【NQNニューヨーク=戸部実華】19日のニューヨーク外国為替市場で円相場は小幅に反発し、前日比5銭円高・ドル安の1ドル=154円55〜65銭で取引を終えた。中東情勢を巡る地政学リスクの高まりを受け、低リスク通貨とされる円が買われやすかった。米長期金利が低下し、日米金利差の拡大観測の後退も円相場を支えた。米利下げ観測の後退は円の上値を抑えた。米東部時間18日夜にイスラエルがイランを空爆したと伝
【NQNニューヨーク=戸部実華】19日のニューヨーク外国為替市場で円相場は小幅に反発し、前日比5銭円高・ドル安の1ドル=154円55〜65銭で取引を終えた。中東情勢を巡る地政学リスクの高まりを受け、低リスク通貨とされる円が買われやすかった。米長期金利が低下し、日米金利差の拡大観測の後退も円相場を支えた。米利下げ観測の後退は円の上値を抑えた。
米東部時間18日夜にイスラエルがイランを空爆したと伝わった。円相場は東京市場の取引時間帯に153円台半ばに上昇する場面があった。その後、攻撃は限定的との見方やイランが自制的な対応を示すとの観測が広がり、円は伸び悩む展開となった。もっとも、中東情勢を巡る不透明感は根強く、米債券市場では相対的に安全な資産とされる米国債が買われた。米長期金利が低下し、円買い・ドル売りが優勢となった。による円買いの為替介入への警戒感も円相場を支えた。市場では「155円が為替介入の水準として注視されている」（邦銀の為替ディーラー）との声が聞かれ、積極的に持ち高を円売りに傾けにくくなっているとの見方があった。 円の上値は限られた。米連邦準備理事会（FRB）は利下げを急がないとの見方が強まっている。シカゴ連銀のグールズビー総裁は19日、「2024年のインフレを巡る進展は今のところ行き詰まっている」と話し、政策決定の判断はデータを見極める姿勢を示した。「ハト派とみられていた同氏の発言は、FRBが現在の政策金利を当面維持するとの見方で足並みをそろえた」（邦銀の為替ディーラー）と受け止められた。ユーロは対ドルで反発し、前日比0.0010ドルのユーロ高・ドル安の1ユーロ=1.0650〜60ドルで取引を終えた。イスラエルによる攻撃は限定的との見方から中東情勢を巡る過度な警戒がひとまず和らいだ局面で、ユーロ買い・ドル売りが優勢になった。もっとも、米利下げの開始が想定よりも遅れるとの見方はユーロ相場の重荷となった。
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