アヤックスに２−０と快勝したブライトンが、クラブ史上初となる欧州カップ戦での初勝利を記録。初出場のヨーロッパリーグ（EL）でグループリーグ突破の夢をつないだ。三笘...
ボール支配率は64パーセント、総シュート数は16本だったが、これらの数字以上にシーガルズ（ブライトンの愛称）がオランダの名門クラブを圧倒した。これで勝点を４に伸ばして、グループ首位のマルセイユに１ポイント差まで迫っている。前半６分。敵陣の深い位置でボールを持つと、コーナーフラッグ近くに追い込まれた。しかし敵の右サイドバック、アントン・ガーエイの一瞬の隙を突いて鮮やかなターンで抜き去っていく。ボックス内に侵入し、すかさずマイナスのパスを中央のペドロに送り込んだが、この絶好のボールをブラジル人フォワードは沈められなかった。その後も、対峙したデンマーク出身の20歳の有望株を苦しめ続ける。20分には、左サイドでボールを受け、ペナルティーエリア内に走りこんだジェームズ・ミルナーへ絶妙のタイミングでパス。だがミルナーのシュートは敵ゴールキーパー、ディアント・ラマジの正面に飛び、簡単にセーブされてしまう。
直後の22分には、左サイドからカットインした三笘のシュートフェイント後のトラップが大きくなり、そのルーズボールを相手ミッドフィールダー、スティーブン・ベルハイスに拾われる。26歳の日本代表はボールを取り返しに行くが、ベルハイスを引っ掛けてファウルの判定。ここで珍しくイエローカードを受け、本人は納得いかない様子で顔を曇らせた。 しかしその３分後。再びテクニカルなプレーでサポーターを喜ばせる。ブライトンのゴールキーパー、ジェイソン・スティールからロングフィードをワントラップで止めてすぐにドリブル。ボックス内にボールを入れたところに、走りこんだペドロが敵のディフェンダーに倒される。PKかと思われたが、ビデオ判定もなくそのままプレーは流された。ペドロとファティ、そして三笘。３人が上手にリンクしながら敵のファイナルサードで効果的な動きを見せていたものの、得点にはつながらなかった。しかし42分、ブライトンの辛抱強い攻撃が報われる。無論、この場面でも日本人アタッカーが絡む。
キャプテンのルイス・ダンクからのスルーパスを受け、タイミングよくボックス内に飛び出してワンタッチでディフェンダーをかわすと、すかさず右足でシュート。GKラマジがファインセーブを見せたが、こぼれ球をペドロが押し込んで先制点を奪ったのである。前半を１点リードで折り返したシーガルズは、後半に入っても勢いそのままに、低調なパフォーマンスに終始するアヤックスを攻め立てた。同８分には、右サイドのシモン・アディングラのループスルーパスをファティが落ち着いて決めて追加点。３分後には、今度は三笘のポストプレーから、ファティが再びゴールを狙ったが、ポストのわずか右に外れた。３試合を終えて勝点４を獲得したシーガルズは３位ながら、一方で２位のAEKアテネとは同勝点で並んでいる。首位のマルセイユも勝点５と、グループBは混戦状態にある。最下位に沈むアヤックスも勝点２。今季は極端なスランプに落ち込んでいるが、復調する可能性はある。
そんなアヤックスが1971年にクラブ史上初のヨーロピアンカップ王者に輝いたとき、ブライトンはイングランドの４部リーグにいた。あれから50年以上が経過し、当時の弱小クラブが欧州のビッグクラブを簡単に退けたのである。「ミトマがいれば、ブライトンは何でも可能だ」ELで躍動した三笘薫、現地メディアがMVP選出で絶賛！「左サイドで常に脅威」「個人技で輝いた」
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