近年は太陽光発電にかかるコストの低下に伴って、世界中でソーラーパネルの導入が進んでいます。電力網の脱炭素化に向けたソフトウェア開発を行うAxle Energyに勤めるベン・ジェームズ氏が、「あまりにもコストが安くなりすぎると、いずれソーラーパネルは送電網に接続できなくなる」と主張しています。
以下のグラフは、1年間に追加された太陽光発電容量を示したもので、2023年は爆発的にソーラーパネルの設置が進んだことが見て取れます。なお、2024年のイギリスでは庭に設置するフェンスの約2倍の価格で、同じ寸法のソーラーパネルを購入することが可能だそうです。記事作成時点では、ほとんどのソーラーパネルは一般の送電網に接続されています。これにより、ソーラーパネルが発電した電気を電力会社に販売し、送電網を通じてその他の家庭や施設などに供給することが可能です。 ところが、導入コストが低くなったことで配備されるソーラーパネルが増えれば増えるほど、新たなソーラーパネルを送電網に接続するのが困難になるとジェームズ氏は指摘しています。その理由のひとつが、「ソーラーパネル同士が競合してしまう」という点です。 ソーラーパネルはすべて太陽が出ている時間帯に発電しますが、光量の少ない早朝や夕暮れ、まったく太陽が出ていない夜間などは発電量が減ります。これにより、「晴れた日の日中は発電量が増えて電力価格が下落し、夜間は電力価格が上がる」という現象が発生し、ソーラーパネルが増えれば増えるほどこの現象は加速します。やがて、「ソーラーパネルが増えすぎて新しいソーラーパネルを設置しても赤字にしかならない」という状態になるというわけです。 太陽光発電の普及によって大量のエネルギーが余るようになれば、「電気を消費するほど報酬がもらえる」という事態が発生する可能性もあるといわれています。なお、ジェームズ氏は電力価格の下落やマイナス突入により、「既存のエネルギー源を電力にシフトするインセンティブ」が生まれることも指摘しています。 さらに、ソーラーパネルを設置して太陽光発電施設を建設するのは容易ですが、それを送電網に接続するには時間がかかるという問題もあります。すでにイギリスでは、新規の太陽光発電施設を送電網に接続する平均待ち時間は5年以上であり、建設が予定されている太陽光発電施設の40%は、送電網への接続が2030年以降になると見積もられているとのことです。新たなソーラーパネルを設置しても送電網に接続できないという状態では、ソーラーパネルで発電した電力をオフグリッドで使用する必要に迫られます。つまり電力を自分だけで消費するということで、オフグリッドで電気を使用するには「バッテリーを充電して使いたい時に使う」という方法と、「発電できる時間帯に大量の電気を使う」という方法があります。ため、費用対効果が高く現実的な方法といえます。記事作成時点では、太陽光発電施設から大型バッテリーに送られる電力の多くは地域の送電網の一部を経由していますが、送電網に接続できないソーラーパネルは直接バッテリーに接続する必要があります。これは、ソーラーパネルとバッテリーが同じ場所に配置されることを意味しています。 次に「発電できる時間帯に大量の電気を使う」という選択肢です。この方法では、1日のおよそ4分の1程度の時間しか豊富な電力を使えませんが、バッテリーすら必要としないためコスト的にはかなり安くなり、日当たりのいい場所では実質的に無料で電気が使い放題になることもあり得ます。.
以下のグラフは、1年間に追加された太陽光発電容量を示したもので、2023年は爆発的にソーラーパネルの設置が進んだことが見て取れます。なお、2024年のイギリスでは庭に設置するフェンスの約2倍の価格で、同じ寸法のソーラーパネルを購入することが可能だそうです。記事作成時点では、ほとんどのソーラーパネルは一般の送電網に接続されています。これにより、ソーラーパネルが発電した電気を電力会社に販売し、送電網を通じてその他の家庭や施設などに供給することが可能です。 ところが、導入コストが低くなったことで配備されるソーラーパネルが増えれば増えるほど、新たなソーラーパネルを送電網に接続するのが困難になるとジェームズ氏は指摘しています。その理由のひとつが、「ソーラーパネル同士が競合してしまう」という点です。 ソーラーパネルはすべて太陽が出ている時間帯に発電しますが、光量の少ない早朝や夕暮れ、まったく太陽が出ていない夜間などは発電量が減ります。これにより、「晴れた日の日中は発電量が増えて電力価格が下落し、夜間は電力価格が上がる」という現象が発生し、ソーラーパネルが増えれば増えるほどこの現象は加速します。やがて、「ソーラーパネルが増えすぎて新しいソーラーパネルを設置しても赤字にしかならない」という状態になるというわけです。 太陽光発電の普及によって大量のエネルギーが余るようになれば、「電気を消費するほど報酬がもらえる」という事態が発生する可能性もあるといわれています。なお、ジェームズ氏は電力価格の下落やマイナス突入により、「既存のエネルギー源を電力にシフトするインセンティブ」が生まれることも指摘しています。 さらに、ソーラーパネルを設置して太陽光発電施設を建設するのは容易ですが、それを送電網に接続するには時間がかかるという問題もあります。すでにイギリスでは、新規の太陽光発電施設を送電網に接続する平均待ち時間は5年以上であり、建設が予定されている太陽光発電施設の40%は、送電網への接続が2030年以降になると見積もられているとのことです。新たなソーラーパネルを設置しても送電網に接続できないという状態では、ソーラーパネルで発電した電力をオフグリッドで使用する必要に迫られます。つまり電力を自分だけで消費するということで、オフグリッドで電気を使用するには「バッテリーを充電して使いたい時に使う」という方法と、「発電できる時間帯に大量の電気を使う」という方法があります。ため、費用対効果が高く現実的な方法といえます。記事作成時点では、太陽光発電施設から大型バッテリーに送られる電力の多くは地域の送電網の一部を経由していますが、送電網に接続できないソーラーパネルは直接バッテリーに接続する必要があります。これは、ソーラーパネルとバッテリーが同じ場所に配置されることを意味しています。 次に「発電できる時間帯に大量の電気を使う」という選択肢です。この方法では、1日のおよそ4分の1程度の時間しか豊富な電力を使えませんが、バッテリーすら必要としないためコスト的にはかなり安くなり、日当たりのいい場所では実質的に無料で電気が使い放題になることもあり得ます。
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