NTT、800kmで115Tbpsの長距離大容量伝送を実現。世界初の超長波長帯向け光増幅中継器を実装

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NTT、800kmで115Tbpsの長距離大容量伝送を実現。世界初の超長波長帯向け光増幅中継器を実装
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日本電信電話株式会社(NTT)は9月3日、新たに開発したPPLN(Periodically Poled Lithium Niobate:周期分極反転ニオブ酸リチウム)による超長波長帯一括変換技術により、既存機器を活用して新たな超長波長帯が利用できるようになったと発表した。800kmの距離において14.85THzの帯域で115Tbps(テラビット/秒)の伝送速度を実現し、IOWN/6G時代に向け、既存技術の3倍超となる大容量で長距離通信を可能とする基盤技術として期待される。

今回開発された超長波長帯向け光増幅中継器は、従来の長距離光通信において実用化されている波長帯である「C帯」「L帯」に加え、より波長が長い(超長波長帯である)「U帯」も用いて波長資源を拡大したうえで、既存の光ファイバー網を用いた通信を可能にしているのが特徴。U帯の信号を既存の光伝送システムで通信可能にするために開発されたのが、超長波長帯一括変換技術となる。日本の光基幹ネットワークでは、東名区間の約500kmの距離を中継できることが重要となる。NTTでは波長資源拡大のためPPLN導波路による光パラメトリック増幅(物質中で生じる非線形光学効果を利用し、異なる波長の光同士を相互作用させ、特定の波長の光を増幅すること)を用いた広帯域増幅中継技術を実証し、2023年6月にはC帯・L帯に加えてより波長の短い「S帯」を用いることで当時世界最大となる世界最大14.

2点目は、広帯域伝送設計技術である。U帯は一般に、光ファイバーの曲げ損失や、シリカガラス(光ファイバーの素材)の特性による赤外吸収損失がL帯以下よりも大きい。また、10THzを超える広帯域波長多重信号が光ファイバー上を伝搬すると、短波長側から長波長側の信号に光パワーの遷移が生じる「誘導ラマン散乱」と呼ばれる現象が生じる。 これらを抑止するため、NTTでは、ガウシアンノイズモデル(長距離伝送では光ファイバーの波長分散の影響で非線形歪みが平均化されることに着目し、ガウス分布に従う雑音として計算する理論計算モデル)を独自に改良し、3つの波長帯の合計伝送容量が最大になるように、実験上の制約も考慮して伝送条件を計算し、光増幅中継伝送実験に適用。これにより、誘導ラマン散乱効果を利用してC帯・L帯の信号光からU帯の信号光にパワーを遷移させることで、低い実行損失でU帯の伝送を可能にし、伝送容量と長距離化を両立する高精度な伝送設計が可能になったという。3点目は、超高速デジタルコヒーレント信号送受信技術である。各波長のデジタルコヒーレント信号として、シンボルレート144Gboud(ギガボー)の偏波多重PCS-QAM信号が採用されている。

これは、NTTが研究開発している高速回路技術に、回路性能を最大限引き出すデジタル信号処理技術を適用したもの。2023年6月に発表された成果からシンボルレートを約10%高速化し、より長距離伝送に適した信号を実現しており、伝送距離に応じて1波長あたり約600Gbpsから最大1.Tbpsまでの高速多値光信号を、高品質に送受信可能だとしている。伝送実験では、中継間隔80kmの周回伝送実験系を構築した。C帯が30波長4.5THz、L帯が39波長 5.85THz, U帯が30波長4.5THzの波長多重信号で、合計99波長、14.85THz。C帯とL帯は各帯域に対応したEDFA、U帯は今回開発された波長帯変換技術を適用した光増幅中継器を適用しており、144ギガボー PCS-QAM信号の伝送後の信号品質評価を全波長で実施したところ、480kmにおいては、2023年6月の実験の1.7倍以上となる125.

800kmにおいては全波長1Tbps以上で、総伝送容量115.3Tbpsとなっており、集中増幅器のみを用いた中継間隔80kmかつ100Tbpsを超える伝送において世界最長距離となる。さらに、2400kmにおいても72.6Tbps容量を達成した。

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