小林製薬の「紅麹」を含むサプリメントを摂取した人に健康被害が相次いでいる問題で、健康被害の原因となった可能性があるとして発表されているのが青カビから生成される「プベルル酸」です。「紅麹」を製造している小林製薬とは別の“同業者”や専門家への取材から、健康被害が出た背景に“ある可能性”が見えてきました。(読売テレビ「紅麹」問題取材班)
そもそも「紅麹」とは、米などの穀類に紅麹菌を繁殖させてつくられるもので、古くから日本や中国、台湾、韓国などで食品の着色料などとして使用されてきました。
紅麹の成分にはコレステロールを低下させる作用があるとされていて、機能性表示食品を含む数多くの健康食品などが出ていました。一方、一般に紅麹菌の中にはカビ毒である「シトリニン」をつくるものもあり、これは腎臓の病気を引き起こすおそれがあるとされています。 ヨーロッパでは紅麹菌由来の健康食品による健康被害が報告されていて、EUでは「シトリニン」について、サプリメントに含まれる基準値を設定しています。10年前には、内閣府の食品安全委員会も注意喚起を行っていました。ただ、小林製薬の紅麹菌はこの「シトリニン」を生成しないことがゲノム解析の結果でわかっています。共同研究を行った奈良先端科学技術大学院大学の金谷重彦教授は問題発覚の当初から、紅麹菌自体が問題ではないと強調していました。
奈良先端科学技術大学院大学 金谷重彦教授「小林製薬の紅麹菌は遺伝子レベルでシトリニンを作ることができないということですから、検出されなかったというのは当然のことだと思います。紅麹菌自体には問題はなく、あくまで問題は製造工程のどこかにあるのかにあるはずだ」■紅麹製造の同業者が語る「繊細な取り扱いが必要で水分量など間違えるとカビは発生しやすい」 紅麹製造会社の男性「紅麹菌はほかの菌と比べても繊細な取り扱いが必要。原料は2回殺菌しているが、殺菌しすぎると別の菌は死滅するが、紅麹菌自体も繁殖しなくなってしまうので強い殺菌剤を使うことは難しいし、水分の量を間違うとカビは発生しやすい」また、菌を培養するために、培養の途中でタンク内に定期的に空気を入れたり、水を加えたりしながら、温度や湿度を一定に保つ必要があります。空気を入れる際には空気中のカビや菌が入ることを防ぐために、フィルターを通すなど細心の注意を払うということです。
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