トランプ米大統領が署名したカナダとメキシコ、中国からの輸入品に関税を課す大統領令には800ドル未満の輸入品に対する免税措置(デミニミス・ルール)の停止が含まれており、これは合成麻薬「フェンタニル」とその前駆体物質が流入する抜け穴を封じる狙いがあると広く見られている。
このような低価格貨物は入国港で検査されない場合が多いため、医薬品やその原料が検出されることなく輸入されがちだ。ロイターが昨年実施した調査では、中国の化学品貿易業者がデミニミス・ルールを悪用して前駆体を米国に持ち込み、さらに国境を越えてメキシコに運んでいる実態が明らかになった。3カ国に対する大統領令には、いずれもデミニミス・ルールに関して同じ文言が含まれている。そこには「疑義を避けるため、合衆国法典第19編第1321条に基づく免税措置は、本節の第(a)項に記載された物品には適用されないものとする」と記され、関税の対象となる輸入品を大まかに特定している。
一方でデミニミス・ルールを全世界的、または恒久的な停止を示唆する文言は含まれていない。このため、中国、カナダ、メキシコから直接輸入されない限り、フェンタニルがチェックされずに送られる可能性が残されている。ワイリー・ライン法律事務所の国際貿易実務の共同議長を務めるティム・ブライトビル氏は「これらの大統領令は3カ国全てに対するデミニミス・ルールを撤廃するようだが、これは多くの企業や業界に広範な影響を与えるだろう」とし、「デミニミス・ルールはさまざまな輸入業界によって悪用されてきた。この問題は議会や、現政権と歴代政権によってかなり認識されていた」と指摘した。 米国は以前から中国の供給業者やメキシコの犯罪組織がフェンタニルを米国に持ち込んでいると非難していたが、トランプ氏のカナダに対する大統領令にはカナダからの麻薬密売が拡大しているとの長い前文が付いていた。そこには「南部国境での課題は国民に最も意識されているが、北部国境もこれらの問題の例外ではない」などと記され、デミニミス・ルールによる麻薬密売が「米国に公衆衛生の危機をもたらした」と付け加えた。国土安全保障省税関・国境取締局は現在、低価格貨物を年間10億件超取り扱っていると推計。国勢調査局のデータによると、23年に中国から輸入された低価格貨物は47億ドルと14年の2倍超となり、中国からの輸入品目の8番目となった。
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