス議会によりますと、アダムス・グリーンさんのように「15年ルール」によって投票権を失ったイギリス人は前回2年前の総選挙の際には国外に住むイギリス人およそ500万人のうち、推計で最大300万人に上ったとみられています。このうち70万人以上がEU加盟国の居住者だとみられています。そもそも、なぜ「15年ルール」が導入されたのでしょうか?イギリスの選挙制度に詳しい明治学院大学の池本大輔教授に理由を聞きました。「イギリスで、在外投票を認める法律ができたのは1985年。国民の間で権利拡大を求める声が高まり、イギリス議会選挙とヨーロッパ議会選挙について、在外投票が認められました。しかし、在外投票の権利が失われる年数は最初から15年だったのではなく、紆余曲折がありました。 在外投票が認められたのは保守党のサッチャー政権下で、年数は「5年」でした。その4年後の1989年には、「20年」に延長されました。しかし、そのあとの政権交代で発足した労働党のブレア政権の下で再びルールが変更され、今の「15年」に落ち着きました」「保守党は在外投票の権利拡大を目指す立場でした。背景には海外に住む比較的裕福で年齢も高めの有権者は保守党の支持層と重なるという考えがあったからだと思います。イギリスに戻らない期間が長くても、在外投票を認めれば、総選挙などで保守党はそれだけ多くの票を得られると期待したのだと見ています」「労働党は『課税なくして代表なし』と主張しました。これは『代表なくして課税なし』というスローガンをもじったものです。このスローガンはイギリスの植民地だったアメリカが本国イギリスとの間で独立戦争を戦った時のものです。本国から課税されているのに本国の議会に代表を送れないのはおかしいという意味ですが、労働党はこれを逆の意味に変えて使いました。つまり、課税されていないのに代表を送るのはおかしい、と…。要するに税金を払っていない人に選挙権を与えるのはけしからんという意味で使いました。 イギリス人の富裕層の中には、住所を海外に移すことでイギリスでの課税を逃れている人がいると言われています。労働党はそのような人にいつまでも在外投票権を認めるのはおかしいと主張して期間の短縮に動いたのだとみています」 「『15年ルール』はイギリスのEU離脱の是非を問う国民投票が行われた2016年ごろに問題が指摘されました。イギリスがEUから離脱すれば、EU各国に住むイギリス人にも大きな影響が及ぶ可能性があるのにもかかわらず、投票できないのはおかしいという指摘です。 投票結果によって影響を受ける人は当然、投票権を持つべきだというのが民主政治の理念ですから、確かに問題なわけです。 イギリス政府は2015年に行われた総選挙の後、その後の政府の優先課題を説明する女王演説の中で、国外に住むイギリス人にも生涯にわたって投票権を与える法律の制定を目指すとしました。しかし翌2016年の国民投票までに立法化は間に合いませんでした。 前回2017年の総選挙では保守党が再び、『15年ルール』の廃止を選挙公約に掲げて訴えました。これを受けて、2018年には議会で法案の審議が行われましたが、『EUとは手を切るべきだ』と主張する保守党内の一部の議員たちが、相次いで修正法案を提出し、審議は時間切れとなりました。結局、『15年ルール』は廃止されなかったのです」「来月の総選挙はイギリスとEUの今後の関係を決める選挙でもあります。国外に住むイギリス人は比較的裕福で年齢も高く、保守党の支持者が多いかもしれません。しかし、保守党支持者で、とくにEU加盟国に住んでいる人の中には、今回は保守党ではなく、自由民主党など、EU残留を訴える政党への投票を考える人が、相当数出てくると思います。一方、在外投票権を持つイギリス人の中には、総選挙への投票を呼びかける活動をしている人がいます。スペインで活動するデビー・ウィリアムズさん(57)もその1人です。在外投票権がある人にはイギリス国内の居住者に代わりに投票してもらう「代理投票」の制度があります。ウィリアムズさんはフェイスブックなどを通じて、EUに住むイギリス人に対し、制度を活用した投票を呼びかけています。有権者が誰に投票するのかをコントロールすることはできません。しかし、1票が明暗を分ける可能性があり、1人でも多くの人に投票してもらう必要があります。代理投票の制度を利用してもらうため、必要な手続きや登録期限などの情報をSNSで発信しています。 一方、EU各国ではイギリスの離脱をめぐって行政に混乱が生じています。在外投票権を持つ人の中には代理投票の手続きがきちんとなされるのかが心配だと、今回は投票のためにイギリスに一時帰国しようという有権者もいます。投票率を上げるには、若い人たちによる参加が重要です。25歳の娘は若者の有権者にも投票してもらおうと、私と二人三脚で活動しています」

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