結局のところ、岸田文雄氏の名前を覚えておく価値はありそうだ。
に首相に就任。順調な船出だったが、昨年7月に起きた安倍晋三元首相の殺害事件を受け、野党やメディアが自民党と世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との結び付きを強調したことから、全てが崩れ始めた。 だが、ここ数カ月、異変が起きているようだ。スキャンダルや支持率低下に見舞われ、人気を落とした自民党総裁は針のむしろに座す心境になるのが普通だが、岸田氏は外交で存在感を示し、再び主導権を握っている。 19日から始まる主要7カ国首脳会議(G7サミット)が岸田氏にとって首相としての最後の晴れ舞台になるのではとの推測もあったが、今ではその直後に衆議院解散・総選挙を実施し、サミットの成功を有権者にアピールするとの観測が強まっている。 自民党内で安倍氏ほどの力を持たない岸田氏だが、党内最大派閥である安倍派が混乱したままで、安倍氏の後継会長をまだ決められていない事実が、岸田氏に手を貸している。...
に首相に就任。順調な船出だったが、昨年7月に起きた安倍晋三元首相の殺害事件を受け、野党やメディアが自民党と世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との結び付きを強調したことから、全てが崩れ始めた。 だが、ここ数カ月、異変が起きているようだ。スキャンダルや支持率低下に見舞われ、人気を落とした自民党総裁は針のむしろに座す心境になるのが普通だが、岸田氏は外交で存在感を示し、再び主導権を握っている。 19日から始まる主要7カ国首脳会議(G7サミット)が岸田氏にとって首相としての最後の晴れ舞台になるのではとの推測もあったが、今ではその直後に衆議院解散・総選挙を実施し、サミットの成功を有権者にアピールするとの観測が強まっている。 自民党内で安倍氏ほどの力を持たない岸田氏だが、党内最大派閥である安倍派が混乱したままで、安倍氏の後継会長をまだ決められていない事実が、岸田氏に手を貸している。 岸田氏は今年3月、ウクライナの首都キーウを訪れた。同じ時期にロシアでのプーチン大統領と中国の習近平国家主席の会談が重なり、強い対比となった。4月下旬から5月上旬にかけては、日本の首相として約10年ぶりにアフリカ諸国を歴訪。「グローバルサウス」との連携を深めた。 長年にわたるこじれた関係を修復しようとする韓国の尹錫烈大統領からの働きかけの一因は、米国の圧力のようだ。尹氏が3月に来日すると、岸田氏は今月ソウルを訪れ、日韓首脳によるシャトル外交を再開した。 尹氏は第二次世界大戦などを巡り日本側に謝罪を求め続けてきたこれまでの政権とは一線を画す。それにより岸田氏は事実上、関係改善を目指す韓国側とぶつかることがなく、こうした問題で疲弊感も漂っていた日本の国内世論にはプラスに働いた。 多くの外国人観光客が戻ってくれば、経済の活性化が促され、円相場も安定し、たとえ実際の効果は限定的であったとしても景気回復の実感が得られやすくなるだろう。 日本銀行の新総裁には植田和男氏を起用。学者出身の日銀総裁という従来とは異なる難しい選択だったが、植田氏が」と呼ぶ経済対策は曖昧で考え抜かれたものではなかったため、1年が無駄になったが、防衛費と少子化対策予算を増やすという決定は、その詳細や財源についてまだ説明していないとしても訴えかけるものがあったようだ。 それ故、衆院議員の任期は25年まで続くものの、岸田氏は解散・総選挙に打って出ることができる。バイデン大統領をはじめとするG7首脳が来週、岸田氏の選挙区である広島に集まった後、岸田氏はまさにそれを実行に移すのではとの臆測が飛び交っている。 岸田氏は、衆院解散を考えていないと述べているが、そうした発言にほとんど意味はない。岸田氏の選択肢を考える上で参考になるのは、菅前首相の例だ。 だが、菅氏はためらい、そして、総選挙に踏み切るチャンスは二度とやって来なかった。首相在任中に(リーディー・ガロウド氏はブルームバーグ・オピニオンのコラムニストです。このコラムの内容は必ずしも編集部やブルームバーグ・エル・ピー、オーナーらの意見を反映するものではありません)This column does not necessarily reflect the opinion of the editorial board or Bloomberg LP and its owners.
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