飲食店を手放し生活保護を受けていた過去を持つエクスコムグローバル株式会社の西村誠司社長が、総工費30億円、一坪1200万円の豪邸を東京・渋谷に建てた。子供の頃の過酷な経験や葬儀介助員として800件の死に立ち会った経験を糧に、独自の哲学を築き上げた経営者。
「にしたんクリニック」などを展開するエクスコムグローバル株式会社の西村誠司社長(54)が東京・渋谷に建てた豪邸を訪ねた。総工費30億円、一坪の建設費1200万円。桁違いの家の主に話を聞くと、子供の頃は生活保護を受ける家庭に育ち、中学に入学して新聞配達を始め、学生時代はひょんなことから葬儀関係でアルバイトをすることになり約800件の死に立ち会った。年商333億円の凄腕経営者はあらゆる経験を糧にし、独自の哲学を構築していた。 見たこともない照明器具が室内を柔らかく包む。トム・ディクソンというイギリスのインテリアブランドだと後で知った。壁には絵画があると思って近づくと絵画ではなかった。聞くと「刺繍アート」。ルイ・ヴィトンの関西にある店舗に同じ物が飾られているという。個人の部屋というより雑誌で見た超高級ホテルのロビー、ハイエンドブランドのブティック、映画で見るセレブの世界がよぎる。小学生になる前に父親が肝硬変を患い、医師から「あと5年くらいの命」と余命宣告を受けた。営んでいた焼き鳥店を手放し、間もなく生活保護を受けるようになった。専業主婦だった母親が働かなければならなかったが父親が余命宣告されたショックもあり、アルコール依存症になった。 「母は酔っぱらって野垂れて倒れていることが多かったので、しょっちゅう警察に保護されてました。僕らが迎えに行くまでは留置しなければいけないので、警察から『もう、預かれない』とクレームがありました」。母親がいつも酔っているため、家庭訪問が嫌だった。「ほぼ確実に酔っぱらってるんで。先生が来てもコミュニケーションが成り立たない」 母親は西村氏が小学2年生のときに自殺未遂を起こした。西村氏が見つけて通報した。そのときの細かなことは覚えていない。いつも酔っぱらっている母親。困窮する生活。コンプレックスに押しつぶされてもおかしくないだろうが西村氏は「それは無かったです」と否定した。「僕は学校の勉強が抜群によくできました。すぐに理解できた。小学校に入学した1カ月後くらいのことで今でも鮮明に覚えているのは教師が生徒に何か課題を出して、自分だけあっという間にできて他の生徒がまだやっていました」高校は愛知県内有数の進学校である県立千種高校を受けた。入学試験の際は3分の1くらいの時間で解き終わった。高校卒業後は名古屋市立大学経済学部に進学した。アルバイトを続ける必要があり、飲食店での勤務や家庭教師も務めたなか、葬祭事業を営む会社の葬儀部門で4年間続いた。学生が葬儀のバイトとは珍しい。先を見据えて何か狙いがあったのではないか。 「そんなことはありません。ウエディングの会社だと思って応募したんです。そしたら葬儀もやっている会社で、葬儀部門の募集だけどいいかと聞かれてそのまま決めました。4年間で800件くらいの葬儀に立ち会いました。老齢で亡くなった方もいれば、不慮の事故で亡くなった方もいました」「人間なんていつなんどき死ぬか分からない。人は簡単に死ぬ」ということだ。「結婚式を繰り返す人はいる。でも葬儀はだれでも1回だけです。葬式という場にその人が生きてきた様が集約される。何千人もの人が会葬してくれる人もいれば、葬儀会社の僕らが手を合わせるだけの人もいる。僕の人生が終わったときに『西村さんに世話になったから葬儀に行こう』と思ってもらえるような、そういう数をできるだけ多くしたい」 大学生のときに芽生えたその思いは衰えるどころ年々熱くなっている。25歳で起業し、ピンチもあったが年商333億円、社員500人以上の企業に成長させた。自社の利益追求だけではなく「にしたんこども基金」を設立して子供たちへの支援活動をしている。また、ひとり親家庭への家族旅行支援も続けている。.
