市場は国内のみという軽自動車がメインの扱い車種であるスズキにとって、例外的とも言えるグローバル向けモデルが仕向け地は北米と中国以外の全ての地域という『スイフト』。
特に、日本仕様のみは全幅を1695mmに抑える事で今回も“5ナンバーサイズ”を踏襲。現在では税制面や取り回し性の点でわずかに3ナンバー規格へと踏み込んでも特段の不利は生じないことを承知の上で、背伸びをしない等身大モデルであることを強調し販売時の間口を広げるべく敢えて海外向けとの作り分けを図ってまで「コンパクトであること」の主張に努めたのは、スイフトならではの見識と評して良いように思う。
ボディ骨格はキャリーオーバーとした新型だが、パワーパックは新作。特に、3気筒へのレスシリンダー化を筆頭に各部を高効率設計としたエンジンは新型スイフトでの技術的目玉と呼べる部分で、最高出力が2.3kW(≒3.1ps)に過ぎないスタータージェネレーターをアドオンしたモデルで堂々と“ハイブリッド”のグレードを名乗る点はいかがなものか?とも思う一方、価格を抑えながら燃費を大幅に引き上げることに成功したのはひとえにこの新しい心臓が大きく貢献をしたと考えて良いだろう。テストドライブを行ったのはまさにそんな当該モデルである「ハイブリッドMZ」のFWD仕様。ちなみに、このグレードには用意をされないがひとつ下の「ハイブリッドMX」のFWD仕様では、今やこのクラスでも稀なMTが選択可能なのもスイフトの特徴だ。
走り始めてまず印象に残ったのは「予想以上に静か」という好印象。相対的にロードノイズが目立つのの、バランスシャフトを備えない3気筒ということで危惧をしたエンジンに起因するノイズや振動は殆ど気にならない。数字上の最高出力/最大トルクは従来型比でやや減少したが、街乗りシーンから高速道路に至るまで動力性能の不足は感じない。それどころか、特に街中では「思った以上に力強い」と受け取れる場面が多かった。 一方で、ちょっと物足りなさを感じたのは開発陣が「従来型以上!」と自信のほどを述べていた乗り味。特に、郊外道路でコーナー部分の注意喚起を促すゼブラペイントが施されているような部分でさえ思いのほか強い突き上げ感が発生。「初めてマイカーを持とうという若者を含め、肩ひじを張らずに付き合って貰えるコンパクトカー」というその狙いどころからすると、この乗り味ではしなやかさが物足りないと感じることとなった。
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