前回はこちら→ 9-1. 信濃川を遡る古代朝鮮文化の足跡をたどる 9-2.信濃川を遡る古代朝鮮文化 繰り返しますが、私は、古代日韓交流史には、半島南岸・東岸から海流に乗って日本海を横切り
例えば、考古学者で岡山理科大学教授の亀田修一氏は、論文「列島各地の渡来系文化」(吉村武彦・吉川真司・川尻秋生編『渡来系移住民―半島・大陸との往来』岩波書店、2020年)で、こう書いています。古代における畿内と関東・東北との交流は、東山道あるいは古東山道を経由して進められたが、「上野の国名が見えない理由は、この頃までに、ある程度開発できそうな地域が、すでに古く(五世紀頃)からの渡来人たちによって開発されていたからなのであろう」。私も同感で、日本海沿岸の河川を遡上して関東地方に向かう列島内ルートを予測しているのです。朝鮮半島から北信濃一帯(半島→北陸沿岸→信濃・上野)への文化の伝播を促進したと思われる交通経路として、新潟市から遡る信濃川=千曲川、上越市から遡る関川、さらには糸魚川市から遡る姫川があります。そのうち、今回は信濃川遡上説を紹介しています。
そのような情報を得て、ますます期待が膨らんできました。同地での調査は、朝鮮半島→コシ(信濃川河口→千曲川流域)→クルマ(群馬の古名)→コマ(埼玉県高麗地方)へと連結させたいわが古代朝鮮文化の信濃川遡上説に、暫定的な傍証を与える結果をもたらしたといえます。同古墳群に隣接するかみつけの里博物館で出土品を見学した時、サプライズが私をまち受けていました。館内を巡って驚いたのは、半島北部に関係するとほぼ断定できる「積石塚古墳」についての展示があったことです。館内で購入した「常設展示解説書」には、以下の記述があります。 この記述に出遭ったことは、今回の古墳見学の最大の収穫でした。残念ながら、谷ツ古墳は埋め戻されています。しかし、ことは一挙に重大な局面を迎えることとなったのです。それは、以前から文献調査をしている長野県北部の大室古墳群と連動するからです。
日本 最新ニュース, 日本 見出し
Similar News:他のニュース ソースから収集した、これに似たニュース記事を読むこともできます。
【第9回-③】「プレ邪馬台国のごとき五十公野(いじみの、いぎみの)」くびき野の文化フィールドを歩む―1990年~2023年 石塚正英(東京電機大学名誉教授)前回はこちら→ 9-2. 信濃川を遡る古代朝鮮文化 9-3. プレ邪馬台国のごとき五十公野(いじみの、いぎみの) 埼玉県日高市にある高麗神社境内に掲げられている由緒書には概略でこうありま
続きを読む »
【第8回-②】くびき野の文化フィールドを歩む―1990年~2023年 石塚正英(東京電機大学名誉教授)前回はこちら→ 「8-1.前曳きオガが高麗時代の半島にあった!」 8-2.オガ(大鋸)からうかがえる日韓文化交流 私は、オガに関しては、ことのほか強い関心を持っています。私の生まれた地は旧高田藩の城下
続きを読む »
【順天堂大学】走れ、パリの舞台へ~陸上競技中長距離のオリンピアンが見据えるもの~(前編)目前に迫った2024年夏のパリオリンピック。順天堂大学出身の選手による陸上競技にも熱い視線が注がれています。2023年、…
続きを読む »
「倍速消費」並みになった合意形成のスピード感 政策が次々と「検討なく」決められている理由中野:昨年(2023年)末に佐藤さんは「論壇チャンネル『ことのは』」で「年末スペシャル:佐藤健志が語る『日本の危機』」という講義をされましたね。そこで指摘されていた問題は、この「令和の新教養」研究会の新…
続きを読む »
キリスト教徒激減のドイツ......お祈りは「自販機」で?<2023年、ドイツではカトリック、プロテスタントのいずれかのキリスト教宗派に属する人が人口の半数を切った......> 辛うじてまだキリスト教国ではあるものの...... 教会離脱は特にカトリックに...
続きを読む »
日本ディベート協会選出 2023年「ディベーター(ディベート)・オブ・ザ・イヤー(Debate(r) of the Year (DOTY))」決定のお知らせ日本ディベート協会選出 2023年「ディベーター(ディベート)・オブ・ザ・イヤー(Debate(r) of the Year (DOTY))」決定のお知らせ
続きを読む »