「にしたんクリニック」などを展開するエクスコムグローバル株式会社の西村誠司社長(54)が東京・渋谷に建てた豪邸を訪ねた。総工費30億円、一坪の建設費1200万円。桁違いの家の主に話を聞くと、子供の頃は生活保護を受ける家庭に育ち、中学に入学して新聞配達を始め、学生時代はひょんなことから葬儀関係でアルバイトをすることになり約800件の死に立ち会った。年商333億円の凄腕経営者はあらゆる経験を糧にし、独自の哲学を構築していた。 見たこともない照明器具が室内を柔らかく包む。トム・ディクソンというイギリスのインテリアブランドだと後で知った。壁には絵画があると思って近づくと絵画ではなかった。聞くと「刺繍アート」。ルイ・ヴィトンの関西にある店舗に同じ物が飾られているという。個人の部屋というより雑誌で見た超高級ホテルのロビー、ハイエンドブランドのブティック、映画で見るセレブの世界がよぎる。小学生になる前に父親が肝硬変を患い、医師から「あと5年くらいの命」と余命宣告を受けた。営んでいた焼き鳥店を手放し、間もなく生活保護を受けるようになった。専業主婦だった母親が働かなければならなかったが父親が余命宣告されたショックもあり、アルコール依存症になった。 「母は酔っぱらって野垂れて倒れていることが多かったので、しょっちゅう警察に保護されてました。僕らが迎えに行くまでは留置しなければいけないので、警察から『もう、預かれない』とクレームがありました」。母親がいつも酔っているため、家庭訪問が嫌だった。「ほぼ確実に酔っぱらってるんで。先生が来てもコミュニケーションが成り立たない」 母親は西村氏が小学2年生のときに自殺未遂を起こした。西村氏が見つけて通報した。そのときの細かなことは覚えていない。いつも酔っぱらっている母親。困窮する生活。コンプレックスに押しつぶされてもおかしくないだろうが西村氏は「それは無かったです」と否定した。「僕は学校の勉強が抜群によくできました。すぐに理解できた。小学校に入学した1カ月後くらいのことで今でも鮮明に覚えているのは教師が生徒に何か課題を出して、自分だけあっという間にできて他の生徒がまだやっていました」高校は愛知県内有数の進学校である県立千種高校を受けた。入学試験の際は3分の1くらいの時間で解き終わった。高校卒業後は名古屋市立大学経済学部に進学した。アルバイトを続ける必要があり、飲食店での勤務や家庭教師も務めたなか、葬祭事業を営む会社の葬儀部門で4年間続いた。学生が葬儀のバイトとは珍しい。先を見据えて何か狙いがあったのではないか。 「そんなことはありません。ウエディングの会社だと思って応募したんです。そしたら葬儀もやっている会社で、葬儀部門の募集だけどいいかと聞かれてそのまま決めました。4年間で800件くらいの葬儀に立ち会いました。老齢で亡くなった方もいれば、不慮の事故で亡くなった方もいました」「人間なんていつなんどき死ぬか分からない。人は簡単に死ぬ」ということだ。「結婚式を繰り返す人はいる。でも葬儀はだれでも1回だけです。葬式という場にその人が生きてきた様が集約される。何千人もの人が会葬してくれる人もいれば、葬儀会社の僕らが手を合わせるだけの人もいる。僕の人生が終わったときに『西村さんに世話になったから葬儀に行こう』と思ってもらえるような、そういう数をできるだけ多くしたい」 大学生のときに芽生えたその思いは衰えるどころ年々熱くなっている。25歳で起業し、ピンチもあったが年商333億円、社員500人以上の企業に成長させた。自社の利益追求だけではなく「にしたんこども基金」を設立して子供たちへの支援活動をしている。また、ひとり親家庭への家族旅行支援も続けている。
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