NECがDX事業の強化に向けた価値創造モデルとして新たなブランドを立ち上げた。同社の新たな取り組みのポイントを探るとともに、そこから企業がDXを成功に導く要件について考察する。
「当社が持つテクノロジーや人材、視点の全てを結集し、お客さまのビジネス変革を進め、未来へと導く価値創造モデルをブランド化した。お客さまの経営アジェンダを起点として、価値創造に向けた構想から実装までエンドツーエンドのビジネスモデルによって、お客さまと社会のDX人材を成功に導いていく。このビジネスモデルを支えるのは、テクノロジーおよび組織と人材だ」
「テクノロジーにおいては、当社が強みとするAIやセキュリティをはじめ、これまで蓄積してきた知見やノウハウを集結し、お客さまのDXに最適なオファリングを提供する。そして、DXを強力に推進する原動力は組織と人材だ。当社の1万人のDX人材がナレッジをフルに活用し、課題解決に向けてお客さまに伴走する。また、お客さまおよびパートナー企業との共創プログラムを通じてテクノロジーを活用した顧客接点や業務の改革といった具体的な企業活動を強力に推進する」 同氏はBluStellarを推進する全社横断組織を2024年4月に新設したことも明らかにした。2023年度にNECグループ全体を横断するDX事業推進組織として「デジタルプラットフォームビジネスユニット」(現在約3万4000人)を設け、今回この中に「BluStellar事業推進組織」を400人体制で立ち上げた。さらに、各事業部門にBluStellarのアンバサダーも配置し、幅広い事業領域に対応する構えだ(図2)。森田氏に続いてBluStellarの説明に立ったNEC CDO(最高デジタル責任者)の吉崎敏文氏は、「新ブランドを機に、当社はシステムインテグレーター(以下、SIer)から『Value Driver』へ転身する」と明言した。同氏によると、「システムを受託開発するSIerからBluStellarによってAIを活用した自動化、自律化、標準化を進め、社会価値創造をリードするValue...
その変化を表した図3では「System Value Driver」と表記されているが、これはSIerと対比させた形で見せているからだろう。システムのほかにサービスも対象となることから、同社としてはValue Driverという言葉を前面に出していく構えのようだ。DXの進展に伴い、SIerは自らを「ITサービス事業者」と呼ぶケースが増えているが、単に事業者として分類しただけのイメージが拭えない。主力事業はSIerと変わらないのにユーザーのDXパートナーになれるのかという議論は今も続いている。2022年7月4日掲載の本連載記事「」で、タイトル通り森田氏にその点をズバリ聞いてみたところ、同氏はNEC Digital Platformの意義を強調していた。今回のBluStellarおよびValue Driverは、その進化形の話である。
ちなみに、BluStellarの名称の由来は、イタリア語の「Blu」(「青」の意味)と「Stella」(「星」の意味)からなる。青い星は一般に「シリウス」を指す。これをして、「NECはValue Driverとして夜空で最も明るく輝く星のように、人々と社会が進むべき目印となる星になる」との想いを込めたとしている。また、語末に「r」をつけることで、さらに強く、主役のような意味合いを付け足しているとのことだ。
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