全国の地方自治体を震撼(しんかん)させた「増田レポート」が発表されて10年。再び「消滅可能性自治体」(今回は人口戦略会議による)が発表された(4月24日発表、『中央公論』6月号)。それだけではなく、「自立持続可能性自治体(100年後も5割近く残る自治体)」や「ブラックホール型自治体(出生率は低いが転入率は高い)」という類型も提示された。
前回ほどではないにせよ、自治体のショックは今回も同様だ。前回の「打ち出した狙いは外れたこと」(東京圏高齢化危機回避戦略の提言は軽視)、「自治体は国に示した交付金の条件にばかりに着目し、地域振興のプロではなく、補助金獲得のプロになってしまった」、「従来型では芽は育たない」という元鳥取県知事で大正大特任教授の片山善博さんによる指摘は有用である(『毎日新聞』2024年4月25日)。「拡大志向」から「縮小社会」への転換
議員のなり手不足、投票率の低下といった政治の劣化は、その総力戦の作動を困難にする。住民の政治的無関心、無参加では多様な議論も正統性も希薄化するからだ。しかも、男性優位や高齢化といった議員の固定化は、これに拍車を掛ける。 だからこそ、住民、議員、首長等ばらばらではなくそれらの総力戦が必要なのだ。その場がフォーラムとしての議会であり、それは育っている(江藤俊昭『自治を担う「フォーラム」としての議会――政策実現のための質問・質疑』イマジン出版、2023年)。今日の議会改革はこの方向を示している。それは地域経営の軸である総合計画や地方財政に積極的に関わる議会だ。地方財政というと個々の予算、そして議員それぞれが要望を提出し予算規模の拡大をイメージする読者もいるかもしれない。しかし、決算審議のため事前に準備をし、その決算審議に基づき予算審議を行う拡大志向を制限する議会も生まれている。縮小社会への挑戦だ。そのために、議会を単なる質問だけの場から議員間討議を重視する場とする。それを充実させるために議会報告会・住民との意見交換会、市民フリースピーチ、参考人・公聴会制度の活用など議会への住民参加が不可欠になる。それがあるから、首長等との政策競争が充実する。それらをさらに進めるのがフォーラムとしての議会だ。縮小社会に主体的に立ち向かっている自治体もある。その一つとして岡山県美咲町が紹介されている(『山梨日日新聞』2024年
